
生成AIや自動化の社会実装に向けて。調査から得た実態と提言を発信することがリサーチャーとしての使命
Interview03
2017年 入社
チーフリサーチャー
- 職位
- 研究主任
現在ご担当されている仕事内容を教えてください。
主に法人向けのアプリケーションとインテグレーション、サーバーやパソコンなどのITインフラを担当する部署で、研究主任としてリサーチ業務にあたっています。
業務に関しては、クライアントに依頼された調査・報告を実行するだけでなく、新規の顧客開拓、企画・提案も担当しています。
もうひとつの役割がチームの調整です。案件が始まると常に一緒に動いてくれるメンバーがアサインされるので、そのなかで仕事を割り振り、進捗を相談しながら進めています。

入社の経緯を教えてください。
社会人のスタートは製薬会社でMRとして医薬品の販売しており、リサーチからは遠い業界でした。
キャリアを積んでいくなかで、大学院まで続けていた研究を軸にしたいと思うようになり、コンサルティング会社や事業企画、そしてリサーチ会社への転職を検討することにしました。
昔から興味を持っていたICTが良いだろうと考え未経験者でも興味関心があれば受け入れてくれるMM総研をリクルーターの方に紹介していただき、中途採用に応募しました。
入社後の会社の印象はいかがですか。
MM総研のホームページを見る限りでは「PC・携帯・通信回線に特化した調査データの会社」というイメージを持たれるかもしれません。実際に入社してみると、大半の仕事は調査やデータ提供を基礎として、顧客の事業・業界・市場に変化を起こすことでした。大変ではありますが、非常にやりがいがあります。
入社してからはステップバイステップでここまで来ることができた、というのが素直な感想です。これは、新人の私にもどんどん仕事を任せてくれる上司の教育方針のおかげだと思います。任せると言っても決して丸投げするわけではなく、こまめにフィードバックをくれたり、ディスカッションの時間を取ってくれたりと、とにかくよく声をかけてくださいました。
MM総研の魅力はどんなところにありますか。

色々な見方があるとは思いますが、私は大きく2つの魅力があると思っています。ひとつは個人の裁量が大きく、挑戦を応援してくれることです。ICTは本当に範囲が広く、かつ新しい領域が次々と出てくる分野です。そうした新しい領域に挑戦することを会社が後押ししてくれるため、第一人者になれるチャンスが設けられていることが魅力だと思います。
私の場合は例えばRPA(自動化)やGIGAスクール(教育)などのテーマで自主調査をしており、現在では複数の企業やメディアから声をかけてもらうまでになりました。
もうひとつは、さまざまな業種・業界と接点を持てることです。他社では最初から特定の業種・業界に閉じたコンサルタントやリサーチャーになることが多いですが、MM総研ではICTを切り口にあらゆることを調査します。
例えば、私はこの1年でICT業界以外に教育、公共、建設、製造、エネルギー、医療福祉などの案件を担当してきました。こうした案件を通じて得られるさまざまな業界の動向や課題の把握、キーマンとのつながりは、自分自身の成長の糧になっています。
やりがいを感じられる瞬間について教えてください。
例えば以前、顧客から「市場を盛り上げるために政府に提案を行うので、市場データの提供などで支援してほしい」と依頼されました。結果として、国も市場活性化のために大きな予算をつけることとなり、そのときに「MM総研のレポートがなければ、国を動かすことはできなかった」と評価をいただいたときはとても嬉しかったですね。
また、新聞・雑誌やWebメディア、TVなどのメディア対応、セミナーでの講師など対外に向けて調査結果を紹介することもよい経験になっています。発表することで、自分の視点では見えていなかったことを教えてもらうことも多くあります。こうした活動を通して市場を盛り上げ、賛否含め多くの意見をもらって成長することリサーチャーという仕事の面白味だと感じています。
ご自身のミッションは何だとお考えですか。
AIやRPA(自動化)の社会実装を進めることです。今後人口が減少していくなかで、AIやRPAなど自動化技術の活用は必須だと考えています。生成AIの登場でビジネススピードがさらに加速したのにも関わらず、日本ではあまり使われていません。
23年5月に企業における生成AIの利用実態について調査をしたのですが、アメリカでは51%もの企業が利用していたのに対し、日本は7%に留まっていました。私はこの調査を通じて危機感を感じましたし、今後の日本経済のためにはこの現状をどうにかしなくては、と強く思いました。
もちろん、実装し活用度を上げていくには、技術、人材、制度、文化などさまざまな課題もありますが、まずはこうしたデータを社会に発信してコミュニケーションを図ることが、研究者としての使命だと考えています。
今後の目標を教えてください。
AIやRPAの社会実装を進める支援をしたいと考えています。実現するためには「テクノロジーを知ってもらう努力」や「一緒に活動してくれる仲間」が必要です。
社外への働きかけとしてその時々の課題に沿った調査を進めること、関係者やメディアとのコミュニケーションを継続していきます。継続するには成果物をしっかりと収益化し、会社の屋台骨のひとつにしていく必要があります。
社内では今の役職よりも裁量の大きいポジションを目指し、この領域で一緒に活動してくれるメンバーをさらに増やすことです。興味を持ってくれる人を募ってAI、RPA業界を盛り上げていきたいですね。
