ドコモが格安料金プラン発表(2021年1月号 No.295)

【特集1】ローカル5Gシステムは2025年度に350億円規模に拡大― MM総研 執行役員 研究部長 渡辺克己

2019年12月に制度化されたローカル5G。2021年から、電波が届きやすいサブ6(6GHz未満の周波数帯)に対応した製品やSA(スタンドアローン)方式でネットワークを構築できるようになる。ローカル5Gシステムの開発動向やユースケースの傾向から、2025年までの市場規模と利用シーンを予測した。

【データ1】GIGAスクールと在宅需要でパソコン出荷が好調― 2020年度上期国内パソコン出荷台数調査

MM総研がまとめた2020年度上期(4~9月)国内パソコン出荷状況の調査結果によると、2020年度上期の国内パソコン出荷台数は786.8万台(前年度同期比0.1%減)と、1995年の調査開始以来最高だった2019年度同期並みの高水準となった。出荷台数シェアは、首位のNECレノボが34.3%と8ポイント拡大した。また、新型コロナウイルスの流行で在宅勤務や在宅学習が広がったことを受け、個人向け出荷は上期でみれば2期連続で増加した。

【データ2】巣ごもり需要と教育市場がけん引し、過去最高を記録― 2020年度上期タブレット端末出荷台数調査

MM総研は、2020年度上期(2020年4月~9月)の国内タブレット端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。2020年度上期の出荷台数は前年度同期比23.9%増の461万台となった。日本でタブレット端末が発売された2010年度以降の上期出荷統計において2017年度上期(452万台)を上回り過去最高となった。出荷台数増の要因としては①新型コロナで在宅時間が増えたことに伴う巣ごもり需要の拡大、②GIGAスクール構想による小中学校向けのタブレット需要の急増にあると分析する。家庭では長引く巣ごもり生活の中で、動画視聴や学習用途として大画面タブレットの需要が高まった。GIGAスクール向けではiPadとWindowsタブレットがその恩恵を受け、半期別出荷台数としてそれぞれ過去最高を記録している。2020年度通期は前年度比40%増の990万台と、年度ベースでも過去最高の出荷台数となる見込みである。

【データ3】独自サービス型SIM、2021年3月末は初の前年比純減に― 国内MVNO市場調査(2020年9月末時点)

MM総研は国内MVNO市場の2020年9月末時点での実績を発表した。調査結果によると、独自サービス型SIMの回線契約数は1536.6万回線となり、前年同期比9.4%増を記録した。一方で、2021年3月末の独自サービス型SIMの回線契約数を1300万回線(前年比13.4%減)と予測する。楽天モバイルのMNO参入と、2020年10月のKDDIによるUQモバイル事業の統合により、上位2事業者の既存契約者がMNOに吸収されるとなった。これに加え、ドコモ、au、ソフトバンクの料金値下げ、サブブランド移行に係る手数料無料化などにより、MNOからのMVNOへの乗り換えは大幅に減少することが予想され、独自サービス型SIM市場は初のマイナス成長になることが確実となった。

【データ4】テレワーク需要でFTTHが上期100万件超の大幅純増― ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(2020年9月末時点)

MM総研は、2020年度上期(2020年4月~9月)のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表した。2020年9月末時点のFTTH(光回線サービス)の契約数は3410.4万件で、2020年3月末から103.6万件の純増(伸び率は3.1%)となった。2011年度上期以来の半期100万件を超える純増となった。新型コロナウイルスの影響でテレワークやWeb会議などが普及する中、自宅やオフィスでのFTTHの需要が大幅に増加している。モバイルユーザーをはじめとする光回線未利用者の取り込みや、光回線からモバイルへシフトするユーザーの食い止めが進んだことも純増拡大につながった。引き続きテレワーク等による需要が市場をけん引することから、MM総研では、2021年3月末時点のFTTH契約数を3495万件と予測する。2020年度通期の純増数は188万件となり、2019年度の134万件を大幅に上回る見込みだ。

