2017年度国内パソコン出荷概要

ーー法人向けが6.5%伸び市場全体をけん引

2018年05月24日

■出荷台数は1,033.9万台で、前年度比2.2%増

■働き方改革等の影響で法人市場向け出荷台数は6.5%増の654.1万台

■2018年度は6%増の1,096万台を見込む

 MM総研(東京都港区、所長・中島洋)は5月24日、2017年度(17 年4月~18年3月)の国内パソコン出荷実績調査の結果を発表した。それによると国内パソコン出荷台数は前年度比2.2%増の1,033万9,000台となった。Windows7搭載パソコンのサポート終了に伴う入れ替え需要により法人向け出荷台数が回復した。半期別にみると上半期は前年同期比1.5%増の492.7万台、下半期は同2.9%増の541.2万台となった。

 

 流通ルート別実績では、個人向けルートが前年度比4.3%減の379.8万台、法人向けルートが6.5%増の654.1万台となり、減少を続ける個人需要を、法人需要が支える結果となった。

 

 メーカーシェアでは、首位がNECレノボ、2位が富士通、3位が日本HP、4位がDELL、5位が東芝となった。順位に変動はないものの、東芝が引き続きシェアを下げた。個人向けでは東芝が3位から5位となり、アップルが3位となった。アップルは縮小傾向がみられる個人向け市場でシェアを順調に伸ばした。

 

 出荷金額は前年度比5%増の9,141億円。出荷平均単価は前の年度の8.6万円から2017年度は8.8万円と2,000円の上昇。PCの差別化・付加価値化の取り組みにより単価は増加した。

 

 17年度は個人市場が引き続き停滞、法人市場は引き続き拡大した。法人市場では働き方改革の影響に加え、2020年1月に予定されているWindows7のサポート終了を控え、最新OSであるWindows10への移行が進んでいる。強化されたセキュリティ、タブレットやスマホ兼用での生産性革新といった機能メリットもあるが、特に中堅中小企業ユーザーにとってコストのかかる業務アプリケーションの安定稼働検証をどう抑えるかなど課題が山積みしており、スムースな移行を支援することが重要になっている。

 

 

 

 

 

2017年度のポイント

■法人市場が市場をけん引

 2017年度は、働き方改革やWindows7の延長サポート終了を控えWindows10への入れ替えに伴い回復局面となった。半期別でも、上半期では492.7万台で前年度比1.5%増、下半期は541.2万台で同2.9%増と安定して回復を続けている。流通ルート別に見ると個人市場が前年度比4.3%減の379.8万台、法人市場が同6.5%増の654.1万台と法人市場が個人市場をけん引した。

 出荷金額は5%増の9,141億円。出荷単価は8.8万円となった。2017年はモバイルノートや高価格帯機種にシフトしており単金は上昇している。各社が軽量化、薄型化のほか、いわゆる2in1タイプの機種開発を強化したことに加え、スマホやMVNO(格安SIM)の普及でパソコンの通信環境も広がっており、宅内外でパソコンとスマートデバイスを使い分けるスタイルが広がっている。

 

 2018年度の見通し

■引き続き法人市場は拡大、個人市場は縮小

 2018年度のパソコン需要は、引き続き拡大するものと予想される。通期では1,096万台、前年度比6%増を見込み、個人市場は5.3%減と引き続きの縮小を見込む。2018年~19年度にかけて、法人市場を中心に2013年のWindowsXPサポート終了により導入したWindows7搭載パソコンの入れ替え需要が徐々に発生し、日本のパソコン市場全体もプラス成長が続くと予想される。

 特に注目すべき点として、①教育市場におけるパソコン、タブレットの活用推進が政府計画通りに進むのか②官民を挙げての取り組みとなりつつある働き方改革が、市場押し上げ効果にどの程度つながるかーーの2点を挙げる。モバイルなどを活用したリモートワークや在宅勤務など多様な働き方を支える端末としての役割がパソコンに期待されている。大企業中心に働き方改革への取り組みは盛り上がっているが、パソコンにとっても、日本経済にとっても重要な、中堅中小企業へこれらの取り組みが波及すれば、通期の予測を上回る実績が出るものと期待される。

 今後も市場の拡大は続くものとみられるが、2020年のWindows7延長サポート終了までにモバイルノートへのeSIM 積極採用や、ARM型CPU 搭載機の積極訴求など主流となりつつあるモバイル通信を活用した新規端末の訴求を強化し、個人ユーザーを再びパソコン市場に呼び込むことが市場活性化のために最も必要なことだろう。

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