ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(2018年9月末時点)

ワイヤレスへの移行が進む

2018年12月12日

■ 2018年9月末のFTTH契約件数は3073.6万件、3月末に比べ1.5%増加
■ 固定ブロードバンド市場でワイヤレス好調なソフトバンクが引き続き首位
■ 従来の固定回線に代わるワイヤレス契約は273万件、19年3月末336万件に拡大へ

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は12月12日、2018年度上期(2018年4月~9月)のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表した。2018年9月末時点のFTTH(光回線サービス)の契約数は3,073.6万件で、2018年度上期では44.2万件増加した(上期中の伸び率は1.5%)。前年同期の純増64.8万件を大きく下回る結果となったのは一部事業者による集計方法の変更があったためだが、FTTH市場は継続的に成長鈍化傾向にあり、世帯普及率の高まりとともにユーザーの一部がワイヤレスを含むモバイルデータ通信へシフトしている。
 光コラボレーション(以下、光コラボ)の契約数は2018年9月末1,199.3万件で、FTTH市場全体に占める割合は39.0%となった。

FTTH市場の動向

光コラボはNTT回線の6割弱、ドコモが引き続きシェア首位

 NTTの光回線(フレッツ光および光コラボ)は、2018年9月末の東西合計の契約数が2,085.1万件となった。FTTH市場におけるNTTのシェアは合わせて67.8%で、2018年3月末から横ばいだった。
 光コラボの2018年9月末の総契約数は1,199.3万件でFTTH市場全体に占める割合は39.0%、NTTの光回線に占める割合は57.5%となった。 
 光コラボの契約数シェアではNTTドコモが首位を維持。過去3年間一貫してシェアを拡大させ、44.3%となった。携帯電話の顧客基盤や店舗チャネルを活かし、スマートフォンとのセット提案により顧客を増やしている。引き続き、NTTドコモとソフトバンクを合せた携帯2キャリアのシェアは7割超を占めている。携帯2キャリア以外のISP各社が提供する光コラボは伸びが鈍化しており、苦戦している。

KDDIは高速・大容量ニーズの取り込みを図る

 「auひかり」等を提供するKDDIグループは2018年9月末の契約数が404.1万件で、シェアは13.1%となり、3月末から0.1ポイント落とした。他の携帯キャリアによる光コラボ獲得の影響を受け、拡大傾向に歯止めがかかっている。携帯電話とのセット割引「auスマートバリュー」を中心施策として継続しつつ、通信速度上り/下り最大5 Gbps・10Gbpsサービスの展開により高速・大容量ニーズの取り込みを図る。
 近畿エリアを中心に「eo光」を展開するケイ・オプティコムは、2018年9月末163.5万件で微増だった。導入後1年が経過した「暮らしアドバイザー」のコンセプトを継続的に訴求し、ネット・電話・テレビ・電気・ガスなど生活に必要なサービスを総合的に提案する。
 アルテリア・ネットワークスは、2018年9月末で50.8万件となった。マンションISP事業者(含む、つなぐネットコミュニケーションズのe-mansion)向けで契約数のカウント方法を戸数ベースから提供回線数ベースに変更したため3月末から減少している。主力の「UCOM光レジデンス」向けでは既築賃貸物件の開拓で契約数を増やしている。

 ISPではOCNが首位を維持

 2018年9月末のISP事業者のFTTH契約数シェアでは純減が続くものの、NTTコミュニケーションズ(OCN)が首位を維持した。ビッグローブやNTTぷららが光コラボによる獲得で好調だったほか、家電量販店のノジマグループでシナジー効果が出始めたニフティが契約数とシェアをともに伸ばした。

(注1) NTT東西にはフレッツ光のほか、光コラボレーションモデルの件数が含まれる
(注2) KDDIにはauひかりのほか、中部テレコミュニケーション(コミュファ光)および

沖縄セルラー電話(auひかり ちゅら)の契約数が含まれる

固定ブロードバンド市場の動向

ワイヤレス好調なソフトバンクがシェアを拡大

 固定ブロードバンド(FTTH、ADSL、CATV、ワイヤレス*の合計)市場では、ソフトバンクがシェアを拡大させ引き続き首位となった。「SoftBank光」での顧客獲得のほか、2014年から提供を開始したワイヤレスの「SoftBank Air」で宅内据え置き型の無線インターネット市場を開拓し、契約数が大幅に増加している。CATVインターネットを提供するジュピターテレコム(J:COM)はシェア3位だった。

 

*無線を利用した宅内据え置き型の高速インターネットサービスを指し、モバイルルーターを含まない

今後の市場動向

FTTHは緩やかな成長を維持、ワイヤレスが急拡大

 固定ブロードバンド(FTTH、ADSL、CATV、ワイヤレスの合計)市場はADSLの減少が続くもののFTTHおよびワイヤレスの増加が続き、2019年3月以降も継続的に拡大すると予測する。
 ワイヤレス市場は2018年9月末時点で273万件となり、2019年3月末は336万件を予測。固定ブロードバンドに占める割合は7.8%まで拡大する。開通工事が不要ですぐに利用を開始できる手軽さなどから、従来のFTTH等の固定ブロードバンド回線を一部代替するサービスとして普及が進み、2023年3月末に841万件と2018年3月末比3.8倍を予測。固定ブロードバンドに占める割合は17.5%となる。
 FTTH市場では、2020年以降に本格普及を開始する次世代モバイル通信「5G」が成長を下押しする要因となるものの、光コラボや10Gbpsをはじめとする超高速回線による新規需要の創出、ADSLやナローバンドからの移行、CATVのFTTH化等により2019年3月末に3,107万件、2023年3月末に3,277万件と緩やかな成長を予測する。
 光コラボ市場は転用のペースが落ちているが、一定の新規需要を取り込んで2019年3月末には1,271万件、FTTH市場に占める割合は40.9%になる見込み。2019年は光コラボにおける事業者変更がこれまでより円滑になることから、光コラボ間で加入者の流動性が高まり競争が過熱する可能性がある。契約数は、携帯キャリアによる獲得を中心に2023年3月末に1,585万件となり、同割合は48.4%まで拡大すると予測する。

 

 

 

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