04年3月末時点でのブロードバンド回線事業者の加入者総数は1,492万件(2004年 07月号 No.97)
【特集1】03年度の国内出荷は、前年比17%増の79億円に拡大― ナレッジ検索・分析ソフトの国内市場動向
年率150%の勢いで伸びてきた国内ナレッジ検索・分析ソフト市場は、01年度下期から続いたIT不況の影響で、02年度に前年度比5%増の67億円とほぼ横バイ状態に失速した。ナレッジマネジメント(Knoledge Management)・システムは、「必要不可欠なソフトではない」と言われ、ERP(統合基幹業務システム)などと同様、不況に弱い商品と言われてきた。02年度はそれを実証する形になったのだが、03年度は景気底打ち感もあり、幾分、活性化し、同17%増の79億円と拡大速度は加速傾向にある。
【データ1】07年に世帯普及率6割超へ― ADSLはYahoo!BBがトップを堅持、FTTH市場は100万件突破
04年3月末時点でのブロードバンド回線事業者の加入者総数は1,492万件。このうちADSLは1,119万6,800件に達した。ADSLのトップシェアは35.8%を獲得したソフトバンクBB。NTTは、東西を合わせたシェアが36.5%にまで減少。東西の合計でかろうじてソフトバンクBBを上回る結果となった。ブロードバンドの本命と期待される光接続サービス(FTTH)は、1年前の3.7倍にあたる114万5,300件となっており、増加ペースは目覚ましい。ブロードバンドサービスは、既にインフラが整備されていたCATVインターネットが先行し、その後ADSLが低価格サービスを武器にシェア拡大。より高品質なサービスを求めるユーザーはFTTHを支持し、本格普及の段階に入った。
【データ2】出荷台数は過去最高も、出荷金額は3年連続減少― 03年度 国内PCサーバー出荷概況
03年度(4~3月)のPCサーバー国内出荷台数は、前年度比15.3%増の36万6,400台を出荷し、過去最高を記録した(データ1)。2000年問題時に導入されたPCサーバーの買い替え需要が大手・中堅・中小などの民間企業を中心として活性化。各ベンダーからも10万円を切る商品が投入されことで、出荷台数は03年度のパソコン市場を上回る伸びを示し前年度のマイナスからプラス成長へと転じた(データ2)。メーカーシェア(データ1)では、デルが前年度比31%増と調査対象企業のなかで最も高い伸びを記録し、2位に躍進。第4四半期(04年1~3月期 )単独の実績では、NECを抜きシェア1位に躍進している。一方、製品単価は、16.7%減の48万円にまでダウンし、出荷金額も3.8%減の1,760億円にとどまった(データ3、4)。
【トレンド1】拡大する市場で差別化競争が過熱― 連載・デジタル家電の行方1 ~DVDレコーダー①
デジタル家電市場が急速に立ち上がっている。今年はオリンピックイヤーであり、映像系家電である液晶・プラズマTV、DVDレコーダー市場はさらなる拡大が見込まれている。MM総研が行ったアンケート調査によると新3種の神器の中でも、一般消費者の購入意欲が最も高かったのはDVDレコーダーであった。今後のデジタル家電市場の行方をウォッチングする「連載・デジタル家電の行方」の第1回は、DVDレコーダー市場を取り上げる。4強となっている松下電器産業、ソニー、東芝、パイオニアについて現在に至るまでの戦略を明らかにする。
【経営1】業界再編が加速、販売力の強化と顧客の囲い込みがカギに― 携帯電話一次代理店の動向
03年度の国内携帯電話出荷台数は、前年度比22.3%増の5,009万台と過去最高を記録した(MM総研調べ)。カメラ付き端末が出荷の約9割を占めるまでに成長し、第3世代(3G)携帯電話も各キャリアから続々と投入され、市場を活性化した。一方で、携帯加入者は8,000万人を超え、純増数も減少、市場の飽和感はますます強くなってきた。キャリア間のサービス競争にも拍車がかかり、ARPU(一加入者あたりの月間平均収入)が減少する中で、パケット定額制を導入するなど、厳しい競争を強いられている。同様に販売の最前線にいる代理店各社の生き残り競争も激しさを増しており、地方の一次代理店を中心に淘汰・再編の波が加速している。代理店各社の03年度を総括するとともに、04年度は、どのような経営方針、販売戦略で市場に対応していこうとしているのかを明らかにする。
【経営2】他社製UNIXのリプレースに生き残りを賭ける― 外資系UNIXベンダーの販売動向
03年度の国内UNIXサーバー市場は、台数・金額とも大きく落ち込んだ02年度ほどではないが、依然マイナス傾向にある。03年後半より景気が回復基調にあるものの、サーバー需要が拡大しているのは、より低価格なIAサーバーのみである。UNIXサーバー市場、とりわけローエンド領域ではIAサーバーとの競合やUNIX同士の低価格競争が激しさを増している。市場が頭打ちのなか、UNIXベンダーは、メインフレームや他社製UNIXからのリプレース市場に活路を求めている。
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