スマートフォンの月額利用料金は4,117円に低下

「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」(2025年7月調査)

2025年08月21日

■スマートフォンの月額利用料金は平均4,117円(前回2025年1月比239円低下)

■スマートフォンの購入金額は平均76,021円(同1,070円低下)

■スマートフォンの月間データ通信量は平均12.46GB(同0.41GB増加)。中央値は依然3GB

■スマートフォンの利用時間(通話時間を除く)は週平均1,201分(約20時間)

スマートフォン利用者の月額利用料金は4,117円

携帯電話の月額利用料金※1,2,3について、端末代金の分割支払い分を含まない実際の支払総額を分析した結果、スマートフォン利用者全体では4,117円で、前回調査から239円低下した。
※1:2025年7月の有効回答数:9,021
※2:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※3:「月額利用料金」=「通話料」+「データ通信料」
 ◇端末購入の支払いが分割払いで残っているユーザーの月額利用料金には端末購入金額は含まれていない
 ◇消費税を含む

MNO(移動体通信事業者)4ブランドのスマートフォン利用者の月額利用料金は4,756円、楽天モバイルを除くMNO のフィーチャーフォン利用者は2,527円となった。サブブランド利用者の月額利用料金は3,191円、MVNO(仮想移動体通信事業者)利用者の月額利用料金は1,858円となった。前回調査と比較すると、スマートフォン月額利用料金としてはすべてにおいて低下した。

スマートフォン利用者の端末購入金額は76,021円

端末の割引前購入金額※4,5,6はスマートフォン利用者全体で76,021円となり、前回調査から1,070円低下した。2024年12月に施行された電気通信事業法の関連省令の改正により大手キャリアの下取りを活用した実質値引きが制限されたことが影響していると分析。OS(基本ソフト)別に購入金額をみると、iOS(以下iPhone)はiPhone 16eが廉価モデルとして登場したことにより僅かに上昇したが、Androidは高価格帯モデルの苦戦により低下した。5G対応・非対応による端末価格の違いをみると、5Gスマートフォンは83,256円、4Gスマートフォン(3Gを含む)は53,387円で、5G対応の方が約3万円高かった。MNO 4ブランドのスマートフォン利用者では購入金額は81,135円(前回調査比1,102円低下)、MNOのフィーチャーフォン利用者は18,636円(同3,039円上昇)、サブブランド利用者は67,860円(同1,367円上昇)、MVNO利用者は58,920円(同1,876円低下)だった。
※4:2025年1月の有効回答数:9,021
※5:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出
※6:「購入金額」=定価・または割引前の端末の支払総額(消費税を含む)

月間データ通信量は平均12.46GB、中央値は3GB

スマートフォン利用者の月間モバイルデータ通信量※7,8,9,10,11,12は、「わからない」と回答したユーザーを除いた平均モバイルデータ通信量が12.46GB(ギガバイト)、中央値が3GBとなった。有効回答のみを対象とした場合、月間通信量は「1GB」25.2%、「2GB」10.1%、「3GB」17.2%となり、52.5%のユーザーが3GB以下の通信量となった。平均値は上昇傾向にあるが、中央値は依然として「3GB」であり、二極化が進行している。平均利用量に近い「10GB」までのユーザーは74.6%を占め、前回調査より0.6ポイント減少、その分、10GB超ユーザー比率が上昇した。
※7:小数第2位を四捨五入しているため合計は100.0%とならない
※8:有効回答数:14,101
※9:月間通信量についてGBで回答した結果による分析
※10:通信量はモバイルデータ通信量のみ(Wi-Fi接続による通信量は含まない)
※11:2025年6月(調査月の前月)の利用状況から分析
※12:「通信量がわからない」を除く

MNO 4ブランドのスマートフォン利用者の月間モバイルデータ通信量では、「わからない」と回答したユーザーを除いた平均モバイルデータ通信量は14.82GBとなった。サブブランド利用者は7.24GB、MVNO利用者は6.78GBで、MNO4ブランドのモバイルデータ通信量はサブブランド及びMVNOの2~2.2倍であった。年代別にみると、20代以下(19.42GB)、30代(17.40GB)、40代(14.26GB)、50代(10.60GB)、60代(7.07GB)となり、若年層ほどモバイルデータ通信量が多い結果となった。

