円安・物価上昇により携帯出荷は減少基調に

「2022年度上期 国内携帯電話端末の出荷台数調査」

2022年11月14日

  • 22年度上期の携帯電話出荷台数は1475.3万台(前年度同期比8.5%減)
  • スマートフォンは1395.1万台(5.2%減)、5G対応比率は96.5%(1346.3万台)
  • 通期出荷は過去最低の3041万台、うちスマートフォンは2888万台(14.7%減)

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2022年度上期(2022年4月~9月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。

2022年度上期の総出荷台数は前年度上期を下回り1475.3万台(前年度同期比8.5%減)で、2000年度以降の上期出荷統計としては3番目に少ない台数となった。内訳をみると、スマートフォンが1395.1万台(5.2%減)、フィーチャーフォンは80.2万台(42.3%減)となった。5Gスマートフォンは1346.3万台(73.8%増)、スマートフォン出荷に占める5G対応比率は2021年度上期(52.6%)から96.5%にまで一気に拡大した。フィーチャーフォンはauの3Gサービスが2022年3月末に終了したため、前年度の4G対応フィーチャーフォンへの買い替え特需がなくなった影響で減少傾向に拍車がかかり過去最低を更新した。

予測では、2022年度通期の総出荷台数は3041万台(17%減)で、そのうちスマートフォン出荷台数は2888台と前年度比14.7%減となる見込みだ。市場活性化への貢献が期待される5Gスマートフォンの出荷台数は2022年度通期で2808万台(5G比率97.2%)と予測する。

アップルが11期連続で1位を獲得

2022年度上期のメーカー別スマートフォン出荷台数シェア1位はアップルで、シェア43.5%(1.5ポイント減)となった。2022年9月に発表された最新のiPhone 14シリーズは全4モデル。うち、iPhone 14/Pro/Pro Maxが9月に発売された。アップルは日本市場での販売価格を7月に値上げしている。円安による価格調整とみられるが、9月に発売されたiPhone 14シリーズは値上げ後のiPhone 13シリーズを更に上回る価格設定となった。上期出荷台数が減少した要因は2021年度の過熱したiPhone値引き販売の反動であり、値上げの影響は小さいと分析。値上げによるユーザーの反応は下期になると想定され、人気のiPhoneがどのように評価されていくかが興味深い。

2022年度上期 メーカー別スマートフォン出荷台数シェア

以下、2位シャープ、3位ソニー、4位FCNTで、5位サムスン電子の順となった。上位5メーカーで約86を占める。シャープはAQUOS wishシリーズ、ソニーはXperia AceⅢ、FCNTはarrows Weといった低価格モデルの出荷台数がけん引した。

2022年度通期の総出荷台数は2000年度以降で過去最少の見通し

2022年度通期の総出荷台数は3041万台(前年度比17%減)で2000年度以降の通期出荷台数としては過去最少になると予測する。2023年度以降も3000万台前後で推移とV字回復は見込めない。

2022年度通期のスマートフォン出荷台数は2888万台(14.7%減)と予測する。前回予測時(2022年5月)の3247万台からの大幅な下方修正となる。その要因としては、上期スマートフォン出荷台数が販売状況に反して減少しておらず携帯キャリアの在庫が増加していること、円安や物価上昇の影響で携帯電話サービスへの支出を抑える傾向が顕著になると予測するためである。

平均賃金に対してシェアが高いiPhoneも物価上昇による減少リスクが懸念される

円安・物価上昇の影響はiPhoneの値上げや販売状況といった結果に出始めているが、公共料金や生活必需品の価格上昇に伴い、家計における通信費を見直す世帯は今後ますます増加するだろう。サブブランドやMVNOの普及に加え楽天の参入もあり料金プランを見直したユーザーは多いが、今後は更に端末価格や購入頻度を見直すユーザーが増えるだろう。

MM総研が10月に発表した世界各国の平均賃金に占めるiPhone直販価格を示した“iPhone指数”をみると、日本は2.06%でiPhoneシェアが40%以上の国の中でも高い(補足1)。高価格帯に属する最新iPhoneの販売動向において、物価上昇がどう影響するかが注目される。

変化の可能性としては①iPhone SEシリーズや値下げした旧モデルの人気上昇、②Androidスマートフォンへの乗り換え、③中古iPhoneの選択があげられる。Androidユーザーを含め総じていえることは、買い替えサイクルの長期化は更に進むことだ。中古端末にも注目が集まっているが、補償/修理/保険サービスの需要が拡大することも予測される。特に携帯電話事業者やメーカー以外が提供する手頃な修理・保険サービスにはポテンシャルがあるだろう。新品端末を数多く出荷したいメーカーにとっては、厳しい局面を迎えている。


■携帯電話出荷台数に含まれる端末
① 従来型携帯電話(以下、フィーチャーフォン。Android OSの二つ折り端末を含む)
② スマートフォン
 ・通信事業者別(5分類):1.ドコモ、2.KDDI(au・UQモバイル含む)、3.ソフトバンク(ワイモバイル含む)、4.楽天モバイル、5.オープン(メーカー直販やMVNO・量販店・ECサイトなどを経由して販売されるSIMフリー端末)
③ 総出荷台数(①+②)


■スマートフォンの定義 以下を条件としてMM総研による分類
①以下OSを搭載 (Android、iOS、Windows)
②音声通話が可能 (画面7インチ以上でヘッドセット利用を想定した端末は含まない)
③アプリやソフトウェア等のカスタマイズが可能
④OS環境として(アプリ)開発仕様が公開されていること
⑤キャリア及びメーカーがスマートフォンと位置づけている製品
※調査時点のため、今後の端末発売状況等に応じて予告なしに変更する可能性があります


補足1:世界のiPhone販売価格調査(2022年9月)
https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=558


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