全戸一括型マンションISPシェア調査(2017年3月末)

2017年09月05日

■ シェア首位はアルテリア・ネットワークスの「UCOM光 レジデンス」

■ 全戸一括型マンションISPの提供戸数は183.8万戸で前年比12.6%増加

■ 賃貸向け市場はさらなる拡大と予想

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は9月5日、2017年3月末時点の全戸一括型マンションISP(インターネット接続業者)シェア調査結果を発表した。
 2017年3月末時点で全戸一括型マンションISP全体の加入件数(提供戸数)は前年比12.6%増の183.8万戸だった。事業者別シェアでは、全体の16.6%を占めるアルテリア・ネットワークスが首位となった。2位は16.3%のシェアを獲得したファミリーネット・ジャパン。続いて、つなぐネットコミュニケーションズが14.5%で第3位という結果となった。つなぐネットコミュニケーションズは、2017年3月時点でアルテリア・ネットワークスのグループ会社となり、さらなるサービスの拡充と競争力の強化を図る。アルテリアとつなぐネットを合算したグループ全体では31.1%のシェアとなる。

 

■全戸一括型マンションISPシェア(2017年3月末)


※全戸一括型マンションISP・・・集合住宅の全戸分にインターネット接続サービス(光回線ベース)を一括で導入・提供する事業者。
※全戸一括加入方式を対象とし、任意加入方式は含まない。また、数値は2017年3月末時点サービス提供分を対象とし、OEM提供分を除く。

 

~事業者動向~

 シェア1位のアルテリア・ネットワークスが展開する「UCOM光 レジデンス」は、2017年3月末の提供戸数が30.6万戸だった。構内配線に光ファイバーを採用した「マンション全戸オールギガ光配線タイプ」による回線品質の差別化などで、主力の分譲物件で堅調に件数を伸ばしたほか、賃貸物件での獲得も進んだ。2017年4月以降は、電話回線を用いて最大1Gbpsのサービスを提供できるG.fast規格に対応したプランなど、賃貸向けの新たなラインアップを追加。また、スマートロックや見守りサービスなどの付加価値サービスでスマートマンション化を促進する。つなぐネットコミュニケーションズのグループ会社化により、さらなる事業拡大をめざす。
 「CYBERHOME」などを展開するファミリーネット・ジャパンは、2017年3月末の提供戸数が30.0万戸でシェア2位を獲得した。これまで力を入れてきたエネルギー使用状況を可視化するサービス「me-eco」に加え、経済産業省の「平成29年度 需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業」において、リソースアグリゲーター事業者として採択され、マンション共用部へ設置する蓄電池や空調機をMEMSによって最適制御を図る新技術の実用検証を始めた。今後は、サービス付き高齢者住宅向けの見守り・ヘルスケアサービスや、AIを活用したコンシェルジュサービスなどでも接続サービスの付加価値向上を図る。
 シェア3位で「e-mansion」を展開するつなぐネットコミュニケーションズは、2017年3月末の提供戸数が26.7万戸だった。マンション管理組合向けグループウェア「Mcloud(エムクラウド)」は顧客から高い支持を受けており、2016年度はそれにデジタルサイネージを組み合わせ、サービスの高付加価値化をめざす。2016年11月からは、マンション共用部向けサービスとしては初の電子雑誌読み放題サービス「タブホスポット」を提供開始。
 前年度調査ではシェア6位だったD.U-NETは4位へと順位を上げた。大和ハウスの賃貸住宅への導入が進み、2017年3月末の提供戸数が前年比6割増とシェアが急拡大した。また、シェア8位のギガプライズは、VR遠隔接客やIoTプラットフォームなどの新サービスによる価値創造に取り組み、OEM分を含めた提供戸数が2017年3月末で19.1万戸と前年比4.9万戸増となった。

 

~市場動向~

 全戸一括型マンションISP市場は、アパート・マンションの建設やストック住宅の増加を背景に、物件の資産価値向上等を目的としたサービス導入が一層進み、今後も継続的に拡大すると予測する。特に、相続税の節税対策の一つとして賃貸経営に注目が集まっており、賃貸向け市場はさらなる拡大が予想される。
 一方で分譲マンションを中心に、スマートロックや家電コントロールなどのIoT商材やAIを活用したサービスなどの付加価値商材に対する需要が増加している。インターネット接続サービスの低価格化が進む中、差別化による収益力向上をめざし、新たなサービス競争が展開されると予測する。


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