キャリア依存から脱皮急ぐ携帯販売代理店(2020年8月号 No.290)

【特集1】店舗・人材への継続投資と独自収益の確保に注力― 携帯販売代理店の動向

携帯代理店業界を取り巻く市場環境はかつてないほど厳しい。消費税増税、電気通信事業法改正に伴う端末値引きの制限で販売市場全体が低迷。これに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルス感染症の拡大だ。先行き不透明感は一段と強まり、明るい材料は見いだせない。代理店各社は提案力や接客品質の向上を通じ、通信事業者や顧客からの評価を高める取り組みを強化するとともに独自収益の確保に注力している。

【データ1】PCサーバー特需一巡、コロナ後はハイエンドシフトも― 2019年度国内PCサーバー市場調査

MM総研がまとめた2019年度(2019年4月~2020年3月)のPCサーバー国内出荷実績の調査結果によると、出荷台数は44万4985台で前年度比3.6%減となった。半期別に見ると、上半期は前年同期比1.0%増の21万6685台、下半期は7.6%減の22万8300台となった。台数、金額とも上半期は堅調に推移したが下半期に失速した。出荷金額は2837億円で前年度比1.6%減、出荷単価は63.8万円で前年度から1.4万円上昇した。

【データ2】AI導入済み企業、投資額がIT予算の2割に迫る― 国内法人におけるAI導入実態調査(2020年5月末時点)

MM総研は、国内企業にWebアンケートを実施し、2020年5月末時点のAI(人工知能)の導入実態をまとめた。IT導入の決裁権者や選定に関与する担当者7,487社について、さらに詳しく分析した。なお、AIソリューションとは、深層学習や機械学習を伴った画像認識、音声認識、デ ータ予測などの法人向けシステム、ソフトウエア、クラウドサービスの全般を指している。

【トレンド1】西日本地域・通信事業者各社の取り組み― With/Afterコロナへの対応

FTTH市場は今後も拡大が見込まれる一方で、市場の成熟も見られることから伸び率は緩やかになるとMM総研では予測してきた。しかし新型コロナウイルス感染拡大を機にテレワーク需要が増大、通信が安定するFTTHは改めて見直されている。前号に引き続き、西日本地域・通信事業者に対し、2019年度の状況とともにWith/Afterコロナへの対応、今後の取り組みについて取材した。

【トレンド2】まずはAI-OCRでICT市場参入― AI inside

リモートワークへの移行が急激に進む中、業務プロセスのオンライン化でネックとなるのが紙の存在だ。取引先とのやり取りなど、完全に紙をなくすことは難しい。紙書類の存在をあえて受入れ、RPAやOCR(光学文字認識)で業務プロセスの効率化に取り組む企業にとって、力強い援軍になって いるのが、AIを活用したOCRで読み取り精度を高めたベンチャー、AI insideだ。

【トレンド3】オーストラリア発NaaSの実力― 日本進出を果たしたMegaportの戦略

新型コロナウイルス騒動を機に、クラウドサービスへの注目度が高まっている。ただし、高いセキュリティ、安定した接続品質、専用帯域の柔軟な設定といったハイエンドニーズに対しては課題も少なくない。そこに商機を見出したイノベーティブなベンチャーが急成長しており、満を持して2019年11月に日本市場に参入した。豪州ブリスベンに本拠を置くMegaport( ヴィンセント・イングリッシュ CEO)である。同社提供サービスの狙いと新味は何か。東京ー豪州・ブリスベンー米国・サンフランシスコをオンラインカンファレンスで結び、新サービスの要諦と日本市場攻略の戦略を聞いた。

【経営1】3Dプリントしたマウスピースで歯科矯正を身近に― フィルダクト

オーラルヘルスケア・スタートアップの株式会社フィルダクト(本社:東京都千代田区、金子奏絵代表取締役 CEO)は、3Dプリンターを活用した透明マウスピース型歯科矯正サービス「DPEARL(ディパール)」を提供する。高額な治療費や期間の長さなどで歯科矯正を敬遠する向きも多いが、 その原因になっているのが歯科技工の仕組みともいえる。 自ら歯科技工士の免許を持つ金子奏絵社長に取材した。

【経営2】LoRaWANを活用したIoTソリューションを展開― センスウェイ

コロナ禍の中で企業はデジタル化の動きを加速させてい る。無人化/省人化に注目が集まる中、IoTはいよいよ本格的な普及期に入った。IoTに必要不可欠な省電力・長距離通信ネットワークのLPWA分野で実績を上げているのが、センスウェイ株式会社(本社:東京都中央区、神保雄三代表取締役社長)だ。LPWAの規格の一つ「LoRaWAN(Long Range Wide Area Network)」に特化したIoTソリュ ーションを展開する同社に取材した。