1週間の通話時間はMNO 4社 41.0分、サブブランド 33.8分、MVNO 21.9分

スマートフォン利用者に携帯電話番号とIP電話・アプリ電話それぞれの音声通話時間※13を質問した。その結果、1週間の平均通話時間は携帯電話番号からの場合、MNO 4社は20.0分、サブブランドは17.3分、MVNOは9.2分となった。IP電話・アプリ電話からの場合は、MNO 4社は21.0分、サブブランドは16.5分、MVNOは12.7分となった。携帯電話番号とIP電話・アプリ電話からの通話時間を合算すると、MNO 4社は41.0分、サブブランドは33.8分、MVNOは21.9分となった。
※13:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出

 

スマートフォン利用時間は1,201分/週

スマートフォンの1週間あたり利用時間※14,15は1,201分(20時間1分)となった。個別にみると、MNO 4社は1,236分、サブブランドは1,173分、MVNOは1,115分となった。
※14:通話時間を除く
※15:選択肢ごとに設定した係数を掛け合わせた加重平均による算出

 

用途別※16,17では、「インターネット検索・情報収集」(235.5分、構成比19.7%)が最も多く、次いで「動画視聴」(179.5分、同15.0%)、「SNS」(163.9分、同13.7%)、「メール・メッセージの送受信」(112.9分、同9.4%)、「ゲーム」(105.2分、同8.8%)、「音楽視聴」(62.8分、同5.2%)、「オンラインショッピング」(62.4分、同5.2%)と続いた。上位7用途で77.1%を占めた。
※16:利用用途(全13項目)
「メール・メッセージの送受信(メール・LINE・スタンプなど)」、「カメラ撮影(写真撮影)」、「動画撮影」、「動画視聴(YouTubeなどのストリーミング視聴)」、「音楽視聴」、「電子書籍・マンガ」、「ゲーム」、「オンラインショッピング」、「SNS」、「インターネット検索・情報収集」、「地図アプリ(Googleマップなど)」、「テザリング(スマートフォンを介した他デジタル機器のネット接続)」、「上記以外の機能・サービス」
※17:「その他」には下記項目が含まれる
「カメラ撮影(写真撮影)」、「動画撮影」、「電子書籍・マンガ」、「地図アプリ(Googleマップなど)」、「テザリング(スマートフォンを介した他デジタル機器のネット接続)」、「上記以外の機能・サービス」 

SNS、音楽配信、動画配信の利用者を対象に、どのサービスを利用するかを質問した※18。SNSでは「X(旧 Twitter)」の利用率が64.1%で最も高かった。次いで「Instagram」62.5%、「Facebook」34.1%となった。音楽配信サービスで最も利用率が高かったのが「YouTube Music」の29.3%で、次いで「Spotify」24.9%、「Apple Music」18.0%となった。動画配信サービス利用者のうち有料サービスでは「Amazonプライムビデオ」の利用率が27.7%で最も高く、「Netflix」13.6%、「YouTube Premium」8.3%の順となった。
※18:利用率上位3項目を抜粋
SNS(全8項目)
「X(旧 Twitter)」、「Threads」、「Facebook」、「Instagram」、「TikTok」、「Pinterest」、「mixi2」、「その他」
音楽配信サービス(全10項目)
「Spotify」、「Apple Music」、「YouTube Music」、「Amazon Music Unlimited」、「Rakuten Music」、「LINE Music」、「AWA」、「auスマートパスプレミアムミュージック(旧 auうたパス)」、「dヒッツ」、「その他」
動画配信サービス(全24項目)
「Amazonプライムビデオ」、「Netflix」、「Hulu」、「YouTube Premium」、「U-NEXT(旧 Paraviを含む)」、「ABEMAプレミアム」、「NHKオンデマンド」、「FODプレミアム」、「TELASA」、「テレ東BIZ」、「Lemino(旧 dTV)」、「Disney+」、「DAZN」、「smash.」、「DMMプレミアム(DMM TV)」、「ベースボールLIVE」、「バスケットLIVE」、「SPOTV NOW」、「J SPORTSオンデマンド」、「楽天TV」、「NBA LEAGUE PASS(BASIC PASS含む)」、「WOWOW」、「その他有料動画配信サービス」、「無料動画配信サービスのみ」

