GIGAスクール特需で過去最高の1728万台(2021年7月号 No.301)
【特集1】「2021年度純利益は初の1兆円超めざす」澤田社長― NTT2020年度決算発表
NTTは5月12日、2020年度決算を発表した。純利益は期中に実施したNTTドコモの完全子会社化などにより対前年度比7.1%増の9162億円と過去最高を更新。一般の売上高に対応する営業収益では、新型コロナの感染拡大により約2000億円程度のマイナス影響となったが、NTTデータにおいて既存顧客からの受注案件獲得やデジタル分野の拡大が寄与した上、第2四半期(2020年7-9月)以降からはドコモの端末販売が回復したことなども加わり、当初の想定よりも落ち込み幅を縮小できた。2021年度の業績予想では、旺盛なデジタル化需要を背景に初の純利益1兆円超えをめざす。
【データ1】「XP」更新需要を抜く1728万台で過去最高― 2020年度通期国内パソコン出荷台数調査
MM総研がまとめた2020年度(2020年4月~2021年3月)の国内パソコン出荷台数は1728.3万台(前年比12.9%増)で、1995年の調査開始以来最高だった2013年度の1651.3万台を上回った。これは政府が小中学校向けに「一人に端末1台」を目標に普及をめざしたGIGAスクール構想が要因。出荷金額は低価格ノートパソコンの出荷が増加し、1兆4009億円(前年比1.2%減)となった。出荷平均単価は8万1057円で、2019年度の9万2663円から1万1606円低下した。
【データ2】教育市場向け特需で初の1000万台越えとなる1152万台― 2020年度通期タブレット端末出荷台数調査
MM総研がまとめた2020年度通期の国内タブレット端末の出荷台数は前年度比62.9%増の1152万台となった。日本でタブレット端末が発売された2010年度以降の通期出荷統計において、これまでの過去最高であった2014年度(929万台)を大きく上回り初の1000万台越えを記録した。大幅な出荷台数増加の要因としてはGIGAスクール構想による小中学校向けのタブレット配備の特需であると分析する。
【データ3】独自サービス型SIM、2021年3月末は初の前年比減に― 国内MVNO市場調査(2021年3月末時点)
MM総研は国内MVNO市場の2021年3月末時点での実績を発表した。調査結果によると、独自サービス型SIMの回線契約数は1261.6万回線となり、前年同期比で15.9%減のマイナス成長になった。また、携帯電話(3G、LTE、5G)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は、2020年3月から1.5ポイント減の6.7%になった。2022年3月末の独自サービス型SIMの回線契約数を1390万回線(前年比10.2%増)と予測する。スマホ向け用途では、純減が続く見込みだが、IoT向け用途での成長が期待される。
【データ4】FTTH 契約数が3500万件超え― ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(2021年3月末時点)
MM総研は、2020年度のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表した。2021年3月末時点のFTTH(光回線サービス)の契約数は3501.3万件で、2020年3月末から年間194.5万件の増加(伸び率は5.9%)となった。2011年度以来の200万件近い規模の増加となった。2020年度上期に続き、新型コロナウイルスの影響でテレワークやWeb会議などが普及する中、自宅やオフィスでのFTTHの導入が加速。FTTH未利用者の取り込みや、モバイルへシフトするユーザーの食い止めが進んだことも市場拡大につながった。今後はテレワークなどによる需要はやや落ち着くものの、引き続き高水準の伸びとなり、2021年度は年間156万件の増加を予測。2022年3月末時点のFTTH契約数を3657万件と予測する。
【トレンド1】コロナ禍で巣ごもり需要獲得の知恵絞る― シリーズ「西日本地域の通信事業者動向」
新型コロナウイルスによるテレワーク、在宅需要の増加に伴い、FTTHや関連するオプションサービス(動画配信サービス、メッシュWi-Fiなど)の需要が拡大した。同時にこれまでの対面販売からオンラインでの獲得へシフトが進んでおり、増加傾向は変わらない。2020年度下期は落ち着きつつあるが、引き続き安定した固定回線が必要とされている。シリーズ「西日本地域の通信事業者動向」では電力子会社を中心に独自に光回線を提供する地域通信会社に注目し、5社(オプテージ、エネルギア・コミュニケーションズ、STNet、QTnet、沖縄セルラー電話)を取り上げる。NTTやケーブルテレビなどとの競争が激化する西日本地域の各社戦略に迫る。
【トレンド2】オートプレフィックス型通話が携帯の常識を変えるか― 10年間変わらない音声通話料金
