MM総研大賞2023 <スマートソリューション部門>5Gソリューション分野 最優秀賞「docomo MEC™」
株式会社 NTT ドコモ/NTT コミュニケーションズ株式会社

2023年09月08日

5G通信とMEC技術を活用して
地域課題や医療格差の解決に貢献

NTTドコモとNTTコミュニケーションズが提供する「docomo MEC™」は、端末に近い位置にサーバーやストレージを配置して第5世代移動通信システム(5G)の高速大容量・ 多数同時接続・超低遅延という特性を最大限に引き出すMEC(Multi-access Edge Computing)技術を活用した法人向けの商用サービス。全国9カ所の拠点からサービスを提供し、製造業、医療、放送など様々な業界で300件(2023年6月時点)を超える利用実績がある。サービスの信頼性・品質などが高く評価された。

MEC技術で高速な処理を実現

一般的なネットワーク構成でクラウドサービスを利用する場合は、端末と5Gの基地局間の通信は5Gにより高速化できる。しかしながらインターネットを経由した通信は、インターネット通信全体で共有されるネットワークのため、インターネットの速度がボトルネックになり5G の特⾧を活かすことができない懸念がある。このボトルネックを解消するため、docomo MEC™は5Gのネットワークの中で端末に近い位置にサーバーやストレージを配置し、インターネット網を経由することなく処理を実行。5Gのメリットである低遅延を活かした迅速な処理が可能になった。

幅広い業界で導入されるdocomo MEC™

様々な業界で利用が進んでいる。特に、これまでの4Gでは難しかった4Kなどの高精細映像のリアルタイム伝送に使われることが多いという。製造業、建設業ではスマートグラスを活用した技術伝承や作業支援、クレーンの遠隔操縦などに利用されている。山口県では美術館と小学校を5G回線で接続し学芸員がリアルタイムで鑑賞の授業をするなど、教育の場でも活用が進む。また、地方の高齢化や医師不足を解決する遠隔診療にも利用できる。徳島県では docomo MEC™の活用で高精細な映像で患者の様子を見ることができるようになり、専門医の少ない地域でも専門的な診察が受けられるようになった。放送業界では従来、生中継をするには大型中継車などを用意して配信環境を作る必要があったが、高知県ではモバイル通信の特長を活かしカメラマンひとりで生中継をするなど、地方での活用も進んでいる。

高セキュリティな環境が簡単に利用可能

特にユーザーから好評な点はセキュリティ面だ。通常、クラウドサービスのサーバーは東京や米国など限られた場所にあり、インターネットを経由してサービスを利用せざるを得ない。高セキュリティな通信を希望する場合、ユーザーはパソコンやモバイル端末などのデバイス側にVPN(Virtual Private Network)を導入して仮想的にセキュアな環境を構築したり、サーバーを社内に置いて閉域的な接続にしたりするなど、ユーザー自身が対策をする必要がある。docomo MEC™であれば、全国9拠点のサーバーに直接接続する「MECダイレクト」というオプションがあり、インターネットを経由せずに処理することで、セキュリティの確立された5Gのモバイル通信網を利用することができ、特別な設定をしなくても高セキュリティな環境を利用できる。

パッケージ化されたソリューションも選べる

docomo MEC™の導入にあったってはNTTコムから顧客の要望に沿った様々な提案を実施している。5G自体が先進的な取り組みのため、利用の前例がないようなケースでは共同実証検証とするケースもある。また、様々なパートナー企業と連携しており、docomo MEC™を導入しやすいようパッケージ化したソリューションを選ぶこともできる。例えば、仮想空間(メタバース)でのシミュレーションや複数クリエイターによる共同制作、拡張現実(AR)スマートグラスによる遠隔作業支援などのソリューションをパッケージ化している。現在は月額制であるが、今後は短期利用なども視野に入れて、より柔軟にサービスが利用できるよう検討し、サービスを拡充していく方針だ。