近づくXRの社会実装(2022年3月号 No.309)

【特集1】オンライン会議でニーズ急増― オフィス家具大手、個室型ブースを続々投入

コロナ禍でテレワークが普及する中、オフィスに求められる機能やあり方が変わってきている。特に重要性が増しているのが、いわゆる「密」を避けながらオンライン会議を手軽にできる場所や、より仕事に集中して生産性を高められる場所だ。こうしたニーズに対応した製品として注目されているのが「個室型ブース」だ。NTTデータがサテライトオフィスに合計77台のブースを設置するなどの例もあり、オフィスをはじめ様々な場所に簡単に設置できる点が受け、販売が急増している。同製品を取り扱うオカムラ、イトーキ、コクヨのオフィス家具大手3社の動向を取材した。

ビデオレンタル事業からの脱却を狙う― 【コラム1】CCC、シェアラウンジ事業を本格化

TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は「シェアラウンジ」の出店を加速している。シェアラウンジはラウンジとシェアオフィスの機能を併せ持った空間で、仕事のほか飲食などに使える。2019年に渋谷スクランブルスクエアに初出店し、試験導入で手応えを感じたことで2021年11月に事業化を発表。3年で首都圏100カ所に広げ、全国展開も視野に入れた事業として育てる方針だ。

【データ1】2021年(暦年)国内携帯電話端末の出荷台数調査― スマートフォン出荷台数で5G対応が過半を占める

MM総研がまとめた2021年暦年(1月~12月)の国内携帯電話端末の総出荷台数は3654.2万台(前年比12.6%増)となった。スマートフォン出荷台数は3374.4万台(12.2%増)で2017年(3199.4万台)を上回り過去最高を記録。5G対応比率もスマートフォン全体の58.1%と過半を占める結果となった。

【データ2】携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2021年12月時点)― スマートフォン利用者の月額利用料金は4,617円

MM総研はNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル、ワイモバイル、UQモバイル、及びMVNO各社それぞれの音声通話サービス利用者に対するアンケート調査を実施し、携帯電話の月額利用料金と音声通話・データ通信サービスの利用実態をまとめた。

【トレンド1】コロナ禍で再燃するエンタープライズサーチ市場― 住友電工情報システム、日立ソリューションズ

エンタープライズサーチ(企業向け検索システム)市場が再燃している。かつては2000年代前半にGoogle、IBM、Oracleなど海外勢が相次いで参入し、注目を集めた。その後多くのベンダーが事業を縮小し、Googleに至っては撤退しているが、クラウド採用する企業が増えたことで再びニーズが高まっている。中には「在宅勤務の長期化で、緊急避難だったクラウドと社内のファイルサーバーがダブルスタンダードになっている」企業も見受けられる。サービス提供を継続する住友電工情報システムと、製品を新たに市場参入した日立ソリューションズを取材した。

【トレンド2】自治体システムの標準化は実現するのか― 移行期限まで「あと4年」に迫る

2022年度から自治体システムの標準化が本番を迎える。政府が基幹業務など20業務について標準仕様を定め、全ての自治体が2025年度末を期限に準拠システムに移行する。これによりシステムの運用費を3割削減できるという。根拠法令も2021年9月に施行され、自治体は進めざるを得ない状況だ。一方、ある政令市の情報システム担当者は「とてもじゃないが間に合わない」と声をあげる。仕様書の策定は2022年夏を予定しており、片鱗すら見えていないからだ。

【トレンド3】5G時代を見据えた新たな特許戦略の確立が急務に― 特許管理団体Avanciの動向と異業種間特許紛争の幕開け

「いよいよ待ったなしの状況だ。特許戦略の再構築が急務となっている」(国内大手自動車メーカー幹部)。2022年2月、世界の通信関連企業49社からなる特許管理団体「Avanci(アバンシ)」が、トヨタ、ホンダ、日産自動車に対し、コネクテッドカー(つながる車)を対象に特許料の支払いを求めていることが明らかとなった。LTE(4G)などを利用した次世代車に対し1台当たり15ドルの支払いを求めており、自動車メーカーは年間100億円から200億円規模の負担を強いられることになる。IoT市場が世界的に拡大する中で、その象徴ともいえるコネクテッドカーをターゲットに特許料の支払いを求めるアバンシの狙いは何か。その動向と今後の日本企業への影響について考察した。

