2010年度通期国内携帯電話端末出荷概況

2011年05月10日

■2010年度通期出荷台数は前年比9.3%増3,764万台
■スマートフォン出荷台数は前年比3.7倍の855万台。OS別ではAndroidがiOSを逆転
■2011年度通期出荷台数は3.3%増の3,890万台と予測

 MM総研(東京都・港区、所長・中島 洋)は10日、2010年度通期(10年4月~11年3月)の国内携帯電話出荷状況を調査し、結果を発表した。総出荷台数は前年比9.3%増の3,764万台となった。半期別でみると、上期の1,913万台(前年比12.3%増)に続いて、下期も1,851万台(前年比6.4%増)と回復傾向が続いた。MM総研では出荷台数回復の主な要因として、スマートフォン市場の拡大とau市場におけるトライバンド対応端末への買い替え台数好調の2点であると分析する。

 2010年度通期のスマートフォン出荷台数は855万台で前年比約3.7倍に拡大し、総出荷台数の22.7%を占める結果となった。ソフトバンクモバイル(以下ソフトバンク)より発売され、同市場を牽引してきたiPhone(アイフォーン)に加えて、NTTドコモ(以下ドコモ)、auから多数投入されたAndroidOS搭載スマートフォンが相次いでヒットした。2010年度通期スマートフォン市場のOS別出荷台数・シェアはAndroidが57.4%となり、iOSの37.8%を逆転して1位となった。


<シャープが6年連続1位を獲得>
 2010年度通期のメーカー別出荷台数シェアは、シャープが2005年度以降6年連続の1位を獲得。出荷台数は858万台(前年比5.0%減)でシェアは22.8%(前年比3.4ポイント減)となった。

 2位は昨年度3位の富士通(富士通東芝モバイルコミュニケーションズ含む)で652万台(25.9%増)、シェアは17.3%(2.3ポイント増)となった。10年度下期から東芝の携帯電話事業との合併効果により台数・シェアを伸ばし順位を1つ上げた。

 3位は昨年度2位のパナソニック モバイルコミュニケーションズ(以下パナソニックモバイル)で439万台(15.6%減)、シェアは11.7%(3.4ポイント減)となった。4位はNECカシオモバイルコミュニケーションズ(以下NECカシオ)で401万台(20.0%減)、シェアは10.7%(3.8ポイント減)。5位は京セラで392万台(86.7%増)、シェアは10.4%(4.3ポイント増)となった。6位はApple(323万台/シェア8.6%)、7位はソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(279万台/シェア7.4%、以下ソニー・エリクソン)と続いた。

■スマートフォンのOS別出荷台数・シェアはAndroidがiOSを抜いて1位
 スマートフォン市場のメーカー別台数・シェアは1位がApple(37.8%)、2位がシャープ(24.3%)、3位がソニー・エリクソン(9.8%)、4位がSamsung(9.0%)の順となった。OS別にみると1位がAndroid(シェア57.4%)、2位がiOS(37.8%)、となった。

■シャープが6年連続で1位を獲得
 シャープは2005年度以降6年連続で1位を獲得した。出荷台数は858万台(5.0%減)で、シェア22.8%(3.4ポイント減)。シェア減少の要因としては、ソフトバンク市場でのシェア低下が上げられる。しかしながら、下期には「IS03(au)」「LYNX 3D(SH-03C)(ドコモ)」「GALAPAGOS SoftBank 003SH」など大手3キャリア向けに投入したAndroidスマートフォンがヒットしており、引き続き強い存在感を示した。

■富士通が買収効果による台数・シェア拡大で2位に躍進
 2位は前年度3位の富士通となった。東芝の携帯電話事業を買収して10年10月に設立した富士通東芝モバイルコミュニケーションズ分を含めて出荷台数は652万台(前年比25.9%増)、シェア17.3%(2.3ポイント増)となった。ドコモ向け「らくらくホンシリーズ」が引き続き中高年層を中心に高い支持を集めている点に加えて、富士通東芝モバイルコミュニケーションズのREGZA Phone「T-01C(ドコモ)」「IS04(au)」のヒットが台数・シェア拡大に寄与した。

■2011年度通期の出荷台数は前年比3.3%増の3,890万台と予測
 2011年度もスマートフォン市場の更なる拡大や、au市場のトライバンド対応に伴う買い替え促進など2010年度同様の傾向が継続すると予測される。スマートフォン市場では最新OSやデュアルコアCPUなどを搭載したハイエンド端末から一部機能を抑えたミドルからローエンド端末まで、国内・海外メーカーを問わず数多くのスマートフォンが投入されることが見込まれ、ターゲットの明確化と端末の差別化がより一層重要になるだろう。 2011年度下期には次世代高速通信規格LTEに対応したスマートフォンの投入も予定されており、ネットワークの高速化に伴う新たなサービス登場による相乗効果にも期待できるだろう。

 MM総研ではスマートフォン市場の拡大が市場を牽引することが期待されることから、今後の出荷台数は微増傾向が続くと分析する。 2011年度の出荷台数については、東日本大震災による供給面での影響が上期に生じることを想定しているが、通期で見るとその影響は微少であると見ている。結果として、2011年度通期出荷台数は前年比3.3%増の3,890万台、その後は2012年度:3,920万台、2013年度:3,940万台と予測。また、2011年度のスマートフォン出荷台数は前年比2.1倍の1,820万台で総出荷台数の46.8%を占めると予測する。ただし、スマートフォン市場は昨今の勢いそのままに2,000万台規模となり、総出荷台数の過半数を占める可能性も十分にあると見ている。

【スマートフォンの定義】 以下を条件としてMM総研にて分類(2011年5月現在)
①以下OSを搭載(iOS、Android、Windows Mobile、BlackBerry OS)
②音声通話が可能(画面5インチ以上でヘッドセット利用を想定した端末は含まない)
③高機能かつアプリやソフトウェア等のカスタマイズが可能
④OS環境として(アプリ)開発仕様が公開されていること
⑤キャリア及びメーカーがスマートフォンと位置づけている製品

【スマートフォンのその他特徴】
※QWERTYキー(タッチパネル上のソフトキーを含む)もしくはタッチパネルを搭載(一部例外あり)
※従来の携帯電話は携帯サイト用のブラウザとPCサイト用のフルブラウザを共に搭載している製品が一般的であるのに対してPCサイト用のフルブラウザのみを搭載


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