情報漏えいがセキュリティリスクの上位に(2013年 11月号 No.209)

【特集1】情報漏えいがセキュリティリスクの上位に― ― 「国内クラウドサービス需要動向続編」から

MM総研は9月、国内クラウドサービス市場を調査した「国内クラウドサービス需要動向(第2弾)」【追加分析調査報告書】をまとめた。8月に発表した「国内クラウドサービスの市場規模・予測と需要動向」の続編となり、第1弾の中から注目すべきテーマを取り上げて深堀した。とりわけクラウドサービスのセキュリティ関連リスクが大きなテーマになっており、具体的な項目について懸念の度合いを尋ねたところ、「運用管理や設定の不備による情報漏えい」「サイバー攻撃による情報漏えいやサーバーダウン」にそれぞれ関心が高いことが明らかになった。
(クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/新志有裕)

【特集2】MAR搭載リユースパソコンを活用した3社の取り組み― ― MARプログラム導入事例②

使用済みのリユースパソコンに、正規のWindows OSをライセンス供与するマイクロソフトの「Microsoft Authorized Refurbisher(MAR)プログラム」。前号に引き続き、今号でもMARプログラム搭載のリユースパソコンを導入している企業3社を紹介する。
(クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/望月雄太)

【データ】12年度末時点の回線契約数は前年同期比61.3%増の1,037万回線― ― 国内MVNO 市場規模の推移・予測を発表

MM総研は国内MVNO(仮想移動体通信事業者)市場を調査し、その推移と予測をまとめた。調査対象期間は09年度から15年度まで。12年に格安SIMの登場で脚光を浴び始めたMVNO市場は、M2Mやバックアップ回線用途など法人領域が市場を牽引した格好だ。12年度末での契約回線数は1,037万回線、市場規模は3,570億円で、15年度には2,392万回線、6,250億円に拡大すると予測する。今後は法人・個人ともに需要が高まり、法人領域ではM2M(機器間通信)分野で引き続き成長し、個人ではSIMが急拡大する。本調査ではMVNOの回線の種別を携帯電話回線とBWA(Broadband Wireless Access)、PHSの3種類に分けた。「携帯電話回線」は3Gと高速通信4Gの回線合算値とし、「BWA」はWiMAX回線と、PHS回線を高速化したAXGPの回線数合算値としてまとめた。事業者シェアでは個人市場に対してSIMを通して回線を提供している事業者をまとめた。同調査と並行して個人2,060人にアンケート調査を実施し、MVNOサービスの認知度や利用方法を調べた。
(クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/細田顕嗣)

【トレンド1】私物端末を業務に利用する企業の取り組み― ― BYOD導入先行2社の事例

私物のスマートフォンやタブレット端末などを職場に持ち込み、業務に活用する「BYOD」(Bring your own
device)の仕組みが徐々に日本企業にも浸透し始めた。BYODを先行して取り入れている2社を紹介する。
(クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/望月雄太)

【トレンド2】製造業でもデータサイエンティストに注目が高まる― ― EMC、13年度内に200人育成へ

「今世紀でもっとも注目されている職業」と称されるデータサイエンティスト。ビッグデータの普及につれて注目度がさらに高まる一方で、現状ではデータサイエンティストを社内に抱えている企業は少数派だ。データサイエンティストの育成事業が徐々に登場してきており、その中でも最も早く教育事業に参入したEMCジャパンの取り組みをレポートする。
(クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/山口泰裕)

【トレンド3】据置型ゲーム機は日本市場で復権できるか― ― 東京ゲームショウ2013

日本最大規模のゲーム展示会「東京ゲームショウ2013」が9月19日から4日間、幕張メッセで開催され、過去最高の270,197人の来場者数を記録した。ここ数年、ゲームショウではソーシャルゲームやスマートフォン向けゲームなど、ゲーム専用機の枠を超えたゲームが注目を浴びていた。今年は2大ハードメーカー(ソニー・コンピュータエンタテインメントと日本マイクロソフト)がともに日本では来年発売予定の据置型ゲーム機をお披露目したことにより、ゲームショウでも久々にゲーム専用機が話題の中心となった。
(クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/鈴木孝幸)

【トレンド4】「ポストiPhone」戦略に動く各キャリア、ネットワーク・サービスでの品質競争へ― ― 3キャリア冬春モデル新商品発表会から

新型iPhoneで3キャリアが出そろった後、初めての新商品発表会が9月末から10月上旬にかけ相次いで開催された。各キャリアとも「ネットワーク」や「サービス」などで他社との違いを訴えた。iPhoneが国内スマートフォン市場を大きく変化させる中で、各社は次の差別化戦略に腐心している。発表会で見えた「次の一手」を紹介する。
(クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/河野安彦、岩本恵太)

【トレンド5】<大手通建会社の調達および協力会社施策①> さまざまな工夫を凝らした協力会社活用により需給変動に対応― ― 協和エクシオ、ミライトの取り組み

過去2号(207号、208号)で大手通信建設2社の人材育成についてリポートした。今号と次号では通建会社にとって事業の要の1つである調達および協力会社施策をリポートする。今号は協和エクシオとミライトを取り上げる。
(ネットワーク研究グループ/上田浩志、クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/山口泰裕)

