携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2018年9月時点)

通信事業者形態別に分析

2018年10月22日

■ 月額利用料金(端末代込)はMNO 3社 7,630円、サブブランド 4,171円、MVNO 3,458円

■ 端末の購入金額はMNO 3社 のスマートフォン46,789円、フィーチャーフォン16,376円、
  サブブランド 28,994円、MVNO 34,030円

■ スマートフォンの月間データ通信量は平均 5.70GB、中央値 3.00GB(ギガバイト)

■ 1日のスマートフォン平均利用時間(通話除く)は平日112分、休日132分

■ 推奨度であるNPS(ネット・プロモーター・スコア)はMNO -57.1、サブブランド -47.5、
    MVNO -31.5

 MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)はNTTドコモ・au・ソフトバンク(以下、MNO 3社)、ワイモバイル・UQモバイル(以下、サブブランド)、及びMVNO各社(以下、MVNO)それぞれの音声通話サービス利用者に対するアンケート調査に基づき分析した、携帯電話の月額利用料金と音声通話・データ通信サービスの利用実態を発表した。調査時点は2018年9月。

MVNO利用者の月額利用料金はMNO3社のスマートフォン利用者の45.3%

 通信事業者形態別の月額利用料金(※1)について端末料金を含む実際の支払総額を分析した。その結果、MNO 3社のスマートフォン利用者の月額利用料金は7,630円となった。MNO 3社のフィーチャーフォン利用者は2,952円(MNO 3社のスマートフォン利用者比38.7%)となった。サブブランド利用者の月額利用料金は4,171円(同54.7%)、MVNO利用者の月額利用料金は3,458円(同45.3%)となった(データ1)。

 端末の購入金額(※2)について質問した結果、MNO 3社のスマートフォン利用者では46,789円、MNO 3社のフィーチャーフォン利用者は16,376円、サブブランド利用者は28,994円、MVNO利用者は34,030円だった(データ2)。

 端末購入金額を含まない通信サービスの月額利用料金についても分析した(※3)。結果は、MNO 3社のスマートフォン利用者が5,680円、MNO 3社のフィーチャーフォン利用者は2,262円(MNO 3社のスマートフォン利用者比39.8%)、サブブランド利用者は2,963円(同52.2%)、MVNO利用者は2,040円(同35.9%)となった。

                   <データ1:月額利用料金>


                   <データ2:端末購入金額>

※1:「月額利用料金」=「通話料」+「データ通信料」+「オプション料」+「端末購入金額」
 ◇通話料・データ通信料・オプションを合算した金額を質問
 ◇オプションには故障・紛失時等の補償サービス、コンテンツサービス利用料を含む
 ◇消費税は含まない 

※2:「購入金額」=端末の実質的な支払総額
 ◇毎月の利用料金から一定の料金が割り引かれる料金プランを利用している場合などは、割引後の金額
 ◇消費税は含まない

※3:「端末料金を含まない月額利用料金」=「月額利用料金」-「端末購入金額」÷24
 ◇端末分割購入者の購入金額を24回分割購入として算出
 ◇消費税は含まない

 月間データ通信量は平均5.70GB(ギガバイト)・中央値は3.00GB

 スマートフォン利用者の前月のデータ通信量について分析した結果、「わからない」と回答したユーザーを除いた平均データ通信量は5.70GB(ギガバイト)、中央値は3.00GBとなった。有効回答のみを対象とした場合、月間通信量は「1GB」23.8%、「2GB」19.8%、「3GB」14.2%となり、57.8%のユーザーが3GB以下の通信量となった。なお、「5GB」までの累計では約75.2%を占めた。

 16年12月の前回調査では、平均4.22GB、中央値3.00GB、「5GB以下」までの累計は約75%で、平均データ通信量が今回の調査では約1.5GB増加した。前回調査以降、通信事業者が提供している大容量のデータ通信プランがユーザーへ浸透してきたことが要因と考えられる。

 1週間の通話時間:MNO 3社 44.7分、サブブランド 43.5分、MVNO 32.4分

 スマートフォン利用者に音声通話時間を携帯電話番号とIP電話・アプリ電話それぞれ質問した。その結果、1週間の平均通話時間は携帯電話番号からの場合、MNO 3社 27.6分、サブブランド 22.0分、MVNO 15.8分となった。IP電話・アプリ電話からの場合は、MNO 3社 17.2分、サブブランド 21.6分、MVNO 16.6分となった(データ3)。携帯電話番号とIP電話・アプリ電話からの通話時間を合算すると、MNO 3社 44.7分、サブブランド 43.5分、MVNO 32.4分となった。

                 <データ3:通話時間(分/週)>

 スマートフォン利用者の平均利用時間は平日112分、休日132分

 スマートフォンの利用時間を平日と休日、それぞれについて質問し、分析した。その結果、スマートフォン利用時間は平日112分、休日132分となった。また、通信事業者別に利用時間を見ると、MNO 3社が平日116分、休日137分。サブブランドが平日105分、休日125分。MVNOが平日95分、休日113分となった(データ4)。