【データ5】端末導入商戦はChrome OSに軍配― GIGAスクール構想OSと課題に関する調査

GIGAスクール構想は2021年4月全国の小中学校でICT端末を利用した授業が始まることから新段階に移る。児童生徒が1人1台のパソコン端末を利用するのは教育史上の一大変革だ。動き出したGIGAスクール構想のもとで、教育現場はどんな影響を受けるのか。OSの評価と端末導入後の課題について、MM総研は各地の教育委員会を対象にアンケート調査を実施した。

【トレンド1】三重県で始まった“空飛ぶクルマ”の社会実装― シリーズ「エアモビリティの最新動向を追う」④

空飛ぶクルマの乗用サービス構想の基本コンセプトは大別すると2つに集約される。ひとつは都市交通における新たな選択肢、もうひとつは移動が不便な場所への交通手段の提供だ。広大な移動困難地域を抱えつつ、社会実装に向けて積極的な三重県の取り組みと狙いを取材した。

【対談1】きっぷ受け取りの手間を解消― 東日本旅客鉄道
阪本未来子 常務執行役員

JR東日本、JR北海道、JR西日本のJR3社が共同で導入した「新幹線eチケットサービス」は、予約サイトに登録した交通系ICカードで新幹線に乗車できるサービスだ。駅できっぷを受け取ることなく乗車できる利便性の高さなどが高く評価され、「MM総研大賞2020」のスマートソリューション部門MaaS分野の最優秀賞を受賞した。新幹線eチケットサービス導入後、JR東日本内の新幹線チケットレス比率は30%を超えたという。現在の取り組みや今後の戦略、MaaS事業の展望についてJR東日本常務執行役員の阪本未来子氏に話を聞いた。

【対談2】技術力とサポート力を強みに日本、そして世界へ― 日本電気
網江貴彦 執行役員(ネットワークサービスビジネスユニット)

NECは2020年11月26日、ローカル5Gの商用サービスを開始し、2025年度までにローカル5G関連製品・サービスを含む「NEC Smart Connectivity」関連ビジネスで2000億円をめざすと発表した。同社ローカル5Gサービスはネットワークを起点にデバイス、データアナリティクス、業種別アプリケーション・サービスまでエンドツーエンドの垂直ソリューションを提供する。その圧倒的かつ多角的な技術力を強みに、現在ユースケースの積み上げ、各社への導入を着実に進めている。NECのローカル5Gの取り組み、今後の構想について網江貴彦執行役員に聞いた。

【対談3】1日の会議延参加者数3億人の対話プラットフォーム― ZVC Japan
佐賀文宣 カントリーゼネラルマネージャー

新型コロナウイルス感染拡大を受け、都市部を中心にビジネスパーソンはテレワーク、学生は遠隔授業を受講する姿が日常化している。この需要をとらえ急成長しているのが「Zoom」だ。Web会議やビデオ会議などの機能を持ち、グローバルで1日あたりの会議延参加者数は平均3億人にもなる。新たなコミュニケーションプラットフォームの地位を確立した点などが評価され、「MM総研大賞2020」スマートソリューション部門オンラインコミュニケーション分野で最優秀賞を受賞した。2019年2月に発足した日本法人ZVC Japan(本社:東京都千代田区、佐賀文宣カントリーゼネラルマネージャー、以下Zoom Japan)は国内市場掘り起こしに勢いづく。

【経営1】あらゆる広告の投資対効果を可視化し最適化する「XICA ADVA」― サイカ

プロモーションや広告宣伝の効果測定ツールを提供するベンチャー企業の株式会社サイカ(本社:東京都千代田区、平尾喜昭代表取締役CEO)は、広告の効果分析を経て、最近はテレビCMの広告代理業にも進出した。マーケティング分析の領域では今や知らない者はいないほど、目覚ましい動きをするサイカの事業戦略を追った。

