モバイルインフラ市場とエリクソンの事業動向(2010年 06月号 No.168)
【特集】2G インフラ需要の急減を北米の事業基盤拡大でカバー― モバイルインフラ市場とエリクソンの事業動向
リーマンショックを契機に世界的に拡大した景気後退の波は通信業界にも大きな影響を与えた。世界の主要な大手通信事業者は軒並み設備投資を抑制。これを受け、通信事業者にインフラ機器・サービスを提供するベンダー各社の業績も悪化した。さらに、成長市場として期待されるインド、中国などの新興国市場における受注合戦もより熾烈なものとなっている。昨年2 月にはNortel が経営破綻し、大手ベンダー間の新たな再編も噂されるなど通信機器ベンダーを取り巻く環境は一層厳しさを増している。本稿ではこうした状況の中で、通信事業者向けのインフラ市場で業界No.1 を維持しているエリクソンとモバイルインフラ事業全般の動向を追った。
【データ1】2009 年度国内携帯電話出荷概要― スマートフォン市場の拡大が市場を下支え
MM 総研がまとめた09 年度通期(09 年4 月~ 10 年3 月)の国内携帯電話の総出荷台数は前年比4.0 %減の3,444 万台となり、通期では2 年連続の減少となった(データ1、2)。しかし、今後はスマートフォン市場の更なる拡大やローエンド端末のバリエーション強化による価格重視ユーザー層の買い替え需要喚起が見込まれ、2010 年度を底に市場は回復傾向に向かうものと予測される。
【データ2】2009 年度国内パソコン出荷概況― 新OS やネットブック効果で、個人向けは過去最高の出荷を記録
MM 総研がまとめた09 年度(09 年4 月~ 10 年3 月)の国内パソコン出荷台数は1,390 万8,000 台で、前年度比4.8 %増となった(データ1)。上半期は法人向けがリーマンショックの影響で大きく落ち込んだこともあり、全体として5.6 %減と不調だったが、下半期は新OS Windows7 の発売による買い替え需要の拡大などがあり14.4 %増と大幅に台数が回復。通期でも台数はプラス成長となった。特に、個人向けパソコンの出荷台数は、新OS やネットブック効果もあり、95 年度の統計開始以来過去最高となった。
【トレンド1】日本の違法コピーによる被害額は世界ワースト8 位― 世界と日本における違法コピーの現状
ビジネスソフトウェアアライアンス(Business Software Alliance :以下BSA)は、世界80 ヵ所以上の国や地域で、ビジネスソフトウェアの権利保護活動などを展開する業界組織である。そのBSA が、2009 年における全世界のコンピュータ・ソフトウェアの違法コピーによる被害状況をまとめた「第7 回世界ソフトウェア違法コピー調査」の結果を発表した。
【トレンド2】最新技術で環境対策への期待に応える製品が多数出展― グリーンIT EXPO 2010
第1 回の昨年に引き続き、今年もグリーンITに関する製品、サービスの展示会「グリーンIT EXPO(GRIX)」が5 月12 日~ 14 日の3 日間、東京ビッグサイトで開催された。開催期間中は晴天にも恵まれ、会場は多くの来場者で熱気を帯びていた。多くはビジネスマン風で、新たな環境対応製品の視察や商談に来ている様子であったが、学生風の来場者も多く見られた。環境対策の重要性が増す中、グリーンIT への世間の興味、注目は更に高まっている。
【トレンド3】日本最大のデータ量と簡単な操作性でクチコミ分析をサポート― (株)ホットリンク クチコミ@ 係長
ホットリンクが設立されたのは00 年6 月。サイトユーザーの嗜好に合わせた商品・サービスを自動推薦するSaaS 型レコメンドソリューション「レコナイズ」などを提供している。クチコミ分析ツールである「クチコミ@ 係長」のサービスを開始したのは08 年3 月。それ以前からガーラバズが提供していたクチコミ分析ツール「電通バズリサーチ」に「次世代ブログ情報収集・分析システム技術」の提供を行っていた。現在は「電通バズリサーチ」もホットリンクに譲渡され、電通との共同提供という形になっている。
【トレンド4】電子書籍、子供向けなど多数登場― iPhone 向けアプリ最新動向
MM 総研は、携帯電話の09 年度総出荷台数3,444 万台のうち、約7 %を占める234 万台がスマートフォンであり、中でもiPhone はスマートフォン内シェア72.2 %と発表した。2010 年度、スマートフォン市場は300 万台規模へと拡大する見通しである。スマートフォンの普及が進んでいる背景はいくつかあるが、そのうちの一つに、充実したアプリケーションがある。本稿では最新のiPhone 向けアプリケーションをピックアップして紹介する。
【経営1】「家電量販店メガ再編の行方」セミナーレポート―
紹2010 年4 月、MM総研はリレーション開発研究所と協力し「家電量販店メガ再編の行方」と題したセミナーを開催した。大きな変革期を迎える家電流通業界の動向について、学識経験者やジャーナリストを招聘し、検討を行った。その様子を介する。
【経営2】NTT ぷらら「ひかりTV」の事業戦略を発表― 3D コンテンツやスタートオーバー機能への対応を進める
NTT ぷらら(板東浩二社長)のIPTV サービス「ひかりTV」が好調だ。積極的なCM 展開による認知度の向上に加え、昨年はMM 総研大賞2009「家庭向け映像配信サービス分野」では最優秀賞を獲得するなどブランドの確立に成功、10年 3 月末時点での会員数を101 万会員とし、念願としていた100 万会員を突破した。09 年度の純増会員数は46 万会員で、1 年で約85 %もの会員増を達成した計算だ。4 月23 日(金)に開催された同社の事業説明会から、成長の要因と同サービスの今後の戦略を追った。
【経営3】ユーザーにとって確かな選択肢となるSIM ロック解除が必要― SIM ロック解除の是非(後編)
「SIM ロック解除」の動きが多くのメディアで取り上げられる中、改めて実現へ向けての多くの課題が浮き彫りになってきた。通信方式や周波数などの技術的な問題も大きいが、本来の目的である国内携帯市場の活性化に向けた中長期的な戦略・方針が見えないままに断片的な改革だけが先行している。
【経営4】Market 診断 iPhone に続く、市場拡大のけん引役となれるのか― ドコモ、au の2010 年アンドロイド搭載スマートフォン
09 年度の携帯電話出荷台数は前年比4.0 %減の3,444 万台となり、2 年連続で減少した。一方、09 年度のスマートフォン出荷台数は234 万台と前年より2 倍以上増加しており、停滞ムードの携帯電話市場においてスマートフォンだけが活気にあふれている。09 年のスマートフォン市場を牽引したのはスマートフォン出荷台数シェアで72.2 %を占めたApple 社のiPhone シリーズだったが、今年はNTT ドコモ、ソフトバンク、au の3 大キャリアが既にアンドロイド搭載スマートフォンを発表。このうちドコモ、au のアンドロイドスマートフォンについてレポートする。
【経営5】トピックス― ● 5月の携帯電話店頭情報/スマートフォンの人気続く ● 5 月のパソコン店頭情報/テレビと共にパソコンの「3D 元年」となるか
【IT道標】国民ID への突破口が開かれる―
【IT 業界の深層流】「原口ビジョンⅡ ICT 維新ビジョン2.0」の実現に向けて―
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