Google Chrome OSが評価項目の7割でトップを獲得

「GIGAスクール端末の選定における3OS評価と活用課題の調査」

2020年11月12日

■ Google Chrome OSは自治体による3OS比較で21評価項目中14項目でトップ

■ Microsoft Windowsは既存データとの連携、iPadOSは教育アプリとの連携で最高評価

■ 8割超の自治体が教育サポート、授業活用支援、家庭学習などを課題にあげる

概要

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称 MMRI、東京都港区、関口和一所長)は、2020年9月16日から10月9日にかけて「GIGAスクール端末の選定における3OS評価と活用課題の調査」を実施し、その結果をまとめた。調査対象は小中学生の児童・生徒数が1万人以上の全国213の自治体で、電話ヒアリングなどを通じ126の回答を得た。調査では、端末選定において文部科学省が標準仕様書に記載した3OS(Microsoft Windows、Google Chrome OS、iPadOS)の相対評価と端末選定後の課題について尋ねた。各自治体の3OS評価を集計するとGoogle Chrome OSが21の評価項目のうち約7割にあたる14項目で最も高い評価を獲得した(データ1、2)。あわせて「1人1台環境」を活かす上での課題に関して11の項目を設定して質問したところ、5つの項目で8割超の自治体で課題があると回答した(データ3)

 

MM総研執行役員研究部長の中村成希は「3OSの評価結果は、各自治体の現状の活用度や習熟状況に合わせ端末を検討した結果と考えられる。Chrome OSはクラウドを活用した運用管理の負担軽減への貢献などが自治体から高い評価を得た。ただし、自治体はOSを問わず教員への活用支援など多くの課題を抱えていることも明らかとなった。今後の活用こそが重要であり、政府やIT事業者は、課題感に沿って自治体と学校を引き続き強力に支援する必要がある」とコメントしている。

 

詳細

◆Google Chrome OSはセキュリティ、運用管理に関わる評価が高い

調査では21の評価項目を設定し、各自治体が端末の選定過程で評価対象としたOSの評価を集計した。各評価項目の満点は50点で、「非常に良い」(50点)から「大変悪い」(10点)までの5段階評価としている。調査対象の213自治体の内、回答を得られたのは126自治体。そのうち、すべての評価項目に回答した75自治体の平均点を項目ごとの点数とした(データ2)

 

Google Chrome OSは「セキュリティアップデート」、「運用コストへの配慮」、「データ漏えいリスク対策」、「端末初期設定」、「アカウント管理」などのセキュリティ、運用管理にかかわる評価を中心に14の項目で最高点を獲得した。Microsoft Windowsは「既存データ資産との連携」、大型モニタやプリンタなどとの「物理的な接続環境への対応」など4項目で最も高い結果となった。iPadOSは「教育アプリケーションとの連携」、「授業中の利用における利便性」、「ユーザービリティとアクセシビリティ」の3項目で最も高い評価を集めた(データ2)

※各評価項目のトップ評価を色付け、40点以上を太字で記載

 

◆8割超の自治体が今後の授業活用や教員サポート、家庭学習などを課題にあげる

次に1人1台端末環境を活用する上での課題として11項目をあげたうえで、端末利活用での課題意識を尋ねた。その結果、教員の端末活用をサポートする「ICT活用サポートの充実」から学びの個別最適化をめざす「ICT活用の発展」の5項目で、8割以上の自治体が「課題に感じる」「やや課題に感じる」と回答した(データ3)。課題に対して施策の立案状況を尋ねると、教員のサポート(ICT活用サポートの充実)、授業でのICT活用を除いた項目で対策を準備している自治体が6割を下回り(データ4)、予算計画では多くの項目で5割を切る結果となった(データ5)。GIGAスクール構想ではGIGAスクールサポーターやICT支援員制度の拡充など人的な活用支援策もあり、またOSメーカーも個別に現場の活用支援策を強化している。

 

■調査概要

1.調査対象:全国の政令市、中核市、小中学生の人口1万人以上の自治体の教育委員会(213件)

2.回答件数:126件

3.調査方法:電話による聞き取り、一部e-mailによる調査票の送付・回収を併用

4.調査時期:2020年9月16日~10月9日

5.回答自治体126の教員数、小中学生、学校数

 

 

■報道に際しての注意事項

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■MM総研について

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