【経営2】集団授業にAI・ICT取り入れ個別指導の効果発揮― 駿台、全国6カ所にサポート校をオープン

GIGAスクール構想で小中校教育のICT化が進む中、一歩先んじてきた塾・予備校はAIなど最先端技術の導入を急ぐ。その代表が大手予備校の学校法人駿河台学園(本社:東京都千代田区、山良子学園長、以下駿台)。映像講座「駿台サテネット21」などのICTサービスを展開してきた。2021年4月にはグループの駿台教育研究所(東京都千代田区、山畔清明社長)がAIなどのICTを駆使した通信制高校のサポート校を全国6カ所に開校する。両社の教育事業に対するICTの活用、今後の事業展開について取材した。

【経営3】Chromebook上でWindows OS稼働可能な仮想ソフト投入― カナダ・Corelが商機見出す

日本のパソコン市場でChromebookのシェアが急速に拡大している。拡大のテコになっているのは、GIGAスクール構想を受けた公教育での利用だが、今後はコンシューマやビジネスシーンなどにも広がる可能性もある。この動きにいち早く反応したのがCorel Corporation(本社:カナダ・オンタリオ州オタワ、クリスタ・クォールズCEO、以下、コーレル)だ。同社は、仮想化ソフトウェア開発のトップブランドであるParallels(以下、パラレルス)を持つ。2020年10月にChromebook上でもWindows OSやアプリケーションを動かせる仮想PC環境ソフトウェア「Parallels Desktop for Chromebook Enterprise(以下、PDCE)」をグローバルで発売開始した。

【経営4】MVNOのビジネスを一変させる「クラウドSIMの可能性」― 1つのデバイスでマルチキャリア対応

クラウドSIMは、物理SIMベースで構築されたMNOのビジネスモデルを一変させかねない可能性を秘めている。1つのユーザー・デバイスに対し、ロケーションに応じて複数のMNOが提供するクラウド上のSIMを対応させることが可能だ。言い換えると、クラウドSIMサービス事業者は、国内・海外を問わず、その場のネットワーク環境に応じてマルチキャリア対応のネットワーク運用が実現できる。その高い冗長性は、法人市場で注目を集めている。

【デジタル深層流】勝負に出たNTTドコモ― MM総研 代表取締役所長 関口和一

「3番手と言われないようトップに返り咲きたい」。12月初め、NTTドコモの新しい料金プランを発表した井伊基之社長は、初舞台ともいえる会見で今後の抱負をこう語った。ドコモが発表した新プラン「ahamo(アハモ)」は月額定額2,980円で20ギガバイトのデータ通信を利用できる。先行して格安料金プランを発表したKDDIやソフトバンクより1,500円近く安い設定だ。業界では「いよいよドコモが勝負に出た」という声が各方面から聞かれる。ドコモが思い切った値下げに打って出た背景には3つの力が働いている。

【ICT道標】最大のスイッチングコストはポイント・決済などの周辺サービスに― MM総研 研究部長 石塚昭久

携帯電話業界の競争環境が大きく変化している。2020年10月27日、総務省はモバイル市場の公正な競争環境の整備に向けて「アクション・プラン」を発表。今後取り組むべき事項について、具体化を図った。アクション・プランは、①分かりやすく、納得感のある料金・サービスの実現、②事業者間の公正な競争の促進、③事業者間の乗換えの円滑化という3つの柱から構成される。

【編集後記】2020年ICT経営者から選ぶ「マン・オブ・ザ・イヤー」― MM総研 主幹研究員 兼 MM Report 編集長 高野始

2020年の「MM総研大賞」(最高賞)は世界最速のスーパーコンピュータ「富岳」を開発した理研、富士通が共同受賞したが、“経営者版”の大賞があったらだれが一番あてはまるだろうか。日本のIT経営者を代表する孫正義ソフトバンクグループ社長がまず候補にあがるだろう。2020年に限れば「GAFAに対抗する」とぶち上げたNTT澤田純社長の名前が真っ先に浮かぶ。その澤田氏と手を組みICTの力で「100年に一度の変革期」に挑むトヨタ自動車の豊田章男社長も外せない。

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