2011年国内パソコン出荷概要

2012年02月08日

■出荷台数・金額とも減少、東日本大震災&タイ洪水の影響響く
■個人市場は5年連続の成長で、アップルがベスト5に躍進
■2012年は回復基調、Windows XPからのリプレースが本格化

 MM総研は2月8日、2011年暦年(11年1月~12月)の国内パソコン出荷実績を調査、結果を発表した。それによると、国内パソコン市場は、出荷台数で前年比3%減の1,481.4万台となった。東日本大震災とタイの洪水に伴うHDD生産減少の影響を受け、マイナス成長となったものの、総出荷台数は95年の統計開始以降、過去2番目の規模となった。一方、出荷金額は主力であるA4ノート単価が競争激化により下落したことから前年比14%減の1兆1,676億円、平均単価は7.9万円で前年から1万円の減少となった。HDD生産減少は、2011年10-12月期の出荷台数に影響を与えているが、2012年1-3月期も引き続き影響が続くと見ている。特に個人向けのなかでもテレビモデル向けなどの大容量HDDが不足しているが4-6月期には回復する見通し。

①市場動向

 個人市場向けの出荷ルートである「個人系ルート」は、前年比3.6%増の772.7万台。これまでの過去最高であった2010年を超え、4年連続で過去最高の出荷台数を更新した。2011年は東日本大震災のあった2011年1~3月期はマイナス成長となったが、4~6月以降は再びプラス成長となった。特にA4型ノートの低価格化が進んだことが、個人需要を喚起した。量販店店頭を中心に販売される日本メーカーのオールインワン機は、売れ筋価格帯が7万円台に、またネット通販等で販売される低価格帯のモデルは5万円を切るなど割安感が出て、需要を喚起した。また昨年は、消費動向も旅行や外食が減少し、家電や内食など内向きの消費が増えたことも影響した。

 企業市場向けの出荷チャネルである「法人系ルート」は、前年比9.2%減の708.7万台に留まった。2010年1~3月期にあった文教市場での特需反動と円高による設備投資抑制の影響が大きい。一方でユーザー内では現行OSの2代前のWindowsXPが未だ1,000万台以上の規模で稼動をしていると見られ、これらのPCの最新OSへのスムースな移行を支援することが求められている。

②レノボ・NECグループ合計で25.7% のシェア

 メーカーシェアは、11年7月に持ち株会社に移行したNECレノボが25.7%で首位。前年との比較では0.1ポイントシェアが増加した。富士通は、東日本大震災で福島のデスクトップ工場が直接被災したが、生命保険業向けの大口出荷等で年後半には回復、シェア2位となった。3位の東芝は個人向け出荷で二ケタ伸長している。日本HPは前年の5位から4位に順位をひとつ上げた。

 また、ランキングメーカーの中で最も高い伸び率となったのはアップル。前年比で33.9%増となり、シェア順位も8位から7位となった。個人向け市場だけで見ると、前年の6位から5位となり、ランキングに食い込んだ。スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤーだけでなくパーソナルコンピュータ分野でも再び存在感を増している。

③2012年は前年比3.3%増の1,530万台を予測

 12年の国内パソコン市場は、個人市場、法人市場ともプラス成長となり、全体では前年比3.3%増の1,530万台を見込む。12年1-3月期はHDD不足の影響が残り、東日本大震災のあった11年1-3月期並みの実績に留まると見られ、本格的な回復は、12年4-6月期以降である。

 2012年は年前半には、インテルが開発に注力している次世代CPUを搭載したウルトラブックが出揃うほか、年後半はマイクロソフトの新OS Windows8が登場予定であり、製品面では話題の多い1年となる。モバイルデータ通信の高速化が進んでおり、特にモバイル分野で普及が進むスマートフォンや法人市場向けにも品揃えが充実し始めたタブレット機との本格的な競争が始まる1年でもある。2012年にモバイル用途でどこまで市場を拡大できるかが、パソコン市場の行方を決める上での鍵となる。

 

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