MM総研大賞2014 ニュースリリース「MM総研大賞2014」審査結果のお知らせ ―スマート社会を支える製品・サービスを表彰、第11回目―

2014年06月30日

■「大賞」は新電力エネットの法人向けデマンドレスポンスサービス『EnneSmart』
■「スマートソリューション部門」の部門賞はNTTコミュニケーションズ、日本通信、NTT東日本、NEC、本田技研工業、NTT BP、エネット(※大賞と同時受賞)
■「話題賞」にはトヨタ自動車『i-ROAD』、ぐるなびの『ぐるなびPRO認証システム3.0』、サムスン電子ジャパン『GALAXY Gear』など

MM総研(本社:東京都港区、 代表取締役所長:中島洋)は「MM総研大賞2014」 (審査委員長:安田 浩 東京大学名誉教授)の最終審査を終え、「大賞」「スマートソリューション部門賞(分野別最優秀賞)」「話題賞」を決定致しました。

 「MM総研大賞」はICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2014年度の今回が11回目になります。優れたICT技術で積極的に新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

 「MM総研大賞2014」では次世代スマート社会の核となるスマートソリューション部門で6分野を選定し、分野ごとに「最優秀賞」を選び、さらに ICT産業で大きな話題になった製品・サービスを「話題賞」に選びました。最終的にこれらの中から、最もICT産業の発展に寄与した製品・サービスを「大 賞」として表彰します。


■「大賞」はエネットの『EnneSmart』
 最終選考は、安田 浩 東京大学名誉教授を委員長とする審査委員会の厳正な審査のもと行われ、「大賞」は新電力エネットの『EnneSmart』に決定致しました。法人向けデマ ンドレスポンスサービス『EnneSmart』は節電要請時の節電量に応じて、電気料金を割り引くサービスです。Webブラウザ上で現在の電気使用量や毎 月の電気料金、デマンド監視の情報を提供することで、電力を見える化し節電をサポート。経済的な電力として期待を集めています。

 エネットはICTを活用してクリーンな電力を効率的に供給し、2016年の全面自由化を見据えて急増する新電力(特定規模電気事業者:PPS)の 中で、約50%の市場シェアを獲得している点など、新しいエネルギーの価値の提供に成功している点が高く評価され、「MM総研大賞2014」の「大賞」に 決定致しました。


■「スマートソリューション部門」賞は7件
 クラウド環境の整備が進む中で、通信サービスに対するニーズの多様化が進んでいます。 こうしたニーズに応えるサービスとして、MVNOサービスの市場が拡大しつつあります。「MVNO SIMサービス分野」では、NTTコミュニケーションズの『OCN モバイル ONE』と日本通信の『b-mobile』がともに最優秀賞を獲得しました。『OCN モバイル ONE』は、国内で初めて1日毎に容量制限を設けることで高速・低価格のサービスを実現。テレビCMやコンビニでの販売を通じて低価格SIM市場の認知向 上を図り、利用者の裾野を広げた点が高く評価されました。『b-mobile』は日本初のMVNOとしてSIM市場の開拓、拡大に大きく寄与。価格だけに とどまらない様々な価値を訴求している点が高い評価を集めました。

 クラウド時代の深化が進む中で、ネットワークをもっと自由に柔軟に使いたいというニーズに応えるSDN(Software Defined Networking)への注目が高まっています。NECの『NEC SDN Solutions』は、ネットワークの柔軟な構成変更、効率的な運用管理、安全性の向上などを実現するだけでなく、ICTを活用した新システム導入時間 を短縮するなど、新たなビジネスの創出を支援している点が高く評価されました。

 クラウド環境の整備とともに、個人のライフシーンやビジネスシーンにおいてICTを活用する機会が増えています。NTT東日本の『オフィスまるご とサポート』は、企業のオフィスICT 環境の管理に係わる負担の軽減を目的としたトータルサポートサービスです。ICT環境の導入から運用に至るまでのサポートをワンストップで提供し、ICT の運用管理コストを削減したい企業などを中心に高い評価を集めました。

 本田技研工業の『インターナビ』は同社が独自に開発した自動車向けのテレマティクスサービスです。車両の走行データの分析などを通じ、ビッグデー タを活用した渋滞予測情報サービスを他社に先駆けて提供したほか、防災・減災への取組、ICT技術を活用した安全・安心に関する機能を強化している点が高 く評価されました。

 クラウド環境を支える基盤の一つとして、また2020年の東京オリンピックを控えて、今後ますます重要性が高まる「公衆無線LANサービス分野」 では、NTTブロードバンドプラットフォームの『Japan Connected-free Wi-Fi』が最優秀賞に選出されました。日本各地の空港・鉄道会社や自治体などが独自に運用している無料公衆無線LANサービスを統合的に検索・利用で きるアプリで、多言語対応、サービスごとの個別登録が不要となる利便性、Wi-Fiインフラの高い信頼性が高く評価されました。この他、スマート社会を支 える基盤として期待される「新電力分野」では、エネットの『EnneSmart』が最優秀賞を獲得し、大賞との同時受賞となりました。


■「話題賞」は8件

 話題賞では直近の話題性だけでなく、将来的な影響力が高いと期待される製品・サービス8件が受賞しました。

 トヨタ自動車の『i-ROAD』は全幅87cm、全長2.3mというバイク並みの超小型EVです。近い将来の超小型モビリティの到来を期待させます。

 ソニーの『4K放送機器システム』は最先端の4K映像技術及びシステムによって、高精細かつ臨場感と迫力のある映像を提供します。次世代の高画質中継放送を支えるシステムとして、国際的なスポーツイベント等での活用が期待されています。

