巣ごもり需要と教育市場がけん引 上期出荷は461万台で上期として過去最高
2020年度上期タブレット端末出荷台数調査
2020年12月09日
■巣ごもり需要とGIGAスクール特需で上期出荷は461万台(前年度同期比23.9%増)
■AppleのiPadが244.2万台(シェア53%)で半期別として過去最高シェアを獲得
■2020年度通期も過去最高の990万台(前年度比40%増)と予測
ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2020年度上期(2020年4月~9月)の国内タブレット端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。2020年度上期の出荷台数は前年度同期比23.9%増の461万台となった。日本でタブレット端末が発売された2010年度以降の上期出荷統計において2017年度上期(452万台)を上回り過去最高となった。
出荷台数増の要因としては①新型コロナで在宅時間が増えたことに伴う巣ごもり需要の拡大、②GIGAスクール構想による小中学校向けのタブレット需要の急増にあると分析する。家庭では長引く巣ごもり生活の中で、動画視聴や学習用途として大画面タブレットの需要が高まった。GIGAスクール向けではiPadとWindowsタブレットがその恩恵を受け、半期別出荷台数としてそれぞれ過去最高を記録している。
2020年度通期は前年度比40%増の990万台と、年度ベースでも過去最高の出荷台数となる見込みである。巣ごもり需要の継続に加え、下期にかけて本格化するGIGAスクール向け出荷が市場をけん引するだろう。
上期出荷台数は2010年度よりAppleが1位を継続
2020年度上期のメーカー別出荷台数シェア1位はAppleで、上期実績として11年連続で1位を獲得した。出荷台数244.2万台(前年度同期比27.0%増)でシェア53.0%を獲得。前年度上期に続き、2年連続でシェア50%超となった。セルラーiPadは前年並に留まったが、Wi-Fi iPadが1.6倍となった。
2位はNECレノボグループ、3位はMicrosoft、4位はHuawei、5位はDynabook、6位は富士通の順となり、上位6社で約9割を占める結果となった。6位の富士通には富士通クライアントコンピューティング株式会社および富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社の出荷端末を含む。
2020年度通期は過去最高の990万台、GIGA特需は22年度まで続く見通し
MM総研では2020年度通期のタブレット出荷台数を前年度比40%増の990万台と見込む。GIGAスクールによる特需は今年度がピークとなるも、2021年度にも一定規模の需要が期待される。現在のGIGAスクールは小中学校教育がターゲットであるが、2022年度には高等学校教育への適用拡大も予測される。コンシューマ市場では減少トレンドにある携帯キャリアのAndroidタブレットの販売戦略と5G対応端末の動向が注目される。
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