コロナ禍の技術革新「1年で10年分のスピードを実感」(2020年11月号 No.293)

【特集1】「社会貢献につながるデジタル技術発信を」― 対談で村井教授

今年で17回目を迎える「MM総研大賞2020」 表彰式が9月17日、都内ホテルで開催された。大賞を獲得した「富岳」をはじめ、コロナ禍で急速にデジタル化が進む日本を象徴する数多くの製品やサービスが受賞した。ポストコロナに向けた日本のデジタル化の現状と課題、日本のデジタル技術が世界で果たすべき役割などについて、MM総研大賞の審査委員長を務めた村井純慶應義塾大学教授に話を聞いた。

【特集2】「アプリケーションファーストが富岳の強さ」と理研の松岡聡 計算科学研究センター長― MM総研大賞2020、最高賞は「富岳」

MM総研は9月17日、都内ホテルを会場に「MM総研大賞2020」の表彰式・レセプション を開催した。最高賞にあたる大賞を受賞したのは、理化学研究所(以下、理研)と富士通が共同開発した「富岳」。受賞企業を代表して挨拶した理研の松岡聡計算科学研究センター長は「アプリケーションファーストでコ・デザインをしてきた。富岳はスーパーコンピュータとAI、ビッグデータの両方が詰まっている。世界最高性能であり、世界最高に使いやすいCPUを生み出すことができた。富岳の開発の裏には数千人の方々が貢献しており感謝したい」と語った。 また、富士通の新庄直樹 理事 プラットフォーム開発本部長は「富士通はイノベーションによって持続可能社会をめざしている。富岳はそれを体現できるものだと思っている」と今後の活用に向けた強い自信をみなぎらせていた。

【特集3】コロナ禍で変わるセキュリティ需要に対応急ぐベンダーの戦略― テレワーク、クラウド、ゼロトラストに強み磨く

新型コロナを受けてセキュリティのトレンドも変わってきた。テレワークが急速に普及する中でZoomやOffice365などクラウドベースのシステムが企業の管理権限を超え、管理していない端末の利用やネットワークへのアクセスが増えている。このような状況へ対応するセキュリティニーズは高まっており、セキュリティベンダーやSIベンダー各社はテレワーク、クラウド、ゼロトラストといった領域でそれぞれの強みを打ち出し始めた。代表的なベンダー各社の事業戦略を報告する。第一部は日本IBM、 富士通、日立ソリューションズを、第二部はNTTグループを取り上げる。

【トレンド1】ドローンは日本の物流を救えるか― シリーズ「エアモビリティの最新動向を追う」②

ドローンを活用するための実証実験が全国各地で行われている。それらを俯瞰すると大きく2つに分類できる。1つは「国家戦略特区型」で新技術開発や産業創出の先端を行く。もう1つは「過疎地物流対策型」。これは多頻度小口配送が加速する物流業界の救世主として期待が高まっている。人手不足に悩む貨物輸送業者だけでなく、物流コストの高騰に直面するEコマース事業者も自ら対策に動き始めている。

【トレンド2】「空の産業革命」を導く無人航空機の進化― 「Japan Drone 2020」現地報告

9月29日〜30日に「Japan Drone 2020」が幕張メッセで開催された。一般社団法人日本UAS産業 振興協議会(理事長:鈴木真二東京大学名誉教授、以下「JUIDA」)が主催する国内最大級の無人航空機専門のカンファレンスイベントだ。会場取材を踏まえドローン・無人航空機産業の最新の技術・サービスを報告する。

【トレンド3】MVNOのビジネスモデルを一変させる 「クラウドSIM」の可能性― MNO依存からの脱皮に一役

2020年から日本でも始まった無線通信規格5Gはコンシューマ向けではなく、企業・ビジネス向けに大きな変革をもたらすだろうか。格安スマホと呼ばれて久しい、 自前の回線を持たないMVNOの役割にいま改めてスポッ トが当たろうとしている。カギを握るのが、クラウドにSIMを置く「クラウドSIM」だ。MNOの“引力圏”から脱皮をめざすMVNOにとって、クラウドSIMは5G時代にふさわしいビジネスモデルの可能性を秘める。

【経営1】世界最多の星を投影できるプラネタリウムを無料オンライン配信― 大平技研

大平技研(本社:神奈川県横浜市、大平貴之代表取締役)はプラネタリウムの開発から製造、販売までを手掛けるベンチャー企業。社名よりも代表者の大平氏の名前はこの分野で知らない者は少ないだろう。プラネタリウム・クリエイターとして独創的な光学式プラネタリウム「MEGASTAR(以下、メガスター)」を製品化した人物だ。「MEGASTAR」の第一世代は100万個以上の星の投影を実現。2004年には世界最多の500万個の星空を映し出した。新型コロナが流行する中、逆境をばねに大平氏は無観客・無料オンライン配信によるプラネタリウムに挑戦するとともに、超巨大ドームでの投影など夢を追いかけている。

