映像配信サービスAWARD2012実施と審査結果のお知らせ

2012年04月02日

■最優秀賞は2年連続でNTTぷららの「ひかりTV」。総合格付け「AAA」獲得。
■映像配信事業者の今後の課題として「コンテンツ作成や調達力の強化」、「コンテンツのロングテール化」、「既存の商習慣や法制度を超えた新たなビジネスモデルの構築」の三点が挙げられる。

■総合格付けAAAを獲得した「ひかりTV」が最優秀賞
MM総研(東京都港区、所長 中島 洋)は、この度「映像配信サービスAWARD2012」 (有識者会議)の最終審査を終え、最優秀賞を決定しましたのでお知らせ致します。「映像配信サービスAWARD2012」は、注目が高まる映像配信サービスの市場発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2011年に新設した表彰制度で今回が第2回目となります。

「映像配信サービスAWARD2012」では、コンシューマ向けに固定/モバイルのブロードバンド回線や同軸ケーブルを通じて多チャンネルやVODサービスの提供を行っている10事業者を対象に※、先進性、将来性、市場性、コアバリュー、顧客志向性(サービス)、顧客志向性(機能)、顧客満足度(CS)の7項目においてAAA、AA、A、B、Cの5段階からなる格付け調査を実施。最終的にこれらサービスの中から有識者審査会議による総合格付けを行い、最も総合格付けの高い映像配信サービスを「映像配信サービスAWARD2012最優秀賞」として表彰します。

※対象10事業者は以下の通り
NTTぷらら「ひかりTV」、KDDI「auひかり ビデオ・チャンネル」、ジュピターテレコム「J:COM」、ジャパンケーブルネット「JCNテレビ」、U-NEXT「U-NEXT」、スカパーJSAT「スカパー!(HD、e2、光)」、ケイ・オプティコム「eo光テレビ」、アクトビラ「アクトビラ」、Apple Japan「Apple TV」、Hulu「Hulu」

有識者審査会議は安田 浩 東京大学名誉教授をはじめとする有識者の厳正な審査のもと行われ、「最優秀賞」は総合格付けがAAAとなったNTTぷららの『ひかりTV』に決定致しました。「ひかりTV」は二年連続の最優秀賞受賞となります。

最優秀賞の「ひかりTV」は評価対象7項目全てにおいてAA~Aの高い評価を獲得。特に全事業者中唯一のAA評価となった「先進性」では、スマートフォンをはじめとしたマルチデバイス化対応や、SNSとの連携において野球中継など一部コンテンツでパソコンや携帯電話、スマートフォンなどからツイートしたコメントが「ひかりTV」の画面上に表示されるといった取り組みが高く評価されました。

各項目別の格付け結果は下記の通りとなります。
「1.先進性」
マルチデバイス化やSNS連携など、新しい技術を積極的にサービス展開しているNTTぷららがAAで最も高い格付けとなりました。

「2.将来性」
サービスの基盤となる伝送路が広く、新規サービスの展開力もスピーディーなApple JapanがAAAで最も高い格付けとなりました。

「3.市場性」
現在の売上規模、会員規模が大きいNTTぷらら、ジュピターテレコム、スカパーJSATがAAで最も高い格付けとなりました。

以下項目の格付けについては表3をご参照下さい。

■自主コンテンツや、コンテンツ調達力強化などコンテンツの提供力が求められる
2011年9月にはHuluがサービスを開始し、2012年4月からはmmbiによるスマートフォン向け放送局「NOTTV」が開局するなど国内外から様々な映像配信事業者が出現する中、有識者会議では以下の点が映像配信サービス市場の発展の鍵を握ると考えています。

(1)コンテンツ提供力の強化
コンテンツを配信するプラットフォームとしての事業のみではビジネスに限りがあることと、高い収益性が期待できないため映像配信事業者は自社コンテンツを積極的に作っていく、もしくは多彩なコンテンツをコンテンツ事業者より調達していく力が求められる。事業者の宣伝文句に多く見られるような映画○○タイトル、だけでは何ができるのかが伝わらない。この事業者でないと見ることのできないコンテンツがある事業者の優位性は今後ますます強まっていくだろう。