 

新プランとインフレ基調による料金値上げで今後の月額利用料は微増トレンドか

今回調査で月額利用料金は4,117円にまで低下した。前回調査(4,356円)から239円(5.5%)低下、2021年7月調査(4,845円)と比較すると15%低下した。2020年以降、携帯電話の月額料金が低下した要因は、①政府主導の競争促進策(通信事業者に対する値下げ要請など)②NTTドコモのahamoに代表されるオンラインプランの登場や、KDDIのUQモバイル、ソフトバンクのワイモバイルといったサブブランドの拡大③既存キャリアへの対抗軸としての楽天モバイルの台頭――である。月間のモバイルデータ通信量は12.46GB(前回比0.41GB増)に増加、2021年7月(8.72GB)と比較すると42.9%増になった。しかし、中央値は3GBで低容量ユーザーが多い傾向に変化はなく、二極化が加速していることがわかる。

2025年6月にNTTドコモとKDDIが新料金プランを発表した。いずれも実質値上げとなるプランで、KDDIは従来プランも8月から最大330円(税込み)の値上げをすることを発表している。2025年6月の消費者物価指数(2020年=100)※19は前年同月比3.3%上昇の111.7で、「食料品(生鮮食品を除く)」を中心に依然として高い水準で推移している。一方で、「通信」の指数をみると76.1と100未満であり、物価高騰が続く中でも通信事業者は熾烈な値下げ競争を展開してきた。上述した新プランや値上げの動きは、過度な値下げ競争からの脱却を図る動きであることは間違いない。今後の月額料金の推移としては、直近で新プランや料金改定を行っていないソフトバンクと楽天モバイルの動向次第ではあるが、4,000円を下回ることはなく上昇トレンドに向かうと予測する。
※19:消費者物価指数(2020年基準全国2025年6月分)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei08_01000317.html

 

■携帯キャリアのブランド定義
MNO4ブランド:NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイル
 ※楽天モバイル:2022年7月調査以降はMNOのみ。2021年12月以前はMVNOを含む
サブブランド:ワイモバイル(ソフトバンク)、UQモバイル(KDDI)
MVNO:MNO4ブランド及びサブブランド以外 

■利用者アンケートの調査概要
1. 調査対象:15~69歳の男女
2. 回答件数:プレ調査24,177人/本調査1,421人
3. 調査方法:Webアンケート
4. 調査時期:2025年7月

■報道に際しての注意事項
1. 本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。
2. 報道機関が引用する場合は、出典を「MM総研」と明記してください(MMは全角)。数値などは表ではなくグラフ化して掲載してください。
3. 報道機関以外が本プレスリリースの内容を引用・転載する場合は、MM総研による承諾が必要です。
4. MM総研の独自調査結果であり、公的機関の統計や企業の公表数値等と異なることがあります。また、作成時点におけるものであり、今後予告なしに変更されることがあります。
5. 本データを報道以外の以下用途で無断利用することを固く禁じます。
 -プロモーション(広告・販売促進資料・ホームページ掲載・チラシなど外部に発信する資料・データ)
 -セミナー・講演会
 -その他、営業目的・営利目的での使用
6. 調査の詳細、研究員コメント、データ利活用などについては、担当者までお問い合わせ下さい。

■MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀以上にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

本件に関するお問い合わせ先

(株)MM総研

担 当 : 横田、篠崎、村田

所在地 : 105-0011 東京都港区芝公園2-6-3 芝公園フロントタワー

連絡先 : 03-5777-0161

電話をかけるお問い合わせ

おすすめのプレスリリース