2014年度 国内PCサーバー出荷概況

 

2015年06月24日

■出荷台数は5%減の50万6,182台と減少に転じる
■出荷金額は5年連続の増加、前年度比4.1%増の2,470億円
■仮想化が進展し台数は伸び悩むも出荷金額は過去最高を更新

 MM総研(東京都港区 所長・中島洋)は、2014年度(14年4月~15年3月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。それによると、わが国のPCサーバー市場は、前年度比5%減の50万6,182台を出荷した(表1)。半期別に見ると、上半期は前年同期比5.4%減の23万6,350台。下半期は、同4.7%減の26万9,832台となった(表2)。上半期は、消費税8%導入後の反動から出荷台数が伸び悩んだ。下半期も出荷台数は低調な状況が続いたが、2015年7月に予定されているWindows Server 2003 OSのサポート終了に伴うサーバー更新需要から実需は回復傾向にある。
 出荷金額は前年度比4.1%増の2,470億円となり、5年連続の増加。出荷金額としては統計開始(95年)以来過去最高(2013年度)を更新した。出荷単価は48.8万円と前年度から4万3,000円の上昇となった(表2、3)。仮想化の広がりにより1台あたりに搭載するCPU、メモリ、HDD、SSD等の増加が出荷単価を押し上げていることに加え、円安により製品原価が上昇したことに伴い製品価格自体が上昇した。
 15年度の出荷台数は0.4%増の50万8,100台(表1)、出荷金額は2,520億円(2%増)を見込む(表3)。出荷台数は、マイクロソフトのサーバー用OSである Windows Server 2003のサポート終了に伴い、サーバー本体を含む更新需要が増加するため、出荷台数減は下げ止まりに転じる。一方、出荷金額は仮想化用途需要を中心に引き続き増加を続けるとみるが、前述のOS更新に伴い、まだ旧OSを利用しているサーバーが中小規模のファイルサーバー等の用途に多いことから、単価の上昇は緩やかなものになると予測される。

■今回発表のポイント

①出荷台数は2年ぶりの増加、データセンター投資回復

 14年度の出荷台数は、前年度比5%減の50万6,182台となった。上半期は、消費増税に伴う駆け込み需要の反動から台数は減少傾向となった。昨年度末の前後の需要を見込み流通在庫を多めに積み増したが、パソコンほどの需要急増とはならなかった。クラウド化が進展しており、需要の急増、急減をIaaSやPaaS、ベアメタル等のサービス型が吸収する傾向にある。下半期に入り、台数は同様に微減の傾向が続いたが2014年度末から2015年度にかけWindows Server 2003 OSのサポート終了に伴うサーバー更新需要が徐々に増加しており、実需台数は増加の傾向が出始めていることから今後、出荷台数の減少は歯止めがかかるものと見られる。

 

②5年連続の出荷金額増

 一方、出荷金額は、前年度比4.1%増の2,470億円と5年連続の増加となり、95年度の統計開始以来過去最高を更新した。年度を通じてHPC(学術計算)サーバーの大型案件があったことや官公庁での仮想化用途での大型案件があったことなどが金額増を後押しした。
 2014年度では、全体出荷台数のおよそ20%が仮想化用途で利用されていると見られるが、金額ベースでは出荷金額の40%を占めていると考えられる。サービス内容の充実と提供形態の多様化、ネットワークコストの低減から、大手や中堅企業だけでなく、サービスプロバイダーや通信事業者のクラウド型サービスを通じ、中堅以下の企業も、仮想サーバーを結果として利用しているケースが増加している。今後は、提供者の異なるクラウドサービス同士を連携して利用するケースが増えてくることが予想され、出荷金額は増加の傾向が続くと考えられる。

 

③15年度見通し ~OS更新で台数の伸びが金額の伸びを上回る

 15年度のPCサーバー出荷台数は前年度比0.4%増の50万8,100台、出荷金額は2%増の2,520億円を予測する。2015年に予定されているWindows Server 2003の更新に伴うサーバー入れ替え需要が発生することから仮想化に伴うサーバー出荷台数の減少には一旦歯止めがかかると見られる。
 今後、日本市場でも利用者がサーバーリソースを確保する際は、クラウドファーストと呼ばれる通り、まずクラウド事業者から調達することを検討することが定着する。所有から利用へと選択肢が広がるなかでは、コスト、性能、納期、支払方法、サービス基準(セキュリティやダウンタイム保証等の内容)といった多くの項目がサーバー調達時の基準となり、複雑さが増していくため、各企業では企業の規模にあわせて、IT利用時のポリシーやガバナンスを整備しておくことが重要であろう。サーバーメーカーは、広く製品供給をしながら自社でもクラウドを展開し、製品の大口需要家でもあるクラウド事業者との競争を始めているが、世界的にクラウド事業者を中心とする大口需要家がサービス型では競争上メーカーを先行している。逆にハードウェアの世界にFacebookなど大規模ユーザーが中心となりサーバー設計、調達の標準化を目指すOpenComputeプロジェクトなどが存在感を増しており、メーカー間競争だけでなく、新たな競争軸への対抗が必要とされている。



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(注) PCサーバーとは、32bitベースの汎用CPUと汎用OSを組み合わせた企業向けサーバーを指す。従来は、企業内システムでのファイル・プリンタ共有など情報系システムを中心に活用されてきた。
現在ではCPU性能と製品全般の堅牢性・信頼性の向上に伴い、独自OS・独自64bitCPUで構成するUNIXサーバーの牙城であったDBサーバーなど、基幹系システムにも浸透し、現在では、金額ベースで全サーバー出荷金額の50%以上、台数ベースでは95%を占める。

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