 日本マイクロソフトの『学校のICT化支援事業』は将来を担う人材育成等を目的に教育現場のICT化を支援しています。一人一台の学習用端末や電 子黒板の整備、クラウドを活用した教材コンテンツなどに加え、教員向けの校務支援機能など、学校現場のICT化のトータル支援が評価されました。

 サムスン電子ジャパンの『GALAXY Gear』『Gear2』『Gear Fit』は新たなスマートデバイスとして市場の成長が期待されるウェアラブル端末における、いち早い取り組みを象徴する製品として高く評価されました。今 後も市場を創造する新たな商品の投入が期待されています。

 ぐるなびの『ぐるなびPRO認証システム3.0』は網羅的に来店客を可視化し、効果的なリピータ育成支援を図るだけでなく、顧客管理・経営分析等の飲食店経営全般に亘りIT化をサポートする点が高い評価を集めました。

 radikoの『radiko.jpプレミアム』は配信エリアの枠を超え、「radiko.jp」に参加しているラジオ局を全国各地どこにいても 聴くことができるサービスです。エリアの枠を超えてラジオを聴取したいというユーザニーズに応え、新しいラジオの楽しみ方を提供しています。

 Wi-Fiアライアンスの『WiGig』は数ギガbpsでの高速データ転送を可能にする高速大容量の無線通信規格です。従来なかった新しい無線接 続方法で、室内向け端末の低遅延なマルチギガビット接続を実現。「WiGig CERTIFIED」製品は2014年から各社が相次ぎ市場に投入する見込みです。

 ispaceの『月面探査事業ハクト』はグーグルがスポンサーの国際的な月面無人探査レース「Google Lunar XPRIZE」に日本で唯一参加するチームです。「はやぶさ」開発メンバーの東北大・吉田和哉教授を中心に開発を進めており、そのベンチャー精神を高く評 価しました。

 以上により、受賞製品・サービスは大賞およびスマートソリューション部門賞1、スマートソリューション部門賞6、話題賞8、の合計15件となりました。

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[参考] これまでの「大賞」受賞企業は、以下の通りです。
MM総研大賞2004  : 松下電器産業(Panasonic)『DIGA』 (DVDレコーダー)
MM総研大賞2005 : シャープ 『AQUOS』 (液晶テレビ)
MM総研大賞2006 : アップルコンピュータ 『iPod + iTunes Music Store』
(携帯音楽プレイヤー+音楽配信サービス)
MM総研大賞2007 : JR東日本『Suica』『モバイルSuica』とPASMO協議会「PASMO」の
共同受賞 (ICカード)
MM総研大賞2008 : ソニー 有機ELテレビ 『XEL-1』 (有機ELテレビ)
MM総研大賞2009 : トヨタ自動車 『Prius』
MM総研大賞2010 : 日本経済新聞社『日本経済新聞電子版』
MM総研大賞2011 : パナソニック 『エコナビ』
MM総研大賞2012 : サムスン電子ジャパン 『GALAXY』
MM総研大賞2013 : JR東日本『Suica』


◆MM総研大賞2014 概要

【参考1】 MM総研大賞2014の開催主旨
 
 「MM総研大賞」は、ICT分野の市場、産業の発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2004年に創設した表彰制度です。2014年度の今回が11回目になります。優れたICT技術で積極的に新商品、新市場の開拓に取り組んでいる企業を表彰するものです。

【参考2】 表彰対象

1.スマートソリューション部門 (6分野)
①低価格SIMサービス分野
②SDNソリューション分野
③ワークスタイル変革サービス分野
④新電力分野
⑤カーテレマティクス分野 
⑥公衆無線LANサービス分野

2.話題賞 (8商品)

【参考3】 評価基準 /評価方法

◆スマートソリューション部門
 スマート社会の核となるスマートソリューションが対象。その対象となる製品・サービス事業全般に対する「認 知度」、「信頼性」、「使いやすさ」、「先進性/革新性」、「独創性」、「価格妥当性」、「市場性」に加え、将来性を図る評価軸として、「基盤製品・サー ビスとしての可能性」(※一つの製品・サービスの上に大きな付加価値市場ができ上がる基盤サービス・製品となる可能性)などの項目を評価基準とする。

 個人消費者およびビジネスユーザーを対象としたインターネットアンケート(1,500件)、またノミネート企業に対するMM総研 研究員による取材活動等による評価を材料として、最終的には外部有識者からなる審査委員会の協議により、受賞企業を決定する。

◆話題賞
 「話題賞」は、ICT産業に大きなインパクトを与え、大きな話題を集めた製品・サービスを対象とする。13年度の話題性などに加え、今後のICT業界全体への影響度の大きさも評価基準とする。

 個人消費者およびビジネスユーザーを対象としたインターネットアンケート(1,500件)を基に選出された製品・サービスに関し、外部有識者を含む審査委員会が、「話題性」や「今後のICT業界への影響度」などを選考基準に、「話題賞」を選定する。

◆大賞
 スマートソリューション部門賞、話題賞に選出された製品・サービスに関し、外部有識者を含む審査委員会が、「スマート社会への貢献度」「今後のICT業界への影響度」などを選考基準に、大賞を選定する。

【参考4】 審査委員

審査委員長  安田 浩   東京大学名誉教授 東京電機大学 未来科学部 学部長
審査委員    前川 徹   コンピュータソフトウェア協会 専務理事
審査委員    藤沢 久美  シンクタンク・ソフィアバンク代表 法政大学大学院 客員教授
審査委員    北村 森   商品ジャーナリスト、サイバー大学客員教授
審査委員    加太 幹哉   MM総研 研究主任