2024年度には市場規模500万台突破と予測

2022年度通期 スマートウオッチ市場規模の推移・予測

2023年05月23日

■2022年度の国内スマートウオッチ販売台数は390.3万台(前年度比13.7%増)

■スマートウオッチ市場は成長を続け2026年度には600万台規模に拡大

■アップルがメーカー別シェアで8年連続トップ

概要

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、スマートウオッチの国内販売台数の推移・予測に関する調査を実施し、概要をまとめた。

2022年度通期(2022年4月~2023年3月)の国内販売台数は390.3万台(前年度比13.7%増)で2021年度ほどではないが拡大が続いている。コロナ禍での在宅時間の増加による健康意識の高まりから2021年度に大きな需要が生まれた反動や、円安による物価高や部材費の高騰による端末価格の上昇もあり、成長速度は落ち着いた。MM総研では、市場は2024年度に500万台を突破し、2026年度には600万台規模にまで拡大すると予測する(データ1)

【データ1】スマートウオッチ販売台数の推移・予測

◆首位アップルのシェアは58.3%

メーカー別の台数シェアは、アップルが1位となった(データ2)。2015年に日本でスマートウオッチが販売されて以来、8年連続トップとなっている。2022年度は「Apple Watch 8シリーズ」に加えて「Apple Watch SE2」のほか、耐久性に優れバッテリー持ち時間も2倍となった「Apple Watch Ultra」を新たにラインアップした。2021年度と比較して販売台数は伸びたものの、端末価格の高騰や2021年度の大幅な需要増による反動が大きく、2021年度よりも販売台数の伸び率は減少し、シェアも3.3ポイント低下した。

2位はファーウェイとなった。ファーウェイは2020年6月のP40シリーズ以来、日本でスマートフォンをリリースできていないが、それに代わる市場としてウェアラブル製品やノートパソコン、タブレットなどに注力している。これまでは販売価格で税込み1万円以下のバンド型スマートウオッチで販売台数を伸ばしてきたが、それに加えて腕時計型で2万~3万円台の端末販売も家電量販店を中心に伸びている。3位は米フィットビット。フィットビットは2021年にグーグル傘下となったが現在も新製品を投入している。グーグルといかに連携していくかが今後のカギとなるだろう。

4位となったシャオミはオンライン販売を中心に販売台数を伸ばしている。特に5,000円以下や9,000円以下の格安スマートバンドが好調だ。5位は米ガーミン。GPS機能に優れており、陸上競技やスイミング、マリンスポーツ、ゴルフ、登山などスポーツ種目に特化した端末で、プロのスポーツ選手からも注目を集めている。ランキング上位のメーカーの中では10万円を超える高価格帯の端末ラインアップが充実している。

今回ランキング外ではあるが、2022年度にPixel Watchを発売したグーグルの存在感が増している。前出のアップルやガーミン、フィットビット、今回ランク外のソニーの「wena3」と同様にキャッシュレス決済の「Suica」にも対応している(Google Pay経由)。またワークアウトやヘルスケア機能に優れているフィットビット由来の機能も搭載されている。スマートフォンと連携せずに単体で通信ができる4G/LTEモデルもラインアップされている。

これまでメーカー別では、携帯電話の市場以上にアップル一強状態が続いていたが、他メーカーが盛り返してきている。2022年度はAndroidユーザーの増加を目的にスマートフォン市場に注力するグーグルが10月にスマートウオッチ市場に「Pixel Watch」を投入したことも市場の活性化につながった。またバンド型に強い中国のファーウェイやシャオミは比較的安価な製品を次々に投入することでシェアを徐々に高めている。

市場は2021年度をピークに徐々に成長スピードが落ちていくと予想しているが、少なくとも今後5年は引き続き成長するとみている。ヘルスケアを中心とした最新機能の搭載や、従業員の健康管理、ジムや福祉施設利用者への貸出を目的とした法人向け販売が増加すればさらなる市場拡大が期待できる。

【データ2】2022年度通期 メーカー別スマートウオッチ販売台数・シェア

■スマートウォッチの定義――以下全てを満たす

①スマートフォン、タブレット端末、PCのいずれかと連携可能な端末
②腕に身に着けて利用する時計型、またはバンド型(トラッカー)の端末
③活動量計測機能(ライフログ)を有する端末
※活動量計測機能:歩数、歩行距離、消費カロリー、心拍、睡眠など、いずれかの機能

有料レポートについて

市場規模のほか、ウェブアンケートの結果分析として端末の平均購入金額や購入場所、購入時の重視ポイントなどを有料のマルチクライアントレポートとしてまとめています。詳細については以下のお問い合わせ先よりご連絡ください。


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株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀近くにわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

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