2011年 国内PCサーバー出荷概況
2012年02月29日
■出荷台数は0.8%減の52万4,734台
■出荷金額は3.3%増の2,010億円 2年連続の増加
■2012年は台数増加の見通し、企業の事業継続対策需要が増加
MM総研は、2011年(1~12月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。それによると、国内PCサーバー出荷台数は、前年比0.8%減の52万4,734台となった。
■出荷台数は0.8%減の52万4,734台。夏に急回復も10-12月期にスローダウン
国内PCサーバー市場は、上半期(1~6月)に前年比2.4%減、下半期(7~12月)は0.7%増となり、通期で0.8%減の52万4,734台となった。上半期は、1-3月期に東日本大震災が発生して出荷台数の大幅な減少(12.3%減)となったことが影響した。その後4-6月期(11.2%増)、7-9月期(2%増)と企業の事業継続対策等に伴うサーバー増設ニーズ等で出荷台数は回復基調となったが、10-12月期(0.6%減)は、タイの洪水によるHDD供給量不足から、出荷数量が伸び悩んだ。
2012年1-3月期は、HDDの供給不足が一部で続いているものの、企業の事業継続対策が本格化すること、またスマートフォンの急速な普及により通信事業者やSNS事業者などのサービスプロバイダーのサーバー需要が引き続き活発なことから、通年では出荷台数で4.4%増の54万8,000台を見込む。金額でも引き続きサーバー集約のニーズに加えて、省電力対策や耐障害性対策などの需要が高まることから約4%増の2,100億円を見込む。
■メーカーシェアの動向
メーカーシェア順位は、上位5社に変動はなかった。首位のNECが24.9%、 2位の日本ヒューレットパッカードが22.9%、3位の富士通が20.3%と市場シェアは横ばいとなった。
日本市場では、2011年は、特に東日本大震災を経験したことによるシステム・データ保護の観点での意識変化と急速なスマートフォン普及によるインターネットへのアクセス端末数、トラフィックの増加がサーバーニーズにも影響を与えている。これに伴い12年はサーバー製品に対してこれまでの価格対処理性能比や高密度実装(省スペース)だけでなく省電力、耐障害性、運用・監視の自動化といった要素での機能強化が期待される。
■2012年の見通し
~市場規模は4.4%増の54.8万台を予測
2012年のサーバー市場は、特殊要因の反動に加え、企業の事業継続対策投資等が見込まれ、出荷台数は4.4%増の54.8万台と堅調な伸びとなると予測する。PCサーバー市場全体に占める仮想化用途向けサーバーの出荷台数は上昇を続けると予測され、2011年は推計で約10.1万台が仮想化用途として出荷されたが、2012年は、市場出荷数の約20%に相当する11万台を超えると予測している。
また、サーバーメーカーには、コストパフォーマンスだけでなく、サーバーニーズの変化を前提とした中長期的な製品・技術開発ロードマップの提示が求められる。

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