SlackがAmazon Web Service(AWS)と提携
――ビジネスチャット+クラウドでMicrosoftに対抗
2020年06月05日
ビジネスチャットを主体としたコラボレーションツールを提供する米国ベンチャーのSlack Technologies(Slack社)は6月4日、Amazon Web Service(AWS社)と複数年にわたる戦略的提携を結んだと発表した。
【提携内容】
・Slack社は「AWS Key Management Service」を活用して「Slack Enterprise Key Management」を強化
・通話機能である「Slackコール」を「Amazon Chime」に移行
・Slackに「AWS Chatbot」「Amazon AppFlow」を統合
・Slack社は基本的にAWSをベースとした開発・運用(従来からの継続)
・AWS社内でコミュニケーションツールとしてSlackを採用
●通話はAmazon Chimeに移行で品質改善へ
「Slackコール」と呼ばれる音声通話やビデオ通話機能は、導入企業からも品質に不満の声も多かったが、「Amazon Chime」に移行することで改善を狙っていくとみられる。
また、Slackに「AWS Chatbot」「Amazon AppFlow」を統合したことで、AWS運用アクティビティ(監視、システム管理、デプロイワークフローなど)をすべてSlack内で実行できるようになる。運用の効率化も図れるなど、顧客視点でのメリットは大きい。
今回の提携はMicrosoftへの対抗策ともとれる。AWSはMicrosoftのAzure、Slackは同Teamsとそれぞれ競合しているからだ。Slack社の共同創設者兼CEOであるStewart Butterfield氏は「AWSとの戦略的提携により、顧客の要望に合わせたスケーリングが簡単にできるようになり、より質の高いサービスを提供できる」とコメントする。
Slack内でのAWS運用アクティビティ可視化の様子
●国内シェア3位、巻き返しに注目
MM総研が今年4月末~5月初旬にかけて実施した調査では、国内企業におけるビジネスチャット利用率は54%となっており、ここ3年間で大きく導入が進んでいる。Slackは国内シェア12%の3位で、26%の1位 Teamsとは倍以上の開きがある。今回の提携を通じて日本市場でも巻き返しを図れるか、注目があつまる。
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