2013年度 国内パソコン出荷概要

2014年05月15日

■出荷台数は過去最高の1,651.3万台(前年度比9.7%増)
■個人市場は割安なタブレットに需要が流出し不振、法人更新需要は堅調
■14年度は個人市場で苦戦続き、法人は更新需要が牽引へ


 出荷台数 1,651万3,000台  前年度比 109.7%

出荷金額 1兆2,128億円 前年度比 121.2%

 MM総研(東京都港区 代表取締役所長:中島洋)は5月14日、2013年度(13年4月~14年3月)の国内パソコン出荷実績調査の結果を発表した。それによると国内パソコン出荷台数は前年度比9.7%増の1,651万3,000台と95年の統計開始以来過去最高の出荷台数となった。上半期は、個人市場の不調が響き前年同期比7.5%減の691.2万台となったが、下半期は法人を中心に、サポート終了となるWindowsXP搭載機の更新需要で同26.6%増の960.1万台と大幅に伸長した。

 流通ルート別実績では、個人向けルートが前年度比16.3%減の594.2万台、法人向けルートが32.8%増の1,057.1万台となり、法人更新需要が個人向けの苦戦を補う形となった。

 メーカーシェアは、首位のNECレノボ、2位の富士通、3位の東芝と順位は変わらなかったが、法人市場が得意なメーカーがシェアを拡大している。首位NECレノボはシェア26.2%と0.3ポイントシェアを拡大した。2位富士通は法人市場での拡大に注力しシェアを1.1ポイント上げた。また4位デルは、2012年度の5位から一つ順位を上げた。

 出荷金額は前年度比21.2%増の1兆2,128億円となった。出荷平均単価は前年度の6.6万円から7,000円増の7.3万円。円安による部材費の上昇等に伴い、価格が上昇した。


 2014年度はWindowsXPの更新需要が一段落つき、市場は反動減となると予測される。上半期は更新需要が残り、前年同期比4.9%増の725万台となるが、下半期は31.3%減の660万台、通期では16.1%減の1,385万台となる見通し。学校でのスマートデバイス1人1台活用、コンシューマやビジネスでのスマートデバイスとの連携活用やSIMフリー端末とMVNOによる格安モバイル運用などPCを取り巻く市場では新しい需要が出ており、PC+αで付加価値市場をどれだけ取り込めるかが課題となりそうだ。


■出荷台数は過去最高を更新 OS更新需要で
 2013年度は、過去最高の出荷台数を記録した一昨年(2011年度)の出荷台数を100万台超上回り前年度比9.7%増 の1651.3万台となった。半期別では特に、下半期が前年同期比26.6%増の960.1万台となったが、これを流通ルート別に見ると個人市場が、前年同期比1.5%減の338.5万台、法人市場が同49.9%増の621.6万台と法人市場でのWindowsXP更新需要に支えられた。

 なお、個人市場では3月に入り、XP更新需要が顕在化しており、4月以降も需要が継続している状況。6月のボーナス商戦でも需要は堅調に推移すると見られる。一方、法人市場でも13年度下半期ほどの伸びは見込めないが中小企業や予算計上が間に合わなかった自治体等のXP更新需要が残っており、上半期は堅調に推移するとみられる。

 出荷金額は21.2%増の1兆2,128億円。出荷単価は、7.3万円と前年度から7,000円の上昇となった。円安による部材価格の上昇と、OS入れ替えに伴う需要の集中が、パソコン販売価格の上昇につながった。

 メーカーシェアでは、上位3社の順位変動はなかった。首位NECレノボはコンシューマ、ビジネスとも首位となっている。2位富士通は、好調だった法人市場でシェアを1ポイント上げた。また総合で5位デルが4位に順位を一つ上げている。年度前半から、各社価格を上げる中で値上げを遅らせつつ、より多くの需要を取り込んだ点が奏功した。


■14年度は下半期に反動減、年度通期で16.5%減の1,385万台を見込む
 2014年度のパソコン需要は13年度の特需反動で減少が見込まれる。上半期はXP更新需要が残り前年度比4.9%増の725万台、下半期は、前年度比31.3%減の660万台、通期では16.1%減の1,385万台を見込む。西暦2000年問題によるパソコン特需の反動が起きた2001年度(13.2%減)以来の二ケタ減少が見込まれるが、普及が広がるスマートデバイスとの連携需要や教育でのデバイス活用などパソコンに加えてスマートデバイスを連携させた新しい需要も立ち上がっている。また通信分野でもMVNO事業に代表されるモバイル高速通信の低価格化と普及が見え始めており、SIMフリー型端末の拡大も予想され、パソコンを含むICT端末は、通信キャリアとバンドルされない新しい需要が広がることが予想される。 


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