2015年度 国内PCサーバー出荷概況

 

2016年06月23日

■出荷台数は5.5%減の47万8,446台と2年連続の減少
■出荷金額は6年連続の増加、前年度比4.9%増の2,590億円
■データセンター新設一巡で台数減も仮想化進展で金額は過去最高を更新

 MM総研(東京都港区 所長・中島洋)は、2015年度(15年4月~16年3月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。それによると、わが国のPCサーバー市場は、前年度比5.5%減の47万8,446台を出荷した(表1)。

 半期別に見ると、上半期は前年同期比2.3%減の23万802台。下半期は、同8.2%減の24万7,644台となった(表2)。

 上半期の出荷台数は、2015年7月のWindowsServer2003 OSのサポート終了に伴う更新需要もあり、前年度同期比で減少幅は縮小傾向となった。一方、下半期はデータセンターの新設が一巡、あわせてスマホユーザー数の増加が鈍化傾向となった。これを受けて通信キャリアやコンテンツプロバイダーのサーバー増強も停滞し、下半期の出荷台数は8.2%減の24万7,664台と伸び悩んだ。

 出荷金額は前年度比4.9%増の2,590億円となり、6年連続の増加。2013年度からは3年連続で過去最高を更新している。出荷単価は54.1万円と前年度から5.3万円の上昇となった(表2、3)。仮想化の広がりにより1台あたりに搭載するCPU、メモリ、HDD、SSD等の増加が出荷単価を押し上げたが、2014年度の単価上昇要因となっていた円安は一服しており、仮想化に伴う高性能化が単金を押し上げている。
 16年度の出荷台数は0.3%増の47万9,900台(表1)、出荷金額は2,700億円(4.2%増)を見込む(表3)。

 出荷台数は、16年度後半からデータセンターの新規稼働が再び増加に転じるため下げ止まるものと予測する。仮想サーバーの集約率上昇に加えて、パブリッククラウドと自社試算の仮想サーバーを接続して利用するマルチクラウドなど新規ニーズが顕在化しており、サーバーを購入せずにサービスとして利用するパターンが増加。市場は台数、金額とも大きな成長は見込めない状況にある。

■ 今回発表のポイント

①出荷台数2年連続減少、クラウド化で出荷台数は今後頭打ちに

15年度の出荷台数は、前年度比5.5%減の47万8,446台となった。上半期は、Windows Server 2003 OSのサポート終了に伴うサーバー更新需要が、パソコンとは異なり大きな出荷台数増にはつながらなかった。仮想化やクラウド化が進展しており、台数の集約効果が入れ替え需要増を相殺している状況。今期に入り、さらにAmazon、マイクロソフトに代表されるパブリッククラウドの利用率も上昇しており、オンプレ型サーバーの需要は今後も伸び悩むものとみられる。

② 6年連続の出荷金額増

 一方、出荷金額は、前年度比4.9%増の2,590億円と6年連続の増加となり、95年度の統計開始以来過去最高を更新した。14年度に発生したような学術系や官公庁系の大型案件はなかったものの仮想化用途のサーバーニーズがメモリ、CPU等のアップグレード需要を牽引し、単金上昇が続いた。
 2015年度では、全体出荷台数のおよそ45%が仮想化用途で利用されていると見られるが、金額ベースでは出荷金額の65%を占めていると考えられる。今後、自社が運用する仮想サーバーとパブリッククラウド等を接続し活用する「マルチクラウド型」のサーバーニーズが拡大してくることが予想される。複雑なプラットフォーム構成の中では、サーバーの性能要求に加えて仮想サーバーの監視やセキュリティ対策などでの運用自働化、簡素化のニーズが一層高まると予想される。

③16年度見通し ~データセンター投資拡大で台数下げ止まり 金額増が続く。

 16年度のPCサーバー出荷台数は前年度比0.3%増の47万9,900台、出荷金額は4.2%増の2,700億円を予測する。年後半に学術系HPCサーバー(スパコン)の大型投資が予定されるほか、2015年に端境期となっていたデータセンターの新設投資が16年に再び拡大することから金額ベースでの市場拡大が予想される。
 一方で、Amazon、マイクロソフトなど外資系大手事業者は、パブリッククラウドを大きく拡大しており、今後は、世界でも数社の限られたクラウドベンダーがコンピュータープラットフォーム市場の主導権を握っていくこととなろう。クラウドへの接続や相互運用などコンピュータープラットフォーム上での新たなニーズとそれに伴う技術革新は次々と湧き起こるが、主戦場はソフトウェアベースに移っており、ハード単体で見れば2020年に向けて中期的に市場の縮小が予想される。ソフトウェア(仮想化技術)と組み合わせた提案がハードメーカーには一層重要になろう。 


(注) PCサーバーとは、32bitベースの汎用CPUと汎用OSを組み合わせた企業向けサーバーを指す。従来は、企業内システムでのファイル・プリンタ共有など情報系システムを中心に活用されてきた。
 現在ではCPU性能と製品全般の堅牢性・信頼性の向上に伴い、独自OS・独自64bitCPUで構成するUNIXサーバーの牙城であったDBサーバーなど、基幹系システムにも浸透し、現在では、金額ベースで全サーバー出荷金額の50%以上、台数ベースでは95%を占める。

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