2019年度上期国内パソコン出荷概要

ーー年度上期台数では2010年代で最高の伸び

2019年11月15日

■上期出荷台数は前年度同期比50.2%増

■年度上期としては2010年代で最高の伸び率

■入れ替え需要により法人市場が63.0%増の582万台

■年度通期は27.6%増の1,510.4万台と予測

  MM総研(東京都・港区、所長・関口和一)は11月15日、2019年度上期(4~9月)国内パソコン出荷状況の調査結果を発表した。それによると、国内のパソコン総出荷台数は前年度同期比50.2%増の787.4万台、出荷金額は50%増の7,140億円となった。出荷台数で2010年代の上期伸び率ではこれまで最高だった2010年度上期の前年度同期比17.3%増を大きく上回った

■「ビジネス系ルート」では前年度上期比63.0%増

 出荷ルート別では、店頭量販店及び個人向けWeb直販を主力とする「個人系ルート」が22.8%増の205.4万台、法人直販および法人向け販売店への出荷を主力とする「ビジネス系ルート」が63.0%増の582万台となり、いずれもプラス成長となった。マイクロソフト社のOS Windows7のサポート終了を直前に控え、急速にパソコンの入れ替えが進んだ。

メーカーブランド別シェアは、首位のNECレノボが26.3%。HPは法人、個人ともに着実に出荷台数を拡大し、シェアが急増、2位に順位をあげた。レノボと資本提携した富士通ブランドはシェアを下げ3位となった。

 

 2020年1月に予定されているWindows7のサポート終了を前提としたPCとOSの入れ替え需要が、市場の活性化につながった。ただ、盛り上がった需要は2019年10-12月期以降順次終息していくと見られ、2020年は短期的に反動減となると予想される。

2010年代は、OSのサポート終了にあわせてパソコン本体とOSを入れ替える傾向が強く、買い替えサイクルの長期化や需要の集中などが業界、ユーザー共通の課題だった。しかし、マイクロソフトの方針転換により、今後パソコン用OSやソフトも、スマートフォンOSとクラウドサービスのように継続的に進化する。パソコン市場は短期的には需要集中の反動減が来るが、パソコンがクラウドの進化に歩調を合わせる準備がようやく整いつつあり、2020年代はeスポーツやエンターテイメント、教育分野、現場業務、医療、研究開発での裾野拡大や働き方改革への貢献が期待され、市場規模は再び堅調に増加していくと予測する。

HP,DELLが健闘

2019年度上期の国内パソコン出荷台数は、前年度同期比50.2%増の787.4万台で4年連続の台数増加となった。

 市場別では、個人市場向け出荷台数が22.8%増と成長した。PCとOSの入れ替え需要が顕在化したものの、スマホ利活用によりパソコン離れが進んでおり、家庭内でバンキングや印刷、文書作成などで「たまに」利用する古いPCの入れ替えが今後課題となろう。家庭内でいわば「塩漬け」になっているPCの多くはWindows7以前のOSを搭載しており、同OSサポートの終了予定期限である2020年1月までに、個人ユーザーに向けて注意喚起を行っていくことが必要となろう。

法人市場は前年度同期比63.0%増となり、Windows10への入れ替え需要が予想を超えて顕在化している。下期も駆け込み需要が継続することが予想され、CPU不足の影響もあり供給がタイトな状況が続くと見られる。

個人、法人市場を通じてHP、DELLの伸長率が高かったことが大きな特徴。HPはセキュリティ機能を強化したパソコンが市場に受け入れられている。DELLもモバイル機などの拡充に注力している。DELLはGoogle Chrome OSを搭載したノートパソコンにも注力を開始している。NECもChromeやG Suiteを教育分野で活用するソリューションが発表され、今後パソコンOSシェア争いの注目点となろう。

市場の展望――2020年度は反動減が

 19年度通期の出荷台数は1,510.4万台と前年度比27.6%増を予測する。下半期は上半期から若干の落ち着きを見せ、前年度同期比9.7%増を予測している。2020年度は、急激な駆け込み需要に対する大幅な反動減が予測される。2020年に開催される東京オリンピックを前に、日本国内の端末やWebサイトを標的としたサイバーアタックの増加が予想され、端末のセキュリティ対策は一層重要になっている。法人ユーザーのみならず、個人ユーザーも自身の端末環境のチェックや対策を含めて見直しが必要な時期であるため、売り手サイドにも一層の啓蒙活動や工夫が必要だろう。

 2020年代は、パソコンで利用されるOSやソフトが急激にクラウド化する傾向が予想される。ソフト自体も、端末やプラットフォームを意識せずシームレスに連携することが当たり前になる。ユーザーも、パソコン選びや運用管理のポイントがスマートフォンに近くなっていることを意識しておくことが必要になるだろう。

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