 平日と休日の利用時間を1週間分に換算し用途別(※4)に分析した結果、スマートフォン利用者全体では「インターネット検索・情報収集」198分(24.1%)が最も多く、次いで「メール・メッセージの送受信」142分(17.3%)、「ゲーム」115分(13.9%)、「SNS」106分(12.8%)、「動画視聴」83分(10.0%)、「音楽視聴」42分(5.0%)、「カメラ撮影(写真撮影)」32分(3.9%)などとなった。上位7項目で87.0%を占めた。

 通信事業者形態別に見ても上位5項目は同様で利用時間1位は「インターネット検索・情報収集」となった。特徴としては、MNO 3社では「動画視聴」がサブブランド・MVNOよりも30分以上多くなっており、大容量プランや速い通信速度を活用していると考えられる。
 サブブランドでは「メール・メッセージの送受信」・「SNS」がMNO・MVNOよりも多い。2項目の利用時間を合算して比較すると30分以上多くなっており、コミュニケーション志向の利用者に選ばれているようだ。
 MVNOではMNOと利用状況の傾向は似ているものの、実際の利用時間は150分ほど少ない。MNOと比較して「ゲーム」や「動画視聴」、「音楽視聴」の利用時間が少なく、情報収集やコミュニケーション用途などの機能を利用している。

               <データ4:スマートフォンの利用時間(分/日)>

※4:利用用途(全13項目)
 ◇「メール・メッセージの送受信(メール・LINE・スタンプなど)」、「カメラ撮影(写真撮影)」、
  「動画撮影」、「動画視聴(YouTube等のストリーミング視聴)」、「音楽視聴」、
  「電子書籍・マンガ」、「ゲーム」、「オンラインショッピング」、「SNS」、
  「インターネット検索・情報収集」、「地図アプリ(Googleマップ等)」、
  「テザリング(スマートフォンを介した他デジタル機器のネット接続)」、
  「上記以外の機能・サービス」

 通信事業者全体のNPS(ネット・プロモーター・スコア)は-52.7、MVNOは-31.5

 スマートフォン所有者に対し、現在利用している通信事業者について、家族や知人への推奨度を0点(全く薦めたくない)~10点(非常に薦めたい)の11段階評価で質問してNPS(ネット・プロモーター・スコア:※5)分析を行った。通信事業者全体でみると1~6点を選択した回答者(「批判者」に分類)は61.1%、7~8点を選択した回答者(「中立者」に分類)は30.5%、9~10点を選択した回答者(「推奨者」に分類)は8.4%となった。その結果、通信事業者全体のNPSは-52.7となった。

 通信事業者の形態別に見ると、MNO 3社のNPSは-57.1(「批判者」64.1%、「中立者」28.9%、「推奨者」7.0%)、サブブランドのNPSは-47.5(「批判者」57.6%、「中立者」32.2%、「推奨者」10.2%)、MVNOのNPSは-31.5(「批判者」46.9%、「中立者」37.8%、「推奨者」15.4%)となり、MVNOが最も高かった。 

※5:NPS(ネット・プロモーター・スコア)=(「推奨者」-「批判者」)×100で算出。-100~100の値を取りうる

 料金の負担感がNPSに反映

 携帯電話サービス料金の負担感が議論の対象となっている。本調査ではMNOスマートフォン利用者の月額利用料金(端末込)は7,630円、サブブランド4,171円、MVNO利用者は3,458円となった。これを大手MNOの契約期間で多い2年間の支出に単純計算すると、MNOは約18.3万円、サブブランドは約10万円、MVNOは8.3万円となり、最も高いMNOと最も安いMVNOの差額は約10万円となった。利用者のNPSはMVNO>サブブランド>MNOの順に高く、月額利用料金が安く抑えられていることが高評価に繋がっているようだ。

 しかし、MVNOを利用するにあたっては、端末ラインアップ、サポート、ネットワーク品質などにおいてMNOと必ずしも同一水準ではない点に注意する必要がある。例えば、MNO各社では全国にショップを展開し、細やかなサポート体制を実現しているが、多くのMVNOはインターネットによる販売やサポートが中心となっている。国内スマートフォン市場の約半数を占めるiPhoneについては、最新端末を取扱うMVNOは存在しない。サブブランドや一部のMVNOは旧機種や独自に入手した端末を一部販売するに留まっている。

 MVNOを利用するに際にはスマートフォンの調達方法によっても支出が異なる。過去にMNOで購入したスマートフォンを継続利用するのか、MVNOでセット購入するのか、量販店などで別途購入するのかなど、端末に対する拘りがある場合は利用端末と調達方法をよく検討することが重要である。

 

※本リリース内での分析値は四捨五入の関係で合計値が一致しない場合があります。
※NPSはベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。


■ ユーザー調査概要

【調査方法】 WEBアンケート調査(プレ調査:24,551件/本調査:1,103件)
【調査時期】 2018年9月
※本調査対象者は2018年4月~6月に新品のスマートフォンを購入したユーザー

 


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