2010年 国内PCサーバー出荷概況

2011年03月03日

■出荷台数は6.2%増の52万4,520台 
■出荷金額は5.1%増の1,945億円 仮想化用途で単価下げとまり
■富士通の躍進で、NEC、日本HPを含む3つ巴の争いが激化

 MM総研は、2010年(1~12月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。それによると、国内PCサーバーの出荷台数は、前年比6.2%増の52万4,520台となった。2010年は金融危機後のIT投資停滞から回復に向かった一年であったが、出荷台数の回復は緩やかなものに留まっている。これはサーバーの仮想化技術を活用したサーバーの集約ニーズの影響が大きい。出荷金額は前年比5.1%増の1,945億円、出荷単価は37.1万円と下げ止まりの傾向となっている。サーバー集約を含む仮想化用途の台数が増加しており、ブレードなど高性能・高密度サーバーの出荷構成比が上昇していることが背景にある。

■出荷台数は6.2%増の52万4,520台。ただし下半期に減速

 国内PCサーバー市場は、上半期(1~6月)に前年比14%増の25万9,520台、下半期は0.4%減の26万5,000台となり、通期で6.2%増の52万4,520台。上半期は、回復基調となったが、下半期は、前年の大口物件の反動もあり、マイナス成長となった。業種別の傾向でも、回復はまだら模様である。2009年の民需不調期に市場を下支えしていた官公庁需要も2010年後半に入り低調。地方自治体需要も縮小傾向にある。民需では、通信系、金融系、流通系が需要を牽引したが、製造業は伸び悩む傾向であった。

 2011年は、引き続き緩やかな回復基調が続くと見るが、前述のサーバー集約等やIT投資に対する法人顧客の慎重姿勢が続くことから、出荷台数は微増に留まると見られる。サーバーメーカー各社は、仮想化サーバーの運用管理、インテグレーションなどのサービス、省電力サーバーなど付加価値の追求が収益観点からは重要な一年となるだろう。

■富士通が上位2社を猛追

 メーカーシェア順位は、上位5社に変動はなかったものの、首位NEC、2位の日本ヒューレット・パッカードを3位富士通が猛追している。富士通は、年間で初めてシェア20%を超えた。同社は国内を含む全世界でのPCサーバーの出荷台数拡大を経営戦略の柱の一つとして掲げて拡販に注力しており、日本でも市場全体の成長率を14ポイントほど上回っている。

 首位NEC、2位日本HPは3位富士通との差が縮小したが、アグレッシブな拡販を続ける富士通に対して、2010年は、日本のデータセンター向け特化型サーバー、省電力サーバーやスモールオフィス向けサーバーなどの差異化ラインアップ拡充や仮想化サーバー販売の支援策拡充など、ラインアップの強化、差異化を進めた1年であった。2011年は、市場全体の大きな成長が見込めない中での需要の奪い合いが続くと見られ、3つ巴の争いが激化することとなる。

 ■2011年の見通し
~11年のPCサーバー市場規模は1%増の53万台 
 
 2011年は、2010年に続きサーバー需要は回復トレンドが続くと見られるが、伸び率は鈍化、踊り場となる見通し。ただし、PCサーバー市場全体に占める仮想化用途向けサーバーの出荷台数は上昇を続けると予測される。2011年は、前年比で120%を超えるものと見られる。また大企業やデータセンター事業者は、クラウド対応を本格的に検討開始しており、科学計算、情報通信、金融、電子書籍、映像・エンタテイメント・ゲーム分野などでのサーバー需要拡大が見込まれる。

 わが国産業視点では、いわゆるクラウド化の進展に伴い、データセンターへのサーバー集約が進むこととなるが、サーバーに加え、地代やファシリティ設備費用、電気代等のランニング含めた国内データセンターの国際競争力強化が重要である。加えて、国内データセンターサービスの差異化要素、メリット等を国際的に訴求し、サーバーセンター技術やセンター上で稼動する日本発コンテンツ・サービスの輸出、また広くグローバルユーザーを誘致して国内データセンター市場を活性化していく活動等が必要である。

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