【経営3】SMB市場を見据える― シスコの次世代ネットワーク戦略

新型コロナウイルスの影響でネットワークのありようが大きく変わろうとしている。クラウド活用に加え、リモートワークの普及により、これまでの「下り回線」主体の使われ方から、Web会議システムなど「上り回線」での活用も広がりつつある。これに加え、遠隔医療やICT教育、リモート機械操縦など業種別での新たなICT活用にも注目が集まる。ネットワークをどのように使うかが重要な局面になりそうだ。そうした次世代のデジタル変革をいち早く見据えているのが世界最大手のネットワーク機器ベンダー米国シスコシステムズ。世界でのネットワーク環境に精通するシスコが見据えるネットワーク はどのような姿なのか。同社の次世代ネットワーク事業について、日本法人のシスコシステムズ合同会社に取材した。

【経営4】災害時のタイムリーなSNS情報をAI分析、可視化― NECがTwitter Japan、NTTデータと協力し提供開始

新型コロナウイルスで急に広範囲でタイムリーな情報が必要になる中、ビッグデータやAI、SNS情報の活用に注目が集まっている。大雨・台風災害が今年も各地で発生。こうした際にカギとなる緊急情報をつかむ手段として、NECは災害時のTwitter情報をAIで分析して地図上に可視化する新しいソリューシ ョンを発表、提供を開始した。

【経営5】MVNOサービス、音声通話で新プラン相次ぐ気配― 総務省がドコモに卸値下げの裁定で

MVNOの日本通信が総務省に裁定を求めていたNTTドコモ(以下、ドコモ)による音声通話サービスの卸料金引き下げについて、総務省は6月30日ドコモに対し卸値下げを求める裁定を発表した。この結果、MVNO向けに卸す音声通話の価格ではドコモが他のMNO各社より安価になり、MVNOは音声通話を重視するユーザーに向けてドコモ回線を活用した新プランを出す可能性が高い。

【経営6】Apple Watchに続く「Suica」対応デバイス― ガーミンジャパン

ガーミンジャパン株式会社(本社:埼玉県富士見市、LeonTeng 代表取締役、以下 Garmin)と JR東日本は、Garminのスマートウオッチが5月21日より交通系ICカー ド「Suica」に対応したことを発表した。Suica対応は「Apple Watch」のみだったが、 GarminのデバイスでもSuicaの発行やチャージに対応し、鉄道利用や買い物などができるようになった。GarminのSuica対応はどのような意味を持つのか、その背景を追った。

【経営7】EU、携帯料金に消費者保護が浸透― イギリスは日本の6割安

EUの携帯電話料金は、日本や米国などよりも低い水準に抑えられている。背景には、料金の適正化に向けた EUの消費者保護に関する取り組みがある。EU主要国の中でも特に携帯電話料金が安いイギリスは、消費者保護に関する政策を積極的に展開し、消費者が適正な料金でサービスを利用できるよう努めている。

【デジタル深層流】安倍晋三首相が残した宿題― MM総研 代表取締役所長 関口和一

日本政府による経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)のとりまとめが大詰めを迎えた。このレポートが届くころには発表されていると思うが、今回の大きな特徴は行政のデジタル化を目玉に掲げたことである。新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、特別定額給付金の支給などで日本のIT化の遅れが露呈してしまった。安倍晋三首相は骨太方針を閣議決定した後、 ニューノーマル(新常態)時代に向けた日本経済の在り方を描く会議を新たに設ける計画だという。

【ICT道標】“急がば回れ、利活用や運用管理に大きな課題、 急ピッチで進むGIGAスクール構想”― MM総研 執行役員 研究部長 中村成希

令和2年度内に教育現場で1人1台情報端末配備を実現する。コロナ禍を受け急遽始まったGIGAスク ール構想の大幅前倒し。しかしあまりに急な配備は、負の側面も生み出している。明らかな準備不足の中で、端末やIDを選ぶことを余儀なくされた教育現場は、困惑の表情を隠せずにいるのだ。利活用や運用の方針、学校、教員、家庭の役割分担、教育の活用スキル向上といった問題の早期解決が求められている。

【編集後記】さらば“DX ごっこ”― MM総研 主幹研究員 水野博泰

豪Megaportへのオンラインインタビューに同席させてもらった。いくつかの学びがあった。1つはNaaS(Network as a Service)という新しいサービス概念について。クラウド利用者に品質と帯域をオンデマンドで提供するという発想は出るべくして出たと言えよう。多くのメディアやウェブサービスが、ユーザーに対する圧倒的主導権をキュレーターやアグリゲーター、比較サイトに脅かされてきたように、クラウドにおいてもプラットフォーマーの寡占構造に楔を打つことになるかもしれない。ICTでの競争に「変わらない」という選択肢はない。

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