日本のモノづくりにデジタル変革の波が到来(2020年12月号 No.294)

【特集1】ローカル5G本格化― NTT Com、アルテリア、グレープ・ワン

2019年12月末に28GHz(ミリ波)帯域の一部(28.2-28.3GHz)を利用することが決まったローカル5Gは、2020年内に残るミリ波帯域(28.3-29.1GHz)と4.5GHz帯域(Sub-6)への割り当てが予定されている。4.5GHz帯域(4.4GHz-4.9GHz)では当初、4.6Ghz-4.8GHzの利用のみを想定していたが、2020年6月に総務省の検討委員会(新世代モバイル通信システム委員会)で同帯域は屋外利用が難しいことが明らかになった。これにより帯域が拡張され、4.6Ghz-4.8GHzは「屋内利用」、4.8-4.9GHzは「屋外利用」で分けられる方針だ。これにより、直進性が強くて扱いづらいとされるミリ波ではなく、Sub-6をメインに商用化をめざす企業が増加している。刻々と状況が変わるローカル5G市場において各社の実証・検証が進んだことで、多岐にわたる事例が積み重なってきた。今回はローカル5Gのアプローチ方法がそれぞれ異なる、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、アルテリア・ネットワークス株式会社、株式会社グレープ・ワンの3社を取材した。

【データ1】2020年度通期の5Gスマホ出荷は833万台と予測― 2020年度上期国内携帯電話端末出荷概況

MM総研がまとめた2020年度上期(2020年4月~2020年9月)の国内携帯電話端末の出荷台数は1457.8万台で上期出荷台数および半期別の出荷台数としては過去最少となった。内訳ではスマートフォン出荷台数は1347.1万台(4.7%増)、フィーチャーフォンは110.7万台(36.9%減)。2020年度の総出荷台数は3145万台、スマートフォンは2915万台、うち5G対応は833万台と予測する。

【データ2】アプリダウンロード以外は快適に利用できる水準まで品質が向上― MVNOネットワーク品質調査(2020年10月末時点)

MM総研は、主要な国内MVNO事業者のネットワーク品質を調査し、その結果をまとめた。調査対象はOCNモバイルONE、mineo、BIGLOBEモバイル、LINEモバイル、IIJ mioの5サービス。また、参考比較として大手通信事業者(MNO)のサブブランドであるY!mobile、UQモバイルに対しても同様の調査を行った。評価指標は、Web表示の快適さなど6項目を設定し、5段階評価(最低評価1点~最高評価5点)を実施した。

【トピック】「クラウドSIMサービス」の展開― MVNOのビジネスを一変させる「クラウドSIMの可能性」

クラウドSIMは、複数の異なるキャリアが提供するSIMを利用し、MVNO事業者が5G時代のIoT通信を最適化できる仕組みである。今後、MVNO事業者が積極的にクラウドSIMを採用し、これまでの物理SIMベースで構築してきたMNOのビジネスモデルを変えることで、MVNOの新たなビジネスモデルを構築することが可能になるだろう。

【トレンド1】KDDIとソフトバンク、サブブランドで月額5,000円以下の20GBプラン提供― 「アクション・プラン」対応でドコモも追従か

政府の携帯電話料金引き下げ要請を受け、KDDI(au)とソフトバンクは10月28日、サブブランド経由で大容量低価格のプランを提供するとそれぞれ発表した。いずれもデータ容量は20GBで、月額料金は5,000円以下。低価格志向の強いユーザーを抱えるサブブランドで引き下げをアピールすることで、本体のブランドイメージを守る狙いもある。料金引き下げを求める総務省の「アクション・プラン」に対する各キャリアの動向をレポートする。

【トレンド2】ドローンが警備業界の主役に― シリーズ「エアモビリティの最新動向を追う」③

セコムやALSOKなどの大手警備会社がドローンを活用した警備業務の無人化・省力化、新サービス開発を推進している。中小警備会社でもドローンの導入機運が一段と高まっている。それだけに、廉価かつ標準的な導入スキームの整備が喫緊の課題だ。

【対談1】多様性を持つ個人の自己実現や社会課題解決を支えるMaaSをめざす― 特定非営利活動法人ITS Japan
天野肇 専務理事

新たな移動サービスとして期待を集めるMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)は、その名の通りモビリティ(移動)をサービスとして捉えた概念だ。ただ、日本では“人の移動”そのものに焦点があてられることが多く、新型コロナによる移動需要の減少はMaaSに取り組む多くの事業者に多大な影響を及ぼしている。一方、移動自粛の中で、多くの人が改めて“移動”することの意味を考える契機になったことは、MaaS市場の在り方を問い直す動きにもつながっている。今後のMaaS市場の展望を、トヨタ自動車在籍時から長らくITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の社会実装に取り組んできた、天野肇 ITS Japan 専務理事に聞いた。

