2010年度上期国内パソコン出荷概要

2010年11月04日

■統計開始以来、上期で過去最大となる706.5万台を出荷
■金額は7年ぶりに増加もリーマンショック前の水準に届かず
■日本メーカーが健闘、ネットブック出荷は縮小

 MM総研は11月4日、10年度上期(4~9月)の国内パソコン出荷状況の調査結果を発表した。それによると国内のパソコン総出荷台数は前年同期比17.3%増の706.5万台。出荷台数は95年度から統計を取り始めて以来、上期の出荷台数としては過去最高を更新した。

■個人/法人市場とも前年同期比で二ケタ増

 10年度上期の国内パソコン市場は、出荷台数706.5万台、前年同期比17.3%増となり、上期としてはこれまで過去最高だった08年度上期(638.3万台) を、約68万台上回り過去最高の出荷台数を更新した。

 出荷ルート別では、個人向けを主力とする「個人系ルート」は、前年同期比14.2%増の352.2万台となり、3年連続の増加。09年度下期に登場した新OS (Windows7)が好評であり、個人の買い替え需要が継続している。個人市場では一体型デスクトップや据置利用をメインとするA4サイズ以上のノートタイプが好調に推移した。

 一方、企業向けを主力とする「ビジネス系ルート」は、前年同期比20.5%増の354.3万台と09年度上期の大幅な減少(14.7%減)から反転し、06年度上期、05年度上期に続く過去3番目の出荷台数規模となった。法人市場は、リーマンショックに伴う設備投資抑制の影響を受けた前年同期の反動に加え、民需を中心に大企業のパソコン投資が再開したことが大幅な回復につながった。

 タイプ別では、前述の市場動向を受け、ノートタイプ(ネットブック含む)は15.7%増、デスクトップタイプが20.5%増となった。一方、ネットブックは、前年比41%減の37万台に留まった。新OSのリリースに伴い、個人消費者のA4ノートパソコンの買い替え需要が活性化したことに加え、iPad等のモバイル性や簡単な操作性に優れた新デバイスへ需要を奪われ、出荷台数が減少したとみられる。

 出荷金額は、前年同期比15%増の6,330億円と、出荷台数同様、二ケタの増加に転じた。しかし、リーマンショック直前の08年度上期の水準まで回復しなかった。

■日本メーカーが健闘、トップ3を占める

 メーカーシェアでは、首位NEC、2位富士通、3位東芝と日本メーカーが上位を占めた。現在、個人市場ではA4ノートパソコンの買い替えが主力となっていること、iPadなど新規デバイスの出現により、ネットブックの出荷台数は縮小傾向となっている。

 シェアランキングでは、NECが10年4~6月期に富士通に1位を奪われたが、10年7~9月期に巻き返して上半期合計で1位となった。特に活性化している個人市場での買い替え需要を上手く捉えただけでなく、法人向けも運輸、製造など民需大手中心に大口案件を獲得し、出荷台数を伸ばしている。

 2位の富士通も、特に法人向けでは情報通信分野向けの大口案件の他、全体的に民需が好調で台数を伸ばした。3位の東芝は前年の4位から順位をひとつ上げ、トップ3に入った。個人向けに一体型デスクトップや、2画面ノートを投入するなど積極的にラインアップを増やしたことが奏功した。

 一方で、ネットブックを武器に台数シェアを上げてきたエイサーは、前年の6位から8位に順位を下げた。ネットブック市場が減速しており、出荷台数を大きく伸ばすことができなかったことが要因。しかし、デスクトップやノートなどのカテゴリでは台数を増やし、ネットブックの減少分をカバーして前年の出荷台数を上回った。

■2010年度下期の展望

 10年度下期の個人市場は、前年度下期にWindows7の登場により急激に活性化した反動で、大幅な台数成長は期待できない状況にある。また、エコポイント制度の駆け込みで目先の消費はテレビ、エアコン、冷蔵庫といった制度対象家電に流れる懸念もある。だだし、パソコンも継続的なコストダウンに伴う低価格化が進んでおり、買い替え需要は今後も継続するだろう。

 一方で、法人需要も前年同期に政府主導による景気刺激策の一環として学校へ約70万台分のパソコンが一斉導入されており、その反動減が予想されるが、回復しつつある民需で、特需分を一部カバーすることが予想される。個人と法人を合わせた下期全体では6%減の741.5万台を予想し、2010年度の通期は4%増の1,448万台を見込む。

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