MM総研大賞2023 <スマートソリューション部門>EdTech分野 最優秀賞Appleの教育者向け「プロフェッショナルラーニング」
Apple Japan合同会社

2023年09月07日

学びを最大化する
教員サポートを提供

文部科学省のGIGAスクール構想により、国公立小中学校の児童生徒に1人1台端末が配備された。Appleはホームコンピューター「Apple Ⅱ」発売以降、40年以上にわたって教育に携わってきた。この知見も活かしながら、政府が目指す「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)」の実現に取り組む。徐々に端末の活用が進む中、Appleの教員をサポートするための研修や認定プログラムなど多様な取り組みが評価された。

Appleの授業ガイドのイメージ

グローバル水準のコンテンツ、研修、認定制度を用意

教員向けの「プロフェッショナルラーニング」は大まかに、①基礎から応用までの幅広いコンテンツ②習熟度をAppleが保証する認定制度③対面での研修―の3つで構成する。

例えば、コンテンツは「iPadやMacなど端末の操作方法」「スライド作成のKeynoteや表計算のNumbersなどApple標準ソフトウエアの利用方法」といった基礎的な内容を学ぶものから、「音読の成長を記録に残す」「グリーンスクリーンで合成する」といった応用編まである。専用Webサイト(Learning Center)で図解や動画などで学び、小テストに回答する形で進める。

基礎的な内容が理解できていれば「Apple Teacher」として認定される。応用編の認定としてはiPadを使った授業デザインについて理解深める「Portfolio」や、プログラミングを授業に取り入れるための「Swift Playgrounds」がある。さらに最上位認定として、教育のイノベーターに「Apple Distinguished Educator(ADE)」を用意している。ADEになるには、実践している教育内容を動画にまとめて提出し、審査に通る必要がある。選抜された後、日本または海外で開催される研修を受けると、正式にADEとして認められる。グローバルで約3000人がADEとして活躍している。

Appleの研修はその多くが対面で行われる。国内で実施している研修も有償だが、操作方法を学ぶ基礎編から、実際に「授業でどう使えそうか」を考える応用編まで教員の習熟度に合わせて選べる形をとっている。SB C&Sなどの研修パートナーがAppleに認定された講師を手配する。

教員に「授業でどう取り入れるか」を考えさせる

日本の教育制度に合わせて独自のコンテンツも拡充している。教科別の使い方を例示する「授業ガイド」や、現役教員に使い方を聞いた「事例集」もある。授業ガイドは、どの学年・教科でも4つのプロセスで構成する。探究やプロジェクト型学習と同様に、自分で調べたり、写真撮影などの体験を通じて学習内容を理解するための「見つける」から始まり、次に学んだことを整理し、わかりやすく伝えるための「プランを立てる」。プランをもとに、プレゼンテーションや動画など、自分らしく表現することで学びを深める「創る」。最後に作品を振り返り、次の活動につなげるために「評価する」。小学校4年生の理科のガイドをみると、「電流のはたらき」「月や星の見え方」などよく扱われるテーマで、この4つのプロセスにそった授業例を示している。

ここまで紹介してきたコンテンツや研修の多くは「こう使うべき」「この使い方が良い」と示すのではなく、あくまでヒントやアイデアとして紹介している。教員が「自分なら授業でどう取り入れるか」「児童生徒に何を学び取ってもらうか」を考えさせる仕組みだ。

児童生徒のクリエイティビティを引き出す

1人1台端末の整備完了から約2年が経つ。コロナ禍で整備の大幅な前倒しもあり、決して計画通りとは言えない状況で進んできた。こうした中でAppleはGIGAスクール構想で配備された端末でメーカーシェア首位を獲得している。教育者向け「プロフェッショナルラーニング」も用意し、端末を教育に活用する素地を整えつつある。MM総研の調査では、iPadを毎日活用していると回答した自治体が8割を超え、持ち帰りの頻度も高い傾向にあり、活用が進んでいる様子もうかがえる。

公式サイトの「教育とApple」と題したページのトップには次のように書かれている。「インスピレーションを、学ぶすべての人に。自分に合った学び方、クリエイティビティを発揮するやり方は人それぞれです。Appleのテクノロジーとリソースは、あらゆる教育者と、すべての生徒、学生のみなさんが学び、創造し、自分の目標を定めて成功を目指す、そのための力になります。さあ、みんなで世界を前に進めましょう」