国内MVNO市場規模の推移(2018年3月末)

独自サービス型SIMの回線契約数1000万超え

2018年06月20日

独自サービス型SIMの回線契約数は前年比33.7%増の1082.8万回線と初の1000万超え

■ 携帯電話(3GおよびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は6.4%

事業者別シェアは楽天が15.0%で初の1位 を獲得

■ MVNO対キャリアの構図が崩れ、キャリアが描くMVNO戦略の構図が浮上

■ 上位6社のシェア合計が半年で6ポイント増加し62.8%に

 MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は6月20日、国内MVNO市場の2018年3月末実績を発表した。独自サービス型SIMの回線契約数は1082.8万回線となり、前年比33.7%増を記録した。また、携帯電話(3GおよびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は6.4%に高まった。

 ※独自サービス型SIMはプリペイド契約の数値を含まない

独自サービス型SIMの回線契約数は1082.8万回線

 独立系MVNO事業者がSIMカードを活用し、独自の料金プランで提供する独自サービス型SIMの回線契約数は、2018年3月末で1082.8万回線となった。2017年3月末時点の810.0万回線から、1年間で33.7%増加した。

携帯電話(3GおよびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は6.4%

 18年3月末時点の携帯電話(3GおよびLTE)契約数は1億6,870.5万回線。独自サービス型SIMの回線契約数は携帯電話(3GおよびLTE)市場全体から見ると構成比で6.4%となり、17年3月末の5.0%から1.4ポイント増加した。16年3月末から17年3月末では1.6ポイント増加しており、成長は鈍化したと言える。主な要因は、大手キャリアとサブブランドの攻勢である。NTTドコモでは指定端末購入で月額料金を毎月1,500円値引きする「docomo with」を提供。KDDIでは使用したデータ量により料金が変動する従量課金タイプの「auピタットプラン」が好調だ。また、ソフトバンクのサブブランドであるY!mobileは、“格安スマホ”と銘打ちMVNOに好意的なユーザー層を狙い、獲得を進めた。この結果、独自サービス型市場の中で成長してきた個人向けスマホ用途の勢いにはブレーキが掛かった。しかし、IoT用途の需要は19年度以降に本格期を迎えると見られ、更なるシェアの拡大が期待される。

楽天が初のシェア1位を獲得

 18年3月末時点の事業者シェアを見ると、1位は楽天モバイル等を提供する楽天。2位は、IIJmio・BIC SIM等を提供するインターネットイニシアティブ。3位は、OCNモバイルONE等を提供するNTTコミュニケーションズ。4位は、UQ mobileを提供するUQコミュニケーションズ。5位は、mineoを提供するケイ・オプティコム。6位は、BIGLOBE SIM等を提供するビッグローブとなった。 

 今回初めて楽天がシェア1位を獲得した。17年11月にプラスワン・マーケティングが提供するFREETEL SIM等の通信サービスの事業継承を受けたことで、回線数が増加した。19年10月からは携帯キャリアとしてサービス開始を予定しており、事業開始を見据え、専売店の楽天モバイルショップなどで店舗数を増やしたことも回線数増加の要因となった。

 ただ、インターネットイニシアティブやNTTコミュニケーションズはMVNEとして数十万規模の回線を提供しており、自社ブランドのシェアは楽天の後塵を拝したものの、MVNE事業を含めたトータルシェアで見た場合、依然として市場における優位性は高い。市場全体では上位6社の合計シェアが17年9月末の56.8%から6ポイント増加し62.8%となった。一方で、契約数が減少しているMVNOも出てきており、明暗が分かれる結果となった。また、ビッグローブは17年1月にKDDIの子会社となり、LINEモバイルも18年4月にソフトバンクの過半数出資を受けた。これまでの、キャリア対MVNOという構図が崩れ、キャリア戦略下におけるMVNOという構図に変容しつつある。

    ※各社ともにMVNEとしての契約数は含まない

18年3月末の回線契約数は前回予測から7.8万回線上方修正

 半年前のリリース発表時(17年9月)には、18年3月末時点の独自サービス型SIMの総契約回線数を1,075万回線と予測したが、実績値は1082.8万回線となり予測を上回った。主な要因は、インターネットイニシアティブのIoT案件による積み上げと、UQコミュニケーションズの獲得増である。インターネットイニシアティブはIoT向け回線数を大幅に伸ばしており、フルMVNOサービスの提供開始により、さらなる伸びが期待される。UQコミュニケーションズは17年12月に学割を開始し、TVCMの大量投下や専売店であるUQスポットの数を160店舗以上に拡大したことで契約数を伸ばした。また、楽天はキャリア参入までにMVNOとして300万回線を目標に掲げており、引き続き市場のけん引役となりそうだ。

 独自サービス型SIM市場は、23年3月末時点には2,430万回線に達すると予測。個人向けスマホ用途としての成長スピードは鈍化するものの、19年度以降はIoT向けの需要拡大が期待され、23年3月末時点におけるIoT向け回線比率は30%弱に達すると予測する。

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