5G利用者の7割が4Gとの違いを意識できず

5Gスマートフォンの利用用途・サービス調査(2022年7月時点)

2022年09月27日

■5Gで最も利用されているサービスは「動画のダウンロード、ストリーミング再生」
■月間モバイル通信量は5G利用者が12.3GB、4Gスマホ利用者が8.4GB
■5G利用者の7割が「5Gを意識して利用したサービスはない」と回答
■5Gを活用した動画視聴では4G利用者の期待(利用意向)と5G利用者の利用実態に大きな差

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は9月27日、携帯電話利用者(40,021人)に対しアンケート調査を実施し、5Gスマートフォンの利用用途・サービスについてまとめた。調査結果では、5G利用者の69%が、「特に意識して利用したサービスや機能はない」と回答。多くの5Gスマートフォン利用者が、実際に利用する中で5Gと4Gとの間に大きな違いを体感できていない実態が明らかとなった。

スマートフォン利用者が週1回以上利用するサービスとして最も多く利用しているのが「動画のダウンロード、ストリーミング再生」などの動画視聴であることが今回の調査で判明した。しかし、5Gスマートフォン利用者で「5G通信を意識して利用している」は41.7%で、4Gスマートフォン利用者の「5G通信で利用したい」との55.6%を13.9ポイント下回った。動画コンテンツが5Gの高速大容量通信によって今よりも快適に利用できるようになるとの期待がある一方で、実際の利用実態はその期待とは大きくかけ離れている結果となった。

※本調査では以下の定義に沿ってアンケート結果を分析した。
「5Gスマートフォン利用者」:5G通信プランを契約し、5G対応スマートフォンを利用しているユーザー
「4Gスマートフォン利用者(3G含む)」:5G対応の通信プランや端末を利用していないスマートフォンユーザー

5G利用に伴いサービス利用が積極化

スマートフォン利用者にスマートフォンで週1回以上利用するサービスについて聞いた結果、5Gスマートフォン利用者では「動画のダウンロード、ストリーミング再生」が47.6%で最多となった。次いで「アプリのダウンロード」が34.0%、「音楽のダウンロード、ストリーミング再生」が26.2%、「オンラインゲーム」が24.4%、「電子書籍の閲覧・読書」が21.7%で続いている。

スマートフォンで週1回以上利用するサービス(複数回答)

4Gスマートフォン利用者でも「動画のダウンロード、ストリーミング再生」が39.6%で最多となった。次いで「アプリのダウンロード」が30.6%、「オンラインゲーム」が20.3%、「音楽のダウンロード、ストリーミング再生」が18.5%、「電子書籍の閲覧・読書」が17.2%で続いている。動画のダウンロード、ストリーミング再生は5Gスマートフォン利用者の方が8ポイント高く、最も差があった。次いで音楽のダウンロード、ストリーミング再生も5Gスマートフォン利用者の方が7.7ポイント高い結果となった。 

5Gスマートフォン利用者は4Gスマートフォン利用者よりも月間で利用するモバイルデータ通信量が3.9GB多く、5Gスマートフォン利用者の方がスマートフォンを積極的に活用してデータやサービスを利用していることがわかった。

スマートフォンの月間モバイルデータ通信量(GB)

5Gへの期待と実際の利用実態に大きな差が生まれる

5Gスマートフォン利用者に対し、週1回以上利用するサービスの中で、5G通信を意識して利用したサービスについて聞いたところ、「特に意識して利用したサービスや機能はない」が69.0%という結果となった。一方、4Gスマートフォン利用者に対し、5G通信で利用したいサービスについて聞いた結果、「特に利用したいサービスや機能はない」が48.8%と最多となった。

5G通信を意識して利用した経験があるサービス(複数回答)

スマートフォンで利用するサービスについて、5Gスマートフォン利用者に対しては5G通信を意識して利用した経験を、4Gスマートフォン利用者に対しては5G通信を活用したサービスの今後の利用意向について確認した。なお、両者とも「特に意識して利用したサービスや機能はない」と回答したユーザーは除いている。

その結果、5Gスマートフォン利用者では「動画のダウンロード、ストリーミング再生」が41.7%で最多となった。次いで「アプリのダウンロード」が26.4%、「音楽のダウンロード、ストリーミング再生」が25.1%と続く。4Gスマートフォン利用者では「動画のダウンロード、ストリーミング再生」が55.6%で最多となった。次いで「音楽のダウンロード、ストリーミング再生」が29.0%、「アプリのダウンロード」が26.0%で続いている。

5G利用者のサービス利用経験と4G利用者の5Gでのサービス利用意向(複数回答)

「動画のダウンロード、ストリーミング再生」が両者ともに最も高いことがわかったが、5Gスマートフォン利用者の「5G通信を意識して利用している」割合は、4Gスマートフォン利用者の「5G通信で利用したい」割合を13.9ポイント下回っている。動画コンテンツが5Gの高速大容量通信によって今よりも快適に利用できるようになるとの期待がある一方で、利用実態はその期待とは大きくかけ離れている結果となった。

4Gスマートフォン利用者が5Gを活用してサービスを利用してみたいと思う一方で、5Gスマートフォン利用者は4Gスマートフォン利用者よりもデータ通信サービスを利用しているものの、実際に利用する中で5Gと4Gとの間に大きな違いを体感できていないようだ。動画コンテンツのほかに5Gを活用したキラーコンテンツを発掘できていないことも原因のひとつと考えられる。ユーザーの積極的な5G利用を進めていくには、4Gまでとの違いがより明確にわかりやすい形での訴求が求められる。メタバースなど5Gを利用することでより魅力的なものとなる新たなコンテンツやサービスの開発と普及が不可欠となるだろう。


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