【経営1】5GとXRで実現する未来のコミュニケーション― docomo Open House'22展示会レポート

NTTドコモ(以下、ドコモ)は、第5世代移動通信システム(5G)関連技術を紹介する展示会「docomo Open House'22」を1月17日~19日にかけてオンライン上で開催した。2009年度より始まり、今回で13回目を迎える。「ともにやれば叶う。」をテーマに、NTTグループの最新技術やパートナー企業との取り組みなど230を超える展示を紹介した。本稿では現実世界と仮想世界を組み合わせるクロスリアリティ(XR)の進展に注目し、展示会の模様をレポートする。

【経営2】NECが狙う移動通信システム市場のゲームチェンジ― Open RANを軸に海外マーケットへ

世界の移動通信システム市場においてNECがシェア奪還に動き出した。これを支える技術がOpen RANだ。共通のオープンインターフェースの仕様に基づき複数のベンダー製品を柔軟に組み合わせネットワークを迅速かつ低コストで構築できる技術で、世界中の通信事業者が導入を進めている。NECはNTTドコモによる世界初のOpen RANの商用化に貢献、その研究開発力や導入実績が評価され、グローバル市場での顧客獲得が進んでいる。エンタープライズ向け自営網のローカル5G事業も国内で本格商用化に向けた地盤が整い、新製品の開発やソリューションを強化している。本稿ではNECの5Gを中心としたネットワーク事業の取り組みをレポートする。

【経営3】NTT、民営化後初の純利益1兆円超― 2021年度第3四半期決算発表

伴う各社の増収などによって営業収益と営業利益、純利益いずれも過去最高を更新。純利益は前年度同期比1992億円増の1兆303億円となり、1985年の民営化以降、初の1兆円超えを達成した。好調な業績を反映し、2021年度通期業績予想を営業収益と営業利益、純利益いずれも上方修正した。決算発表では、グループ内のセキュリティ事業やスマートエネルギー事業再編の概要も明らかになり、中長期視点でのさらなる会社基盤確立を目指す。

【経営4】本来取り組むべきDX・IT戦略の推進へ― 網屋

ITインフラの運用コスト削減や人的リソースの不足が課題となる中で、マネージドネットワークサービスの需要が一層高まっている。ネットワーク事業を手掛ける網屋(東京都中央区、石田晃太代表取締役社長)は、フルマネージドサービスを武器に企業の課題を解決する。ビジネスを支える重要なITインフラをどのように支えるのか。現在の取り組みと今後の方針について話を聞いた。

【経営5】「デジタル田園都市国家」実現に向け動くITベンダー― NTT東日本、IBM

2022年に入ってから、ITベンダーが地域のDX支援体制を立て続けに発表した。NTT東日本は新会社「NTT DXパートナー」を設立し、DX人材の育成やDXコンサルティングによる事業変革の支援に乗り出した。IBMは札幌など3都市の拠点を刷新し、「IBM地域DXセンター」とするなど体制強化に取り組んでいる。

【コラム2】中古スマホ市場、課題を残しつつも活況― 中古端末市場概況

中古スマホ市場が活況だ。業界関係者の声を聞くと、2021年10月以降は特に取引量が伸びており、中でもEC経由での販売が好調だという。中古端末のEC取引を行う携帯市場(東京都千代田区、粟津浜一代表取締役)は、2021年12月単月の中古スマホの販売数が過去最高となったことを発表した。人気の端末はiPhoneの旧機種のようだ。マスク着用が求められるコロナ禍で顔認証よりも、近年のiPhoneで搭載しなくなった指紋認証機能を求めるユーザーが増えたことが要因だ。

【デジタル深層流】ポストコロナ時代のセキュリティ対策― MM総研 代表取締役所長 関口和一

オミクロン株の登場により新型コロナウイルスの感染拡大が3年目に突入した。この間、テレワークやオンライン会議、遠隔授業などが広がり、日本もリモート型社会を迎えた。それを後押ししたのがクラウドやスマート端末、高速通信規格「5G」といった最新のデジタル技術だが、一方で新たな課題として浮かび上がってきたのがセキュリティの問題だ。

【ICT道標】マイナンバーカードの普及率、 いまだ41%にとどまる― MM総研 研究部長 石塚昭久

2016年1月にマイナンバーカードの交付が始まって以来、2021年末で丸6年が経過した。最新の発表によると、2022年1月時点での普及率は41%。「2023年3月末までにほぼ全国民に行き渡る」という政府の目標は、あと1年を残して達成困難な状況に追い込まれている。

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