「MM総研大賞2020」受賞記念対談(2021年3月号 No.297)

【特集1】使いやすさを追求し世界一の性能を達成― 「MM総研大賞2020」大賞受賞記念対談
国立研究開発法人理化学研究所
計算科学研究センター 松岡聡センター長

理化学研究所のスーパコンピュータ「富岳」は、「京」の後継機として使いやすさを追求しつつも、実行性能の世界ランキング4部門で同時に1位を獲得。日本発のものづくり技術が世界一を獲得した点が高く評価され、MM総研大賞の「大賞」および「ものづくり優秀賞」を受賞した。各種報道で、新型コロナウイルスの飛沫感染の予測に関するシミュレーションが話題になり、国内外の多くの人々からも注目されている。「富岳」の開発の経緯やこれからの活用に向けた展望について、理化学研究所計算科学研究センターの松岡聡センター長に話を聞いた。

【特集2】社会課題解決のためのスパコン開発、省電力化にも工夫
― 「MM総研大賞2020」大賞受賞記念対談
富士通株式会社
新庄直樹 理事・プラットフォーム開発本部長

スーパーコンピュータ「富岳」は、2020年6月に世界のスーパーコンピュータの性能ランキングである「第55回TOP500リスト」で第1位を獲得。2011年の「京」以来8年半ぶりに日本のスーパーコンピュータが世界一になった。同時にビッグデータの処理速度を競う「Graph500」など3つのランキングにおいても1位を獲得し、世界初の同時4冠を達成。日本発のものづくり技術が世界一を獲得した点が高く評価され、MM総研大賞の「大賞」および「ものづくり優秀賞」を受賞した。「富岳」では利用者視点に立った設計・開発思想が特徴という。開発・製造を担った富士通の新庄直樹理事・プラットフォーム開発本部長に話を聞いた。

【データ1】楽天MNOサービス開始でSIMフリースマホ急増― 2020年(暦年)国内携帯電話端末出荷概況

MM総研がまとめた2020年暦年(1月~12月)の国内携帯電話端末の出荷台数は3246.5万台(前年比2.9%減)となった。内訳をみると、スマートフォン出荷台数が3007.5万台(1.3%増)で2年ぶりの3000万台越え、フィーチャーフォンは239万台(36.3%減)。総出荷台数は2007年以降の暦年出荷台数としては2019年を下回り二年連続で過去最低だった。

【データ2】スマートフォン利用者の月額利用料金は5,334円― 携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態(2020年12月時点)

MM総研は、NTTドコモ・au・ソフトバンク、ワイモバイル・UQモバイル、及び楽天モバイル・MVNO各社それぞれの音声通話サービス利用者に対するアンケート調査を実施し、携帯電話の月額利用料金と音声通話・データ通信サービスの利用実態の概要をまとめた。調査時点は2020年12月。

【データ3】RPA導入企業が活用を本格化、AI-OCR導入も約2割― RPA国内利用動向調査2021(2021年1月時点)

MM総研は、国内企業2000社(年商50億円以上958社、同50億円未満1,042社)を対象にWebアンケート調査を実施し、2021年1月時点のRPA(Robotic Process Automation)の利用状況をまとめた。RPAは主にデスクワークなどで発生する定型作業を、パソコンの中にあるソフトウェア型のロボットが代行・自動化する技術だ。RPAの導入率推移、各種満足度、今後の利用意向などを分析した。

【トレンド1】利用者に求められる“空飛ぶクルマ”は何か― シリーズ「エアモビリティの最新動向を追う」⑤

顧客のニーズに沿った機体やインフラをつくることは重要な視点だ。「空飛ぶクルマ」の場合にはこの視点をどのように具体化できるか。実用化に向けた市場調査を踏まえ仕様検討を進める慶應義塾大学大学院のシステムデザイン・マネジメント研究科(SDM研究科)空飛ぶクルマラボの中本亜紀特任助教に取材した。

【トレンド2】活況呈するデータセンター業界、内外で積極戦略に― Colt、MCデジタル・リアルティ、KDDI

クラウドサービスの普及により広帯域ネットワークやデータセンター(DC)の需要が拡大を続けている。新型コロナウイルスの感染拡大はその動きをさらに加速させており、一層セキュアなネットワーク、データ利活用の環境整備が求められる。企業ネットワークやDCなどのICT基盤を提供する代表的なベンダー3社の取り組みを取材した。

【対談1】スマートシティ成功のカギは地域ニーズのボトムアップに― 森川博之 東京大学大学院工学系研究科教授

日本のみならず世界の主要都市でスマートシティへの取り組みが加速している。その多くが国家プロジェクトや大企業主導の取り組みだが、世界的にみて成功しているといえる事例は数少ない。こうした状況の中で従来のトップダウン型ではなく、多様性を踏まえた地域ニーズのボトムアップからのアプローチが必要だとする声も高まっている。日本のスマートシティを成功に導くには何が必要なのか、東京大学大学院工学系研究科教授で、スマートシティの研究にも取り組んでいる森川博之氏に話を聞いた。

