2017年度上期国内パソコン出荷概況

法人市場と個人市場が共に市場拡大

2017年11月16日

■上期出荷台数は前年度同期比1.6%増の492.8万台
■法人市場と個人市場が共に市場拡大
■17年度通期は1,031万台の2%増で2年連続のプラス成長へ 

 MM総研(東京都・港区、所長・中島洋)は11月16日、2017年度上期(4~9月)国内パソコン出荷状況の調査結果を発表した。それによると、国内のパソコン総出荷台数は前年度同期比1.6%増の492.8万台、出荷金額は5.2%増の4,360億円となった。


 出荷ルート別では、店頭量販店及び個人向けWeb直販を主力とする「個人系ルート」が0.7%増の182.5万台、法人直販および法人向け販売店への出荷を主力とする「ビジネス系ルート」は2.1%増の310.3万台となった。出荷金額は5.2%増の4,360億円で、台数とともに2年連続のプラス成長となった。各メーカーとも従来の低価格化によるボリューム拡大から付加価値機へ販売をシフトしたことで、平均単価が安定した。
 

メーカー別シェアでは、首位のNECレノボグループが25.8%、11月にレノボおよび日本政策投資銀行と合弁会社を設立すると発表した2位富士通はシェア16.7%という結果となった。3位HPは、法人市場で着実に出荷台数を拡大している。

 今後、法人市場を中心に2020年1月に予定されているWindows7のサポート終了を前提としたPCとOSの入れ替え需要が徐々に顕在化し、出荷台数は拡大傾向に入ると見られる。マイクロソフトはOSを含むソフトウェアをハードにインストールして販売する方法から、OSやアプリケーションをサービス型で随時提供する方法に転換している。特に法人ユーザーは、PCを含むシステムを安定運用するために、これまでのPC運用方法を見直す必要が出ている。働き方改革など近時浮上している新規ITテーマと合わせて、Windows10以降のPC運用について事前に検討が必要になるため早めの検討が必要になろう。 

2017年度上期のポイント

 2017年度上期の国内パソコン出荷台数は、前年度同期比1.6%増の492.8万台で2年連続の台数増加となった。市場別では、個人市場向け出荷台数が0.7%増となり、ほぼ横ばいの結果となった。潜在的にノートブックPCの入れ替えを検討するユーザーは依然多いが、一方で大手通信キャリアが通信料とセットで割引販売するタブレットに流れるユーザーが増加し、個人PC市場は伸び悩みが続いている。学習や仕事で活用するプログラミングやeスポーツ、趣味などで特定のPCアプリケーションを利用するなど明確な動機がない場合、すなわちネット閲覧、ショッピング、SNSやメールといった汎用用途中心のユーザーは、タブレットを選択するケースが引き続き増加するものと予想される。一方で、このようなニーズに対応するため、タブレットやスマートフォンで利用されるCPUを搭載し、Windows OSがフル互換するPCが今年度末から登場予定であり、PCベンダーにも巻き返しが期待される。


 法人市場は、前年度同期比2.1%増と堅調に需要が回復傾向にある。今後主力となるWindows10の需要は、特にセキュリティ対策に重きを置くグローバル企業や連結対象にガバナンスを利かせたいグループ企業などを中心に徐々に増加している。引き続き中堅中小企業への導入促進が課題となるとともに、前述のようにマイクロソフトがOSやアプリケーションのクラウド型での提供を強化しており、PC運用の選択肢が多様化している。ユーザー企業は積極的に情報収集をし、自社にあったPC運用を模索する必要が出ている。

メーカー別動向

 約1年越しで、Lenovoグループ、富士通間の交渉がまとまり、合弁会社設立が発表された。また2017年度上期の決算発表において東芝がPC事業の撤退を検討していることが発表された。東芝が撤退ということになれば、PCメーカーはLenovoを中核とするグループ、HP、DELLの3大メーカーを中心に、AppleやPanasonic、Asusなどの個性あるメーカーグループとあわせて4極体制となり、ここ10年続いた再編も一旦落ち着くと考えられる。その一方で、PC、タブレット、スマートフォンといったパーソナルコンピューティング端末分野は、成熟期を迎えており、ウェアラブル、センサー、スマートスピーカーやVR分野など新規デバイスの開発やこれらデバイスとの組み合わせによる新規用途開拓に主戦場が移っていくことになる。

パソコン市場の展望 

17年度下期以降は法人需要が牽引

 17年度通期の出荷台数は1,031.3万台と前年度比2%増を予測する。下半期は上期を若干上回る前年度同期比2.4%増を予測している。市場別では台数で個人市場は約4%減のマイナス成長、法人市場は6%増程度のプラス成長を見込む。18年度はさらに法人市場が拡大して15%程度の成長、市場全体でも、1,120万台程度、10%増程度を見込む。個人向け低調、法人向け好調の傾向が続くが、モバイルノートへのeSIM積極採用や、ARM型CPU搭載機の積極訴求など主流となりつつあるモバイル通信を活用した新規端末の訴求を強化し、個人ユーザーを再びパソコン市場に呼び込むことが市場の活性化のために最も必要なことだろう。

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注)本統計対象となる「パソコン」に含まれない製品群

Android OS、iOS 等モバイル用途を前提とするOS を搭載し、タッチパネル等の操作を前提とし
た「メディアタブレット型端末」や「スマートフォン」は本統計に含んでいない。また2013 年度上
半期統計よりWindows 8、Windows RT、Windows 10 を搭載したスレート(板形状)のタブレッ
トはパソコンには含めていない。

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