ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(2019年3月末時点)

2019年06月06日

■ 2019年3月末のFTTH(光回線サービス)契約件数は3115.6万件、年間2.8%の伸び

■ 固定ブロードバンド市場ではワイヤレスが好調なソフトバンクが首位を維持

■ FTTH市場はコラボ光やCATVの光化などで純増基調が続く見込み  

 ※固定ブロードバンド(FTTH、ADSL、CATV、ワイヤレスの合計)

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は6月6日、2018年度通期(2018年4月~2019年3月)のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表した。2019年3月末時点のFTTH(光回線サービス)の契約数は3,115.6万件で、2018年度年間の純増数は86.2万件(伸び率は2.8%)。前年度の純増102.8万件を下回る結果となったが、大きな要因は期中に一部事業者による集計方法の変更があったためで、実質は前年度並みの純増を維持したと分析する。携帯キャリアによるコラボ光や、光化を推進するケーブルテレビ事業者などが市場拡大を牽引した。

FTTH市場の動向

コラボ光はNTT回線の6割を突破、ドコモが引き続きシェア首位

 NTTの光回線(フレッツ光およびコラボ光)は、2019年3月末の東西合計の契約数が2,107.8万件となった。FTTH市場におけるNTTのシェアは合わせて67.6%で、2018年3月末からほぼ横ばいだった。
コラボ光の2019年3月末の総契約数は1,269.0万件でFTTH市場全体に占める割合は40.7%、NTTの光回線に占める割合は60.2%となり、6割を超えた。
 コラボ光の契約数シェアではNTTドコモが首位を維持。過去3年間一貫してシェアを拡大させ、45.4%となった。携帯電話の顧客基盤や店舗チャネルを活かし、スマートフォンとのセット提案により顧客を増やしている。NTTドコモとソフトバンクを合せた携帯2キャリアのシェアは引き続き7割超を占め、それ以外のISP等各社が提供するコラボ光は伸び悩んでいる。

 

10Gbpsサービスによる競争が本格化

 「auひかり」等を提供するKDDIグループは2019年3月末の契約数が401.8万件。シェアは12.9%となり、前年同月末から0.3ポイント落とした。中部地方で提供する「コミュファ光」や沖縄での「auひかり ちゅら」は新規エリアの開拓などで顧客獲得が好調に推移したものの、「auひかり」は他の携帯キャリアによるコラボ光獲得との競争が激化。通信速度上り/下り最大5 Gbps・10Gbpsサービスの高速・大容量の利便性を訴求し、ニーズの取り込みを図っていく。
 近畿エリアを中心に「eo光」を展開するオプテージは、2019年3月末の契約数が164.2万件で微増だった。2018年12月に提携したビッグローブとニフティによる販売や、2019年4月に開始した通信速度上り/下り最大5 Gbps・10Gbpsサービスで新規需要を開拓する。
 アルテリア・ネットワークスは、2019年3月末で53.0万件となった。マンションISP事業者(含む、つなぐネットコミュニケーションズのe-mansion)向けで契約数のカウント方法を戸数ベースから提供回線数ベースに変更したため3月末から減少したが、顧客の獲得は好調に進んだ。主力の「UCOM光レジデンス」向けでは分譲、賃貸ともに物件への導入が進んだ。2019年1月に法人向けにも10Gbpsサービスの提供を開始し、高品質サービスを訴求する。
 その他、ソニーネットワークコミュニケーションズの「NURO 光」が2019年4月以降、福岡・佐賀両県でも開始されるなど、1Gbps超のサービス競争が徐々に本格化している。

  

ISPではOCNが首位を維持

 2019年3月末のISP事業者のFTTH契約数シェアでは、NTTコミュニケーションズ(OCN)が首位を維持した。NTTぷららやビッグローブがコラボ光による獲得でシェアを伸ばしたほか、家電量販店ノジマグループのニフティが獲得を増やし、高い伸び率を示した。
 2019年7月にソニーネットワークコミュニケーションズがドコモ光事業(So-net for ドコモ光)をNTTぷららに譲渡する予定のため、今後のシェアは入れ替わる見込み。

 

(注1) NTT東西にはフレッツ光のほか、光コラボレーションモデルの件数が含まれる
(注2) KDDIにはauひかりのほか、中部テレコミュニケーション(コミュファ光)および沖縄セルラー電話(auひかり ちゅら)の契約数が含まれる

  

固定ブロードバンド市場の動向

ワイヤレスが好調なソフトバンクがシェアを拡大

 固定ブロードバンド(FTTH、ADSL、CATV、ワイヤレスの合計)市場では、ソフトバンクが引き続きシェアを拡大し首位を維持した。モバイルとのセット訴求を進める「SoftBank光」での顧客獲得のほか、手軽に利用できるワイヤレスの「SoftBank Air」で宅内据え置き型の無線インターネット市場を開拓。契約数が増加している。
 2位のNTTコミュニケーションズに続き、CATVインターネットを中心に提供するジュピターテレコム(J:COM)がシェア3位だった。

※無線を利用した宅内据え置き型の高速インターネットサービスを指し、モバイルルーターを含まない

 

今後の市場動向

FTTH市場は純増基調が続く見込み

 固定ブロードバンド(FTTH、ADSL、CATV、ワイヤレスの合計)市場は、2023年以降にサービス終了予定のADSLでは減少が続くもののFTTHおよびワイヤレスの増加により、2019年度以降も継続的に拡大すると予測。
 ワイヤレス市場は2019年3月末時点で316万件となり、2020年3月末は416万件を予測。固定ブロードバンドに占める割合は9.4%まで拡大する。開通工事が不要ですぐに利用を開始できる手軽さなどから、従来のFTTH等の固定ブロードバンド回線を一部代替するサービスとして普及が進み、2024年3月末に755万件と2019年3月末比2.4倍を予測。固定ブロードバンドに占める割合は15.6%となる。
 FTTH市場では、2020年春以降に開始する次世代モバイル通信「5G」が成長を下押しする要因となるものの、コラボ光や10Gbpsをはじめとする超高速回線による新規需要の創出、ADSLやナローバンドからの移行、CATVの光化等により純増基調が続く見込み。2020年3月末に3,208万件、2024年3月末に3,446万件となり、2019年度以降の5年間の年平均成長率は2.0%と予測する。
 コラボ光市場は転用のペースが落ちているが、一定の新規需要を取り込んで2020年3月末には1,373万件、FTTH市場に占める割合は42.8%になる見込み。2019年7 月からコラボ光間での事業者変更手続きが開始されるのに伴い、加入者の流動性が高まる可能性がある。契約数は、携帯キャリアによる獲得を中心に2024年3月末に1,567万件となり、同割合は45.5%になると予測する。
 

 

 

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