【対談2】NHKプラスで新たな番組への出会いを― 「MM総研大賞2020」受賞記念対談
日本放送協会 西村規子氏

日本放送協会はインターネットによる地上波常時同時配信サービス「NHKプラス」を2020年4月に本格スタートした。ネットを通じた同時配信と見逃し番組配信を放送受信契約者であれば追加負担なしで提供する。このサービスが放送と通信の本格的な融合をリードするとして、「MM総研大賞2020」のスマートソリューション部門の通信・放送の融合サービス分野で「最優秀賞」を受賞した。本格スタート以後、登録数は好調に推移し、新たな視聴者層の獲得にも成功しているという。同協会の放送総局デジタルセンター副部長で、NHKプラス編集長の西村規子氏に現状を聞いた。

【経営1】コロナ禍で光回線大幅純増の追い風― シリーズ「西日本通信事業者を追う」

MM総研がまとめた「ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(2020年9月末時点)」では全国のFTTH契約数は3410.4万件となり、20年度上期純増数は103.6万件と11年度上期以来の100万件超えを記録した。コロナ禍でテレワークはじめWeb会議などが普及したことから、大容量通信に適したFTTH需要が自宅、オフィスともに大幅に増加したためだ。西日本地域の通信事業者もこの追い風を受け順調に業績を伸ばしている。シリーズ2回目は、エネルギア・コミュニケーションズ、沖縄セルラー電話を取り上げる。

【経営2】動き出すローカル5G商戦、本命「Sub6」も制度化― 東芝インフラシステムズ、日鉄ソリューションズ

日本国内のローカル5Gは2020年末に従来のミリ波帯に加え、実用化への突破口と言われるSub6帯にも拡張された。「Sub6の制度化」でPoCから商用化に向けベンダー各社が動き出す。ローカル5Gの本命といえる製造業での活用は遠隔操作、デジタルツイン、AGV(無人搬送車)など具体的なユースケースが固まってきた。「製造業DXの決め手」と売り込む有力ベンダーの東芝インフラシステムズ、日鉄ソリューションズを取材した。

【経営3】2025年度までに売上高累計1,000億円をめざす― 富士通のローカル5G事業が本格始動

富士通は2020年10月、①ローカル5Gをはじめ自営無線システムの活用を可能とする「プライベートワイヤレスマネージドサービス」「プライベートワイヤレスクラウドサービス」②SA(スタンドアロン)システム③他企業とソリューションを共創する「ローカル5Gパートナーシッププログラム」―のサービス、プロダクトの提供と共創プログラムを発表した。同社はDXを支える「7つの重点技術領域」の一つとしてローカル5Gに注力していく。ローカル5G市場が立ち上がる2021年は「ローカル5G元年」。市場争奪戦の先陣を切る富士通の戦略を追った。

【経営4】インターネット回線“質の需要”に対応― D.U-NET

大和ハウスグループのD.U-NET株式会社(本社:東京都新宿区、明石昌代表取締役)は、アパートやマンションなどの賃貸住宅向けに光回線インターネットサービス『D.U-NET』を提供する。MM総研が2020年3月時点で実施した「全戸一括型マンションISPシェア調査」では3位にランクインし、提供戸数は35.3万戸で前年比4.6万戸増を記録した。コロナ禍の取り組みと今後の展開について取材した。

【経営5】テレワークに潜むサイバー攻撃の罠― セキュリティ大手2社が警告

コロナ禍で企業は社員らの在宅勤務を本格的に取り入れているが、トレンドマイクロ、マカフィーのセキュリティ大手2社がテレワークの浸透が進むにつれサイバー攻撃が増加する兆しが見えてきたと警告する。オフィス機能の一部を担う在宅勤務がセキュリティ面では無防備な実情を突かれ、本社機能のネットワークに侵入するケースが多発しているという。

【デジタル深層流】クラブハウスはSNSの旗手となるのか― MM総研 代表取締役所長 関口和一

日本でも最近急速に広まっているのが「クラブハウス」と呼ばれる新しいSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)だ。SNSといえば「ツイッター」や「フェイスブック」が有名だが、いずれも文字や写真、ビデオなどで交流するのに対し、クラブハウスは「room」と名付けた会議室を設け、音声で雑談したり議論したりする。ウェブ会議システムの「Zoom」などと違い、顔が見えないことから気軽に参加できるのが人気の理由だ。

【ICT道標】大手キャリアのオンラインサブブランドで開くか
eSIMの世界― MM総研 研究部長 篠崎忠征

現在、スマートフォンの回線契約にはキャリアのSIMカードを挿入することが一般的となっている。一般的にNTTドコモ、au、Softbankの大手3キャリアが販売するスマートフォンには購入時にはSIMロックが掛かっており、一括購入や購入からの一定期間経過、指定のクレジットカードによる購入などの条件によってSIMロックが解除できる状況となっている。キャリアが販売するスマートフォンのSIMカードスロットは基本1枚分となっており、複数のSIMカードを挿入することができない。一方、SIMフリースマートフォンではSIMカードスロットが2枚の製品も多く存在する。そうした中で、eSIMという技術が今年は注目を集めるかもしれない。

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