【経営2】走るランナーにシューズが音声でコーチ― アシックスとno new folk studioが共同開発

走行中のランナーに向かって足元のセンサーから走り方を音声でコーチするスマートシューズが登場する。大手スポーツ用品メーカーのアシックスとスマートシューズ分野のベンチャー企業の株式会社no new folk studio(本社:東 京都千代田区、菊川裕也代表取締役)が共同開発した「EVORIDE ORPHE」だ。今年の年末からアシックス直営店で販売が始まる。両社提携から製品開発にいたった経緯、今後の方向性について、アシックススポーツ工学研究所主任研究員の猪股貴志氏と、no new folk studioの菊川裕也代表取締役に取材した。

【経営3】全国展開を視野にローカル5Gの実証実験を開始― オプテージ

2019年12月末に28GHz(ミリ波)帯域の一部で制度化されたローカル5Gは、20年内に他帯域での免許申請も始まる予定だ。特に4.5GHz帯(サブ6)はミリ波に比べ帯域幅が広い上、直進性の強いミリ波帯より扱いやすいため、さらに導入・利用の拡大が見込まれている。現在、30以上の企業がローカル5G参入に名乗りを上げているが、そのなかで、西日本地域でいち早くローカル5G事業に着手したオプテージを取材、実証実験の内容や今後の展開について報告する。

【経営4】サプライチェーンマネジメント関連特需に動く有力ベンダー― 中堅企業を中心にパッケージ市場を開拓

需要予測や在庫適正化を支援するソリューション市場が拡大している。背景には新型コロナによる先行き不透明感や、ベテラン社員の退職があるようだ。特に中堅以下の製造業では、過剰在庫対策や今後の需要をどう見るかが業績を大きく左右する。こうした課題をICTで支援する有力ベンダー3社(富士通九州システムズ、フェアウェイソリュー ションズ、日立ソリューションズ東日本)を取材した。

【経営5】ドイツ、合併で体力付ける強者には「ライバル育成」を義務付け― 競争促しMNOに新規参入も

ドイツの携帯電話料金は日本より低い水準にある。背景には事業者の投資能力を確保しつつ事業者間の競争は促そうとするEU政府の姿勢が働く。2014年に4Gの投資能力確保に向けMNO同士が合併したドイツでは、合併後にMVNOの収益シェアが拡大、2019年の5Gオークションに伴い、新規のMNO事業者が誕生した。

【デジタル深層流】NTT「再・再々編」への大号砲― MM総研 代表取締役所長 関口和一

菅義偉内閣発足のニュースで通信株が売られたそのわずか2週間後、通信業界に新たな激震が走った。NTT持ち株会社によるNTTドコモの完全子会社化だ。22年ぶりに親子上場を廃止し、グループが一体となって成長戦略に力を注ぐという発表だ。メディアでは菅政権による携帯料金の値下げ要請に応えるのが狙いとも報じられたが、実際にはNTTの長年の悲願だったグループ大合同に向けての号砲と見るべきだろう。

【ICT道標】2021年からローカル5Gの導入が加速― MM総研 執行役員 研究部長 渡辺克己

企業や自治体が用途に合わせてネットワークを構築できるローカル5G。2019年12月に制度化され、通信機器メーカーや通信事業者、大規模な工場を保有する企業などが、無線局免許を取得して実証実験を開始した。電波が届く距離や速度の検証と高精細カメラ画像解析、自動搬送車制御、ロボット遠隔操作などのアプリケーションを開発している。

【編集後期】「場」と「空気」の力学― MM総研 主幹研究員 水野博泰

9月17日(木)に「MM総研大賞」の表彰式が開催された。本号から、審査委員長の村井純慶應義塾大学教授を手始めに、順次受賞者インタビューを掲載していく。筆者はMM総研大賞の表彰式に初めて参加させていただいた。一時は、コロナ禍で開催そのものが危ぶまれたが、万全の感染予防対策を施して開催できたことは本当に喜ばしい。手前味噌ではあるが、こうした授賞ものは世に多々あれど、ICT分野に特化し、産業の発展を第一に願い、専門的な知識と知見から幅広いジャンルを見渡し、製品やサービスの本質的な価値と意義を見抜き、その関係者の創意工夫と研鑽努力を懸賞するというものは、他に例を見ない。

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