国内MVNO市場規模の推移(2018 年9 月末)

独自サービス型SIM契約数が前年比28.7%増加

2018年12月26日

■ 独自サービス型SIMの回線契約数は前年比28.7%増の1202.7万回線
■ 携帯電話(3G およびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの比率は7.0%
■ 大手キャリアの対抗策相次ぎ、独自サービス型SIMの成長率は鈍化傾向
■ 事業者別シェアは楽天が15.6%で1 位。UQコミュニケーションズが3位に浮上
■ MVNE提供分を含む保有回線数ではインターネットイニシアティブがトップ
■ 19年度以降はIoT向けの需要拡大が期待

 MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は12 月26日、国内MVNO市場の2018年9月末時点での実績を発表した。独自サービス型SIMの回線契約数は1202.7万回線となり、前年比28.7%増を記録した。また、携帯電話(3GおよびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は7.0%に高まった。

※独自サービス型SIMはプリペイド契約の数値を含まない

独自サービス型SIMの回線契約数は1202.7万回線

 独立系MVNO事業者がSIMカードを活用し、独自の料金プランで提供する独自サービス型SIMの回線契約数は、2018年9月末で1202.7万回線となった。2017年9月末時点の934.4万回線から、1年間で28.7%増加した。

携帯電話契約数に占める独自サービス型SIM 比率は7.0%に達するも、伸びは鈍化

 18年9月末時点の携帯電話(3GおよびLTE)契約数は1億7167.0万回線。独自サービス型SIMの回線契約数は携帯電話(3GおよびLTE)市場全体から見ると構成比で7.0%となり、17年9月末の5.7%から1.3ポイント増加した。16年9月末から17年9月末では1.6ポイント増加しており、成長率は鈍化した。主な要因は、大手キャリアが出してきたMVNO対抗プランの影響である。NTTドコモは指定端末の購入で月額料金を毎月1,500円値引きする「docomo with」を提供。9月には対象端末にアップル社のiPhone 6sを追加し、同サービスによる獲得増を狙う。KDDIも低容量かつ低価格のニーズに応えた、低容量従量課金タイプの「auピタットプラン」が好調に推移。

 ソフトバンクは「動画SNS放題」というサービスの提供を開始した。これはLINEやインスタグラムなどのSNSに加えYouTubeなどの動画サービスについては、データ使用量からカウントが除外されるものだ。また、50GBの大容量プランをサービス開始した。大容量タイプの魅力を訴求することで、MVNO流出の歯止めとしたい考えだ。大手キャリアが対MVNO施策を強化したことにより、独自サービス型市場の中で成長してきた個人向けスマホの勢いにブレーキがかかった。

楽天がシェア1位を獲得

 18年9月末時点でMVNO市場の事業者シェアは楽天モバイルなどを提供する楽天が15.6%(187.2万回線)となり、18年3月末に続き1位。2位はIIJmio・BIC SIMなどを提供するインターネットイニシアティブの13.2%(158.5万回線)。3位はUQ mobileを提供するUQコミュニケーションズで11.3%(135.4万回線)。以下、OCNモバイルONEなどを提供するNTTコミュニケーションズの10.5%(126.5万回線)、mineoを提供するケイ・オプティコムの9.0%(108.7万回線)、BIGLOBE SIMなどを提供するビッグローブの4.6%(55.5万回線)と続く。 

 シェア1位の楽天は朝昼晩の混雑時間帯を除き、高速通信容量を使い切った後も最大1Mbpsの通信速度が出る新プラン「スーパーホーダイ」を中心に契約数を伸ばした。18年10月からはKDDI回線を用いたMVNOプランを提供、さらに19年には待望の大手キャリアの一角に進出するなど、同社の動向に注目が集まる。

 インターネットイニシアティブは、法人向けのIoT回線を中心に回線数を伸ばした。フルMVNOとなったことで通信の開通と休止のタイミングをコントロールできるようになった。通信量を抑制できる利点を活かし、三井物産エレクトロニクス社のフォークリフト安全・遠隔監視ソリューション「FORKERS(フォーカーズ)」に採用されるなど実績を積み上げている。

 UQコミュニケーションズは17年9月末に比べランクを二つ上げ3位となった。端末ラインナップの拡充、TVCMの大量投下、直営店「UQスポット」の増加などの販促策を通じ契約数を急増させた。17年9月末から半年間の純増数はUQコミュニケーションズが最多である。NTTコミュニケーションズはNTTグループ再編の余波を受けたこともあり、個人向け法人向けともに堅調な伸びにとどまった。

 ただ、インターネットイニシアティブやNTTコミュニケーションズはMVNEとして数十万規模の回線を提供しており、MVNE事業を含めたトータルシェアで見た場合、依然として市場における優位性は高い。2社はコンシューマー向け回線はMVNEルートを通じ獲得し、自社ルートではIoTを含む法人向けで回線数を伸ばす傾向が強まっている。

19年度以降はIoT向けの需要拡大が期待

 独自サービス型SIM市場は、23年3月末時点には2,420万回線に達すると予測。個人向けスマホ用途としての成長スピードは鈍化するものの、19年度以降はIoT向けの需要拡大が期待され、23年3月末時点のIoT向け回線比率は30%超に達すると予測する。

 MVNO市場を拡大する技術要素として「eSIM」と「LTE-M」の解放がある。組み込み型SIMであるeSIMの機能がMVNOに開放されれば、スマートフォン上から通信事業者の切り替えが可能になる。現行モデルのiPhoneXSにもeSIMが搭載されており、機能解放によりiPhoneユーザーのMVNOサービスへの切り替えが促進されるだろう。また、組み込み型のeSIMは耐衝撃性に強く製品に組み込むIoTサービスへの活用が期待される。LTE-MはIoT向け通信規格LPWA(消費電力が少なくで長距離通信が可能)のひとつで、対応チップを使用することでMVNO事業者もLTE-Mの提供が技術的には可能になる。LPWAの利用によりIoT案件の提案の幅は広がる。

 政府の「携帯料金値下げ」の動きを受け、モバイル通信料金はさらなる値下げが予想される。大手キャリアの値下げはMVNO市場拡大の阻害要因となるとの観測がある一方で、通信料金と携帯電話端末代金の料金分離の動きが加速されれば、MVNO市場の活性化につながるだろう。

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