(2)常にコンテンツを見られる状態に・・・コンテンツのロングテール化
一部映像配信事業者では、容量上の都合からかある番組を一定期間のみ視聴可能にして、その後取り下げてしまうケースも見られる。現在はSNSをはじめとしたレコメンド機能も強化され、いつ何がきっかけでブームが起きるのか予測ができない状態にある。事業者は常にコンテンツを視聴可能な状態にしておくことが望まれる。

(3)制度面の縛りを超えた抜本的なビジネスモデルの改革
情報社会の基本であるワンソースマルチユースや出来高払いが著作権や商習慣との兼ね合いから映像配信事業においてはまだ進んでいないのが現状。既存の枠を超えた抜本的なビジネスモデル改革のため、Apple TVやHuluなどの海外勢サービスによる市場活性化に期待していきたい。

これらに対しどのような対策を立てていくかが今後の課題になると考えられます。

 
総合格付け


■映像配信サービスAWARD2012 概要

【参考1】 映像配信サービスAWARD2012の開催趣旨
映像配信サービスの市場発展を促すきっかけとなることを目的に、MM総研が2011年に新設した表彰制度。今回が第2回目となる。優れたサービス、市場に貢献している企業を表彰するもの。

【参考2】 評価基準
映像配信サービスが対象。その対象となるサービス事業全般に対する「先進性」、「将来性」、「市場性」、「コアバリュー」、「顧客志向性(サービス)」、「顧客志向性(機能)」、「顧客満足度(CS)」の7項目を評価基準とします。

【参考3】 評価方法
評価基準の各項目においてAAA、AA、A、B、Cの5段階からなる格付け調査を実施します。各項目の格付け調査を元に有識者審査会議を踏まえ、最終的に各事業者の総合評価を5段階に格付けを行い、最も高い格付けとなったサービスを「映像配信サービスAWARD2012最優秀賞」として表彰します。

【参考4】 有識者

安田 浩 氏 (東京電機大学未来科学部長 教授 / 東京大学名誉教授)

 東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程終了後、NTTにて画像情報通信技術の研究開発を行う。JPEG、MPEG規格標準化の功績により、96年エミー賞受賞。09年に紫綬褒章受賞。画像処理、画像符号化、知的財産保護、映像製作・配信の為の感性工学、インターネットセキュリティなど、幅広い研究分野で活躍。




北村 森 氏 (商品ジャーナリスト / サイバー大学客員教授)

 元日経トレンディ編集長。92年日経ホーム出版社入社。「日経アドレ」「日経トレンディ」などで活躍。ホテルの宿泊チェックなど数多くの商品ランキングに携わる。現在は、商品ジャーナリストとして各種商品の試用評価やヒット商品の分析を手がける。



森 祐治 氏 (電通コンサルティング常務取締役ディレクター/デジタルハリウッド大学大学院専任教授)

 日本電信電話、米国でベンチャー創業、日米マイクロソフトを経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ。その後、コンテンツ投資・プロデュース、国際展開支援を行うシンク代表取締役へ。同社ではアニメコンテンツ投資育成事業「動画革命東京」により経済産業省から 「ハイサービス300」企業認定など高評価を受ける。「動画革命東京」事業終了後、その経験をより幅広い領域で活用し、日本経済活性化と 国際展開の支援を志し電通コンサルティングのディレクターに就任。


MM総研について
株式会社MM総研は、ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社です。日本におけるデジタル産業の健全な発展と市場拡大を支援することを目的として1996年に設立し、四半世紀にわたって経験と実績を重ねてきました。ICT市場の現状と先行きを的確に把握する調査データに加えて、新製品・新サービスを開発するためのコンサルティングサービスも提供しています。

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