ブロードバンド市場は新たな局面へ

―ブロードバンド回線事業者の加入件数調査 (10年3月末時点)―

2010年05月27日

■ NTTは会員制プログラムで解約抑制への取組みを強化
■ 付加価値サービスでIPTVの存在感増す
■ So-netのUSEN・ISP事業買収による顧客基盤拡大

FTTH加入件数 1,785万件(10年3月末時点) 282万件の増加(09年3月末比)
ADSL加入件数  970万件(10年3月末時点) 153万件の減少(09年3月末比)

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は5月27日、10年3月末時点でのブロードバンド回線事業者の加入件数を調査し、結果をまとめた。FTTH(光接続サービス)の契約数は1,785万件となり、09年3月末時点より282万件の増加となった。
 一方、ADSLに関しては970万件と、09年3月末より152万8,000件減少し、08年度同期間並みの減少となった。
 
 回線事業者のシェアを見ると、FTTH市場では、NTT東西合計でのシェアが09年3月末の74.1%から10年3月末で74.2%となり、0.1ポイントの微増という状況。純増件数では、NTT東西合計で09年3月末から10年3月末までで211万7,000件増加した。
 KDDIグループは、10年3月末で151万3,000件となり、シェアは09年3月末の7.3%から10年3月末で8.5%と1.2ポイント拡大。
 また、ケイ・オプティコムは10年3月末で100万5,000件となり、08年度の同期間と同じ水準で加入件数を伸ばす結果となった。

 一方、ADSL市場では、ソフトバンクBBがトップを維持するが、09年3月末から53万件の大幅減となった。イー・アクセスはアッカ・ネットワークスを09年6月に吸収合併し、10年3月末で2位となっている。

~ISP事業者の接続回線別の動向~

■So-netがUSENのISP事業を買収、ケイ・オプティコムが100万件突破

 ISP接続事業者では、FTTHでOCNが10年3月末で加入件数540万件超となった。引き続きトップシェアを維持したものの、09年3月末からシェアのポイントをわずかに下げた。
 BIGLOBE は、09年3月末から24万9,000件の純増となり2位を維持。ぷららは、09年3月末から24万件の純増。@niftyは、09年3月末から11万件の純増。So-netは、10年3月末で@niftyとほぼ同じ件数となり、09年3月末から40万件の大幅な純増となった。ケイ・オプティコムのeoは 10年3月末で100万件の大台に乗った。

 一方、ADSL市場では、Yahoo! BBが、10年3月末時点で約377万件となり、2位のOCN以下のISPがすべてシェアを落としているのに対して、Yahoo! BBはシェアをあげる結果となった。

~今後の動向~

■ブロードバンド契約者数のうちFTTHが56%

 10年3月末時点のブロードバンド契約者数は3,190万件となり、回線種別ではADSLが970万件、FTTHが1,785万件、CATVが435万件となった。ブロードバンド契約者数を回線種別比率でみると、ADSLが30.4%、FTTHが56.0%、CATVが13.6%となり、FTTH契約者数が固定系ブロードバンド回線では主役として存在感を増している。FTTH市場全体は11年3月末に2,080万件程度の普及が見込まれ、12年3月末に2,350万件、13年3月末には2,600万件に拡大すると予想される。

 ADSLは10年3月末時点で970万件だが、今後は11年3月末に820万件、12年3月末に690万件、13年3月末には570万件にまで減少すると予想される。

 CATVインターネットは10年3月末で435万件と、09年3月末の414万件から21万件程度増加した。11年3月末に455万件、12年3月末に475万件、13年3月末には495万件と堅調に推移するものと予想する。

 ブロードバンドサービス全体では、ADSLからFTTHへの移行もしだいに緩やかになるものと見られるが、10年3月末から11年3月末までで165万件増加の3,355万件、12年3月末3,515万、13年3月末で3,665万件と契約数は伸びるものと予想される。


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