GIGAスクールと在宅需要でパソコン出荷が好調

「2020年度上半期国内パソコン出荷台数調査」

2020年11月25日

■2020年度上半期の出荷台数は786.8万台と過去最大規模

■GIGAスクール需要でNECレノボがシェアを拡大

■個人向け出荷が1%増で2上半期連続の増加

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、「2020年度上半期国内パソコン出荷台数」を調査し概要をまとめた。2020年度上半期の国内パソコン出荷台数は786.8万台(前年度同期比0.1%減)と、1995年の調査開始以来最高だった昨年度同期並みの高水準となった。出荷シェアは、首位のNECレノボが34.3%と8ポイント拡大した。小中学生1人1台端末を目指すGIGAスクール需要向けにChromebookの出荷台数が大きく伸びたことがシェア拡大を後押しした(データ1)。また、新型コロナウイルスの流行で在宅勤務や在宅学習が広がったことを受け、個人向け出荷が19.1%増と2上半期連続で増加した。個人向け出荷台数の2上半期連続増加は2011年度上半期以来である。

 

【データ1】2020年度上半期国内パソコン出荷実績

個人向け出荷が2上半期連続の増加

個人向け出荷は、新型コロナ流行による在宅勤務や在宅学習の増加が需要増につながった。出荷台数は前年度比19.1%増の244.6万台と2上半期連続の増加。NECレノボ、DELLがシェアを拡大した(データ2)。ノートブック、オンラインストアが好調で、2社はこれらで販売を伸ばした。アップルは直営店の一時閉鎖などの影響でシェアを落とした。 

【データ2】個人向け出荷台数


GIGAスクール需要が法人市場を下支え

法人市場は、Windows10の更新需要の一巡で大幅な減少が見込まれていたが、教育市場でのGIGAスクール需要が下支えとなり、前年度同期比6.8%減にとどまる542.2万台となった。GIGAスクール向け端末市場は実質的に、Windowsタブレット(Microsoft)、iPad(Apple)、Chromebook(Google)の競争となっている。パソコン統計には主にChromebookが含まれており、Chromebookの出荷が好調だったNECレノボが大きくシェアを伸ばした。「クラウド活用優先」「キーボード付き」でGIGAスクール予算基準である1台45,000円に収まるという点が、教育現場から評価されたと見られる。

2020年度下半期は出荷増、通期では5.7%増の1616.8万台と予測

2020年度下半期もパソコン販売の好調は続き、出荷台数は前年度同期比で増加となる見通しだ。個人の在宅需要は9月を境に減速気味だが、GIGAスクール需要向けの出荷は2020年度下半期にピークを迎えることがプラス要因となる。下半期のパソコン出荷台数は前年度同期比11.7%増の830万台、通期では前年度比5.7%の1616.8万台と予測する

 


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