通信事業者の機種変更施策とAI機能で3年ぶりの増加に
「2024年(暦年)国内携帯電話端末の出荷台数調査」
2025年02月06日
■2024年の携帯電話出荷台数は2887.0万台(前年比2.7%増)と3年ぶりの増加に
■スマートフォン出荷台数は2789.2万台(同5.7%増)
■5G対応比率は99.5%、AIスマホは31.4%で、5G対応・AI対応が進む
■2025年はApple Intelligenceの日本語対応によりAIスマホがさらに身近に
ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2024年暦年(1~12月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。2024年の総出荷台数は前年比2.7%増の2887.0万台となり、3年ぶりに増加に転じた。通信事業者による既存顧客の流出防止を狙った機種変更施策やAI機能の訴求による需要喚起が市場回復につながった。内訳をみると、スマートフォン出荷台数が2789.2万台、フィーチャーフォンは97.8万台となり、スマートフォン比率は96.6%となった。5Gスマートフォン出荷台数は2776.1万台で、スマートフォン全体の99.5%に拡大した。ミリ波対応スマートフォンは61万台で同じく2.2%となった。減少を続けるフィーチャーフォンは過去最少を更新し、MM総研による暦年出荷統計として初めて100万台を下回った。2025年の携帯電話市場は、①電気通信事業法の省令改正に伴う割引規制の強化や下取り制度などの変更②iPhone SEシリーズ最新モデル(仮)とAppleのAIプラットフォームであるApple Intelligenceの日本語対応③NTTドコモの3Gサービス終了に伴うフィーチャーフォン利用者向けの巻き取り施策――などの影響が注目される。
アップルが13年連続トップシェア
2024年のメーカー別総出荷台数シェア1位はアップルで、2012年から13年連続で1位を獲得した。
以下、2位はシャープ、3位はグーグル、4位はサムスン電子、5位はシャオミ、6位は京セラでと続いた。
スマートフォンに限定した出荷台数シェアをみると、2位はシャープ、3位はグーグル、4位はサムスン電子、5位はシャオミ、6位はFCNTと続いた。2024年はAndroidメーカーの台数増加が目立った。FCNTは2023年に民事再生法の手続きを申請した後、レノボによる出資を受けて再出発し、6位にランクインするまでに復調した。
Apple Intelligenceの日本語対応でAIスマホが更に身近に
2024年のAIスマホ出荷台数比率は31.4%であった。2025年はApple Intelligenceの日本語対応がAIスマホをさらに身近なものとし、新たな利用シーンの広がりや一般ユーザーへの普及が進むだろう。iPhone SEシリーズ最新モデルの発売も想定されることから、2024年は台数・シェアを落としたアップルの巻き返しが注目される。AIスマホや折りたたみスマホなど、新しいテクノロジーを活用した端末の進化は目覚ましく、2025年も買い替え需要は堅調に推移すると予測する。
■携帯電話出荷台数に含まれる端末
① 従来型携帯電話(以下、フィーチャーフォン)
② スマートフォン
・通信事業者別(5分類):1.ドコモ、2.KDDI(au・UQモバイル含む)、3.ソフトバンク(ワイモバイル含む)、4.楽天モバイル、5.オープン(メーカー直販やMVNO・量販店・ECサイトなどを経由して販売されるSIMフリー端末)
③ 総出荷台数(①+②)
■スマートフォンの定義(2025年2月時点)
①以下OSを搭載 (Android、iOS、Windows)
②音声通話が可能 (画面7インチ以上でヘッドセット利用を想定した端末は含まない)
③アプリやソフトウエアなどのカスタマイズが可能
④OS環境として(アプリ)開発仕様が公開されていること
⑤携帯キャリア及びメーカーがスマートフォンと位置づけている製品
※調査時点のため、今後の端末発売状況などに応じて予告なしに変更する可能性があります
■AIスマートフォンの定義 (2025年2月現在)
①端末に搭載される生成AIにより通信を介さずとも音声/画像/映像などのコンテンツを効率的に生成・変換・編集できる
②AI機能を実現するSoC(システム・オン・チップ)を搭載
③メーカーがAI機能を訴求もしくはAIスマートフォンと位置付けている
④発売時点ではAIスマートフォンとしての機能を有していなくても発売後のソフトウエアアップデートにより、AIスマートフォン化する製品を含む(今後のアップデートを含む)
■報道に際しての注意事項
1. 本プレスリリースは、MM総研が実施した市場調査の結果と分析から一部または全部を抜粋したものです。
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■MM総研について
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