生成AIサービスの個人利用率は21.8%

「生成AIの個人利用状況調査」(2025年8月時点)

2025年09月17日

■生成AIの個人利用率は21.8%で1年前より9.3ポイント上昇

■サービス別では「ChatGPT」の利用が最も多く、「Gemini」、「Copilot」が続く

■生成AIサービス市場規模は2024年度1679億円、2030年度には5618億円と予測

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は9月17日、生成AI(人工知能)の認知度や利用経験について実施した個人向けWebアンケート調査の結果を発表した。

生成AIの認知度は80.4%

米OpenAI(オープンAI)が2022年11月に対話型の生成AI「ChatGPT」を発表して以降、生成AIが注目を集めている。数多くの生成AIサービスが登場し、AIパソコンやAIスマートフォンとして製品を訴求する企業も増えている。今回、生成AIの認知度を聞いた結果は「利用したことがある」(21.8%)、「興味はあるが利用したことがない」(19.4%)、「聞いたことがある程度」(39.2%)、「知らない・わからない」(19.6%)となった。生成AIの認知度は80.4%と8割を超え、生成AIの利用経験者は21.8%となり、前回調査(2024年8月)に比べ9.3ポイント増加した。

検索機能の利用が最多

生成AIを利用したことがあるとした回答者(生成AI利用経験者)に利用用途について聞いた結果、最も多かったのは「検索機能」で52.8%となった。次いで「文章の作成・編集・要約/議事録作成」(45.1%)、「会話(メッセージ)」(27.5%)、「画像生成・編集」(24.0%)と続いている。検索する際に検索ブラウザーを利用するのではなく、生成AIを利用することが増えてきていると分析する。生成AIを利用する端末は「自身のスマートフォン」が58.0%で最も多く、スマートフォンで気軽に生成AIを利用していることがうかがえる。

利用経験は「ChatGPT」が最多

生成AIの利用経験者に利用した生成AIサービス(個人向け)について聞いた。最も多かったのは米OpenAI「ChatGPT」で65.7%だった。次いで米グーグル「Gemini」(40.0%)、米マイクロソフト「Copilot」(26.2%)、米X.AI「Grok」(9.5%)、豪Canva「Canva」4.9%と続いた。「ChatGPT」「Gemini」「Grok」はプライベートでの利用が過半数を超えており、「Copilot」は仕事(学校)での利用が22.4%と他のサービスと比較すると高かった。また「Canva」のような画像や音楽、映像のようなクリエーティブな活動に利用されるサービスも仕事(学校)での利用が高い傾向にあった。

週に1回以上の利用が63.9%

生成AIの利用経験者に利用頻度を確認したところ、「毎日」が27.8%、「週に1回」が36.1%で、週に1回以上の利用が63.9%と過半数を占めた。利用用途と利用頻度の相関関係を確認したところ、「検索機能」の利用が最も多かったことから、日常的に検索に生成AIを用いる人が増えていることが推察できる。

※プレ調査で生成AIを利用したことがあると回答し、本調査に進んだ回答者を対象としている。

2024年度の生成AI個人市場は1679億円

MM総研では生成AIサービスの個人利用者(個人事業主や事業に利用するが個人で支払いをしている人を含む)の市場規模を分析した。有料・無料を問わない2025年8月時点の利用者数は1597万人、2024年度の市場規模は1679億円と試算する。金額規模は年平均22.3%で成長し、2030年度には5618億円になると予測する。要因としては、①今後は無料サービスの提供が終了もしくは限定的となっていく可能性がある②有料サービスは「検索機能」中心から「通訳・翻訳」「言語学習」「画像生成・編集」といった学習・クリエーティブ利用が拡大していく――の2点であると分析する。

生成AIは便利だが利用者のリテラシーが重要

生成AIの利用経験者を年代別にみると、10代が41.3%と最多で、次いで20代、30代と続き、年代が若いほど生成AIを利用する割合が高い結果となった。

生成AIサービスの利用用途として「検索機能」が最も多く、生成AIを利用するメリットとしても「作業の効率化」「時間の節約」「自身のスキル・知識が広がる」「言語・専門知識の壁を越えた情報収集」が上位に挙がっているように、情報検索の分野での利用が広がっている。現在は利用していないが、今後利用してみたいと思う用途では「通訳・翻訳」や「言語学習」が上位に入り、生成AIサービスが多言語対応している強みが出ているといえる。

利用者が増加傾向にある生成AIはメリットが多い半面、情報の正確性や著作権・プライバシー侵害のリスクといった課題も指摘されている。生成AIに限ったことではないが、知り得た情報が正しいかどうかを判断する利用者のリテラシーと社会全体としての集合知の醸成が求められる。

 

■調査概要
調査対象:15~69歳の男女
1. 回答件数:プレ調査20,234人、本調査3,013人
2. 調査方法:Webアンケート
3. 調査時期:2025年8月

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