【対談2】ブラックボックスだった営業領域を可視化するオンライン営業システム― ベルフェイス株式会社
西山直樹 取締役

2015年に創業したベルフェイスは、オンライン営業に特化したWeb会議システム「bellFace」を提供している。コロナ禍で訪問営業を行うのが困難になる中、bellFaceは大きな関心を集め現在の導入社数はおよそ2,500社に上っている。ソフトのインストールをすることなくブラウザベースで瞬時に接続ができる簡易性や音声通話を電話回線で行うことによる安定性などが高く評価され、「MM総研大賞2020」のスマートソリューション部門DX支援ソリューション分野最優秀賞を受賞した。これまでのベルフェイスの取り組みや今後の戦略などについて、同社の西山直樹取締役に聞いた。

【経営1】RPAは労働工数削減から「価値創造」に挑むステージへ― 先進ユーザー3社の活用術

RPAは企業にどの程度浸透するのだろうか。オプテージをはじめとする先進ユーザーは「浸透させるには導入して最初の2年が勝負だった」と口をそろえる。導入のステージを超え、企業それぞれの持ち味を生かしたロボット開発に取り組む場合、「全てをSIベンダー任せにはできない」ともいう。新型コロナの影響で止まっていたRPA導入商談もここにきて動き出した。国内で高いシェアを誇るUiPathを導入し成果をあげる先進ユーザーとして、アサヒグループホールディングス、富士フイルムホールディングス、サイバーエージェントを取材した。

【経営2】「クラウドネイティブ」でICT環境構築へ― 長崎市教育委員会

長崎市はGIGAスクール構想を受けた学習者用端末の「1人1台化」メニューに沿って合計約2.7万台のChromebookを調達した。加えて、校務システムのAWSリフト、インターネットブレイクアウトも視野に入れたネットワーク環境の見直しに取り組むなど、「クラウド」を積極活用する。長崎市教育委員会でICT関連を担う教育研究所相浦太主任指導主事に話を聞いた。

【経営3】ノルウェーの重厚長大産業をデジタルで支援、その技術は日本の製造業に― Cogniteが日本法人設立1周年記者発表会を開催

AIやIoT・ロボティクスなどを活用した最新のデジタル技術で日本のモノづくりに大きな変革を起こそうとする動きが始まっている。その変革を実現する重厚長大産業向けのソリューションを提供するのがCognite(本社:ノルウェー)だ。その日本法人であるCognite株式会社(本社:東京都千代田区)は設立1周年を機に、2020年10月22日、日経ホールで記者会見を開催、事業の現状と今後の事業戦略を語った。

【デジタル深層流】バイデン政権の米情報通信政策― MM総研 代表取締役所長 関口和一

米国の世論を真っ二つに割った大統領選は民主党のジョー・バイデン氏の勝利で幕を閉じた。米国の大統領は2期8年務めるのが通例だが、トランプ大統領は4年でその座を降りる。4年で任期を終えた大統領は最近では民主党のジミー・カーター氏、共和党ではジョージ・ブッシュ(父)氏がいる。大統領選の論評はほかに譲るとして、ここでは政権交代が米国の情報通信政策にどんな影響を与えるか考察したい。

【ICT道標】MNO料金引き下げではなくMVNOへの誘導を― MM総研 研究課長 作山哲二

2020年3月末の国内独自サービス型SIMの回線契約数は1500.5万回線となり、前年比14.3%増を記録。また、携帯電話(3GおよびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は8.2%に高まった。2017年9月末以降、伸び率は緩やかに鈍化している。格安スマホは、大手携帯電話事業者(MNO)と比べて3分の1程度の通信料金でスマホが持てることから市場が拡大した。しかし、事業者間では値下げやキャンペーンなどすでに過当競争を迎えており、格安スマホ事業者の間では淘汰の時代に入っている。

【編集後期】李健熙氏が日本から学んだもの― MM総研 主幹研究員 水野博泰

弊社主催カンファレンス「Ignite Tokyo 2020 日本のモノづくりをデジタル変革」を10月22日に開催した。詳細は本号記事(p.27)に譲るが、たいへん盛会であり、来場者・視聴者アンケートには参加目的として「DX(デジタルトランスフォーメーション)の最新動向を学ぶため」という書き込みが多くあった。コロナ禍にあっても、変革に立ち向かうための「学び」は止まっていないことを実感。そのための場をMM総研として提供できたことが嬉しい。そんなところに、韓国サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長の訃報が飛び込んできた。サムスンを世界のトップ企業に飛躍させた中興の祖であり、ことさらに「学び」を大切にする人物だった。

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