2018年度 国内PCサーバー出荷概況

2019年06月27日

■ 出荷台数は前年度比6.5%増の46万1,756台と5年振りに台数増

■ 出荷金額は13.4%増の2,883億円

■ 19年度は引き続き堅調な出荷増が続き、台数では4.0%増の48万台を見込む

 MM総研(東京都港区 所長・中島洋)は、2018年度(2018年4月~2019年3月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。国内PCサーバーの出荷台数は、前年度比6.5%増の46万1,756台となった。半期別に見ると、上半期は前年同期比8.2%増の21万4,615台。下半期は同5.0%増の24万7,141台。

 出荷金額は前年度比13.4%増の2,883億円となった。出荷単価は62.4万円と前年度から3.8万円上昇した。AIやビックデータ等での利用、セキュリティ対策を含めてのサーバー活用が広まっており、AI用途で学術系の大型案件があったため単価がアップした。

■出荷台数が5年振りに増加

2018年度の出荷台数は2013年度以来5年振りに前年度実績を上回った。AI用途では、画像解析に加え、音声や言語解析分野でも活発に開発が進んでおり、特に機械学習での強化学習用途で大量の計算能力を要求されることが需要増につながっている。また大学や国立の研究機関や大手企業のみならず、AIベンチャーや中堅製造業などでもAI開発環境を整備する動きが広がっている。

加えて、パソコン用、サーバーOSの更新需要に伴い、企業のパソコン、サーバー環境を入れ替える動きが顕在化しており、特に18年度下期の需要増につながっている。

出荷金額は前年度比13.4%増の2,883億円と2年連続の増加となっている。企業がクラウド活用で、また、AIやビックデータの活用、セキュリティ対策を含めてのサーバーの利用も広まっており性能要求も高まっているため、単価の上昇傾向が続く。ハイパーコンバージドインフラと呼ばれるサーバー、ストレージの統合型商品もハイブリッドクラウド(クラウドと自社購入サーバーを並行、連携して活用する方式)用途を中心に、徐々に広がりを見せており単価増につながる。  

 

■2019年度の見通し

2019年度のPCサーバー出荷台数は4.0%増の48万台、出荷金額は4.1%増の3,000億円を予測する。AI需要は学術系案件の反動で減じると見ているが、AI開発競争は本格化しており、より高い計算能力を求めるニーズはまだ根強い。GPUを演算に活用する方式が主力だが、今後ARMやFPGAなど他の方式の活用も増加し、中期的にはサーバー需要を押し上げるだろう。

 技術革新によりサーバーの需要が増加する一方で、これまで企業が自社サーバーを用いて行っていた機能をAmazonやマイクロソフトに代表されるパブリッククラウドサービスが担うケースも増加している。

ユーザーは従来ITの運用管理コストを抑えて費用をねん出し、働き方改革、セキュリティ対策、フィンテック、オムニチャネルといった新規分野に投資を回す動きが活発化している。ベンダー側もハードを主体とした性能軸提案から、用途やビジネスイノベーションを意識した非機能要件、サービスを充実させることが一層求められる。

 

 


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