【MM総研大賞2013受賞記念対談①】広大な土地を利用したスケールメリットで幅広い顧客層を取り込む― ― さくらインターネット 田中邦裕 代表取締役社長に聞く

「MM総研大賞2013」において、〈クラウドソリューション部門データセンター(DC)分野最優秀賞〉を受賞したさくらインターネットの「石狩データセンター」。11年の竣工直後から各方面で多くのユーザーの支持を集め、当初の計画を上回るスピードで契約数を伸ばしている。石狩DC建設の経緯やDC事業戦略について、田中邦裕代表取締役社長に聞いた。
(聞き手:MM総研所長 中島洋)

【MM総研大賞2013受賞記念対談②】「端末と回線のセット販売」「Wi-FiとLTEのシームレスな切り替え」の強みを追求― ― NECビッグローブ 古関義幸代表取締役執行役員社長に聞く

NECビッグローブの「ほぼスマホ」は、Android端末とデータ通信用のSIMカードをセットで販売しているMVNOサービスである。月額2,980円というリーズナブルな価格で、スマートフォンと「ほぼ」同じ機能を使うことができる点が魅力で、「MM総研大賞2013」ではそのコストパフォーマンスの高さが評価され、〈クラウドソリューション部門MVNOサービス分野最優秀賞〉を受賞した。「ほぼスマホ」の特徴や今後のビジョンなどについて、古関義幸代表取締役執行役員社長に話を聞いた。
(聞き手:MM総研所長 中島洋)

【MM総研大賞2013受賞記念対談③】個々のソリューションをプラットフォームとして提供、ビッグデータ活用を支援― ― 日本オラクル 三澤智光専務執行役員テクノロジー製品事業統括本部長に聞く

巨大な既存顧客層を抱えるOracle Database。オープンプラットフォームゆえにサーバー、OS、ストレージ、システム管理ツールなど何千パターンという組合せがあるため、どのように組み合わせたらよいのかユーザー企業は課題を抱えていた。今回受賞した「Oracle Exadata」はよりシンプルな組合せを実現すると同時に、個別構成ではできなかったソフトウエアとハードウエアの最適融合を開発段階で実装することで、より高速に、より高可用性に富んだマシーンを実現した。今回、Exadataを含めたビッグデータ戦略について、三澤智光専務執行役員に聞いた。
(聞き手:MM総研所長 中島洋)

【経営①】<CATV事業者の動向①>― ― CATV 2 位のJCN

CATV業界2位でKDDI系のジャパンケーブルネット(JCN)と同1位のジュピターテレコム(J:COM)が統合すると発表してからほぼ1 年になる。JCN はKDDI とau スマートバリューやSmart TV Boxで連携するなどグループ内での協力関係を強めつつ、J:COMとの統合準備に着手し始めた模様だ。テレビ、インターネット、電話などのライフラインサービスを提供し、重要な社会インフラとして発展してきたCATV業界だけに、JCNの今後に注目が集まっている。
(ネットワーク・ソリューション研究グループ/宇野幸治)

【経営②】<イベントレポート>― ― 第8 回「サムライベンチャーサミット」の来場者1,000人突破

9月28日東京・品川。朝から日本マイクロソフト本社は学園祭さながらの熱気に包まれた。第8回を迎えた「サムライ・ベンチャー・サミット」(SVS)。大手企業の間でベンチャー企業への投資機運が高まるなどスタートアップの将来性に注目が集まっており、そのような空気を反映してSVS来場者数も過去最高の1,053人に達した。イベント出展企業の紹介を中心にレポートする。
(クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/山口泰裕)

●今回ピックアップしたスタートアップ一覧
①株式会社ユニリングス:http://unirings.net/
②エースチャイルド株式会社:http://www.as-child.com/
③えがおの株式会社:http://free.egaonohon.jp/
④株式会社ときめきサプリ:http://tokimeki-suppli.net/
⑤株式会社ignote:http://ignote.jp/
⑥株式会社職人さんドットコム:http://www.shokunin-san.com/

【追跡!ITベンチャー(34)】スマートフォン無料通話アプリで急成長、3大キャリアとも取引― ― マイクロヴォイス株式会社(http://www.microvoice.co.jp/

マイクロヴォイス株式会社(本社:東京都新宿区、小林慎吾代表取締役)は、08年に設立されたVoIP通信システムを提供するベンダーだ。日本でスマートフォンが流行する前からスマートフォンの無料通話に着目し、VoIP技術のモバイルソリューションに注力してきた。独自開発した「無料通話アプリ」の技術を活かして「無料通話アプリ構築サービス」を中心に事業を展開している。会社設立以来、大手3キャリアを初め、約30社の海外通信会社や電気通信キャリアと業務提携し、順調に業績を伸ばしている。
(クラウド&モバイル・ソリューション研究グループ/河野安彦)

【経営③】益々巧妙化するサイバー攻撃の傾向と対策― ― IBM「2013 年上半期Tokyo SOC 情報分析レポート」

日本IBMは8月26日、「2013年上半期(1~ 6月)Tokyo SOC 情報分析レポート」を発表した。同レポートはIBMが世界10拠点に置くセキュリティ・オペレーション・センター(SOC)で1 日あたり約200 億件のログをリアルタイムで相関分析し、企業環境に影響を与える情報セキュリティ上の脅威の動向をまとめたもの。レポートの主な内容を紹介する。
(ネットワーク・ソリューション研究グループ/宇野幸治)

【IT業界の深層流】アジアシフトを急ぐべし―  

 

【IT道標】法人スマホ、タブレット市場活性化にリユース市場を活用してはどうか―  

 

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