大手キャリアは携帯電話料金の引き下げを迫られ、今年3月には各社揃って20GBのオンライン専用格安プランの提供を開始した。総務省はこれらプランの登場によって「一定の成果が出た」としているが、まだ値下げ“圧力”は緩めていない。次に狙うのは音声通話料金の引き下げだ。携帯電話の音声通話料金(従量制)はここ10年以上30秒あたり20円(税別、以下同)に張り付いたまま。行政指導がこの岩盤を崩すかどうか注目だ。
【トレンド3】空飛ぶクルマは事業として成立するか― シリーズ「エアモビリティの最新動向を追う」⑧
空飛ぶクルマの運航企業として、飛行機やヘリコプターなど航空機運航に高度なスキルをもつ航空事業者が有望視されている。その分野で大手の一角を占めるのが、中日本航空株式会社(本社:愛知県西春日井郡、二神一代表取締役社長)だ。同社を取材したところ、空飛ぶクルマの事業化には数多くの課題が浮かび上がってきた。
【経営1】ファーウェイ、 Androidに代わる新OS「HarmonyOS 2」を発表― 米国禁輸措置の打開策
米中対立による「ファーウェイ問題」が日本のIT業界にも影響を及ぼしている。解決策の一つとしてファーウェイは6月2日、独自OSの「HarmonyOS 2」を発表した。同OSはスマートフォン、タブレット、スマートウォッチなどさまざまなデバイスに搭載する。
【経営2】スマートウォッチ、Apple対抗策でOS統合へ― Google、Samsungが連携
調査会社のCounterpoint Reserachが5月26日に世界スマートウォッチの市場調査結果を発表した。スマートウォッチの出荷台数は2021年1~3月期で前年同期比35%増となり、シェア1位のAppleは同50%増を記録した。Appleのシェアは33.5%と全体の3割を超え、競合を大きく引き離している。これに対抗し、スマートウォッチ向けのOS統合に向けGoogle、Samsungが提携すると発表した。
【経営3】高品質な中古通信端末に安心のサポート体制― Belong
株式会社Belong(本社:東京都渋谷区、井上大輔代表取締役社長)は中古通信端末のオンライン売買、法人レンタル事業などを手掛けるベンチャー企業。伊藤忠商事の社内ベンチャーとして2019年に創業した。一般消費者向けサービスだけでなく、法人向けにオーダーメイド対応もしている。
【経営4】激化する中小企業向けサイバー攻撃に対抗、 「お助け隊」サービス発動― PFU、MS&ADインターリスク総研、SOMPOリスクマネジメント
中小企業に対するサイバー攻撃が激化している。大阪商工会議所が2019年に中小企業へのサーバー攻撃の実情を調査したところ、調査対象の企業すべてがサイバー攻撃を受けている実態が浮かび上がった。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)はこれを受け、中小企業向けセキュリティサービスが満たすべき基準として「サイバーセキュリティお助け隊サービス基準」を今年4月に定めた。同基準に準拠した登録サービス事業者は現在5社ある。今号ではPFU、MS&ADインターリスク総研、SOMPOリスクマネジメントの3社を紹介する。
【経営5】デジタル庁と連動して自治体DX進む― 自治体におけるRPA利用動向調査
自治体でRPA(Robotic Process Automation)の採用が進んでいる。背景には、デジタル庁設立などICT活用機運の高まり、自治体での人員不足などがある。RPAベンダーも商機とみて動きを見せる。主要ベンダーの1社であるBlue Prismは2021年4月から公共向けの専門部隊を新設した。民間需要でのRPAベンダー勢力図がほぼ固まり、次は官公庁・自治体領域での競争が始まる。そこで今回は5万人以上の住民を擁する自治体510団体を対象に電話アンケート調査を実施し、2021年5月時点のRPAの利用状況をまとめた。
【デジタル深層流】レジリエント社会導くデジタル技術― MM総研 代表取締役所長 関口和一
デジタル分野の技術や課題などを話し合う「世界デジタルサミット2021」(主催日本経済新聞社、総務省)が6月、今年もオンラインで開催された。今回はテーマを「ポスト・ニューノーマル~レジリエントな社会を目指して」と題し、コロナ禍で進むデジタルトランスフォーメーションなどを議論した。
【ICT道標】ドコモ参入でワイヤレス市場が活性化― MM総研 研究課長 作山哲二
2021年3月末の国内FTTH市場は3500万件を突破し2011年以来の200万件近い増加を記録。新型コロナウイルスの影響でテレワークやWeb会議などの普及によりFTTHの導入が加速した。
一方、ワイヤレス市場も契約数が400万件弱となり顕著な伸びをみせている。同市場では2014年12月より先行して提供を開始していたSoftBank Airが高いシェアを維持している。
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