2016 年度上半期国内PC サーバー出荷概況

2016年12月15日

■出荷台数は12%減の20 万3,094 台、出荷金額は8.9%減の1,121 億円

■出荷台数は5 半期連続減少、出荷金額は11 半期ぶりに減少に転じる

 MM 総研(東京都港区、所長・中島洋)は12 月15 日、16 年度上半期(16 年4~9 月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。それによると、PC サーバー出荷台数は前年同期比12%減の20 万3,094 台となった(グラフ1)。出荷金額は同8.9%減の1,121 億円。出荷金額は、2011 年度上期以降10 半期連続で増加を続けていたが、今期は11 半期ぶりにマイナス成長となった。
 これまでサーバー市場はソフトウェアによるサーバー仮想化の影響で台数は縮小傾向だったが、CPU、メモリ、I/O 等の高性能要求により、出荷金額では成長を続けていた。その傾向に変化が見られる。

 2016 年度下期も上期同様に台数、金額ともに縮小傾向が続くと予想される。IT テーマではマイナンバー、セキュリティ強化、IoT 活用といった新しいテーマが浮上しているが、パブリッククラウド、もしくは既設のプライベートクラウドの効率活用が中心となり、サーバーの入れ替え需要は停滞する状況が続くと見ている。

2016 年度上半期のポイント

■出荷台数は12%減の20 万3,094 台
 国内PC サーバー市場は、2016 年4~6 月期は前年度同期比14.2%減の9 万293 台、7~9 月期は同10.1%減の11 万2,801 台で、上半期合計では同12%減の20 万3,094 台となった。4~6 月期は、前年の大型案件の反動やWindows Server 2003 OS のサポート終了に伴う入れ替え需要の反動により大幅な減少となったが、7~9 月期に入りやや減少幅は縮小した。出荷金額も同様に4-6 月が12.1%減の501 億円、7-9 月が6.1%減の620 億円と減少幅は四半期別では縮小傾向にある。

今後の見通し

■下半期は減少幅縮小も市場停滞が続く
 16 年度下半期も減少幅はやや縮小傾向となるが、台数、金額とも停滞が続き、台数は1.4%減の24 万4,150 台、金額は4.8%減の1,295 億円を見込む。国内のクラウド市場は成長を続けており、プライベート、パブリックともに高成長を続けているが、サーバー出荷では、専用、共用サーバーホスティング向けがやや伸び悩んでいる状況。特にWeb やメール等のサーバー用途を、Windows Azure やOffice365 等のパブリッククラウドサービスに切り替えるユーザーが増加していると見られ、サーバー市場はオンプレシステムのクラウドシフトによる需要減少の影響を受けていると考えられる。
 ただし、プライベートクラウド用途は今後も成長が見込まれるとともに、プライベート型とパブリック型クラウドの相互接続用途は拡大すると見られ、ハイブリッド化が進行すると見られる。サーバーベンダーへの顧客要求も、製品単体のサポートや性能向上から、運用性能やセキュリティ対策といったインフラ最適化項目も含んだ多様化が続くと見られ、ベンダー、SIerはこれに呼応したサービスの提供が一層求められる。


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