正念場を迎える日本の技術開発(2019年1月号 No.271)

【特集1】日本のICT企業のポジションを確認する― 2019年は通信勢を軸にAIやMRなどの新規技術開発推進を期待

 年末年始のシーズン、ICT企業の経営幹部やビジネスリーダー、有識者の方々と懇親の機会を持たせていただくことが増えている。決まって景況感、市場観、そして経営における先行き見通しが話題となる。背景にあるのは世界情勢の不透明さが増していることに加え、ICT技術の開発、投資、回収(事業)に関し、日本企業や日本市場のポジションが変化しつつあり、特に回収面から開発投資につなげるサイクル(勝ちパターン)が見えにくくなっているのではないかという印象を持つからだ。本稿ではこれらの判断の基礎となる足元の(自社)企業成長力、体力の目安となる企業の時価総額について、主要ICT企業をランキング形式でまとめ、近時のトピックスとともに整理してみる。

【特集2】ディープテックに流行の兆し― 様々な産業に破壊的イノベーションを起こす

 2019年はディープテック(Deep Tech)がより注目を集めるものと考えている。AI(人工知能)、ロボット、仮想現実などの最先端テクノロジーを指す言葉だが、すでにグローバルでは、スタートアップ市場にトレンドの兆しが出てきている。社会にインパクトを与えるディープテックスタートアップの起業は増加傾向にあり、日本でも投資が増え始めている。今回は、ディープテックの現状や今後の可能性について言及したい。

【データ1】OS入れ替え需要拡大で法人系出荷が14.8%増― 2018年度上期 国内パソコン出荷概要

 MM総研がまとめた2018年度上期(4~9月)の国内パソコン総出荷台数は前年度同期比6.4%増の524.3万台(データ1)、出荷金額は9.2%増の4,760億円となった。出荷ルート別では、店頭量販店及び個人向けWeb 直販を主力とする「個人系ルート」が7.8%減の168.2万台だったのに対し、法人直販および法人向け販売店への出荷を主力とする「ビジネス系ルート」が14.8%増の356.1万台となり法人市場が成長を牽引した(データ2)。

【データ2】キャリアのAndroidタブレット失速で15.7%増― 2018年度上期 国内タブレット端末出荷概要

 MM総研がまとめた2018年度上期(2018年4月~9月)の国内タブレット端末の総出荷台数は前年同期比15.7%減の381万台となった。回線別にみると、携帯電話キャリア(以下、キャリア)の3G/LTEネットワークを利用する「セルラータブレット」が203.7台(25.2 %減)、無線LANのみをネットワークとして利用する「Wi-Fiタブレット」が177.3万台(1.3%減)で、セルラータブレットの減少が市場全体を押し下げる結果となった。

【データ3】独自サービス型SIM契約数が前年比28.7%増加― 国内MVNO市場規模の推移(2018年9月末)

 MM総研は国内MVNO市場の2018年9月末時点での実績をまとめた。独自サービス型SIMの回線契約数は1,202.7万回線となり、前年度同期比28.7%増を記録した。また、携帯電話(3GおよびLTE)契約数に占める独自サービス型SIMの契約数比率は7.0%に高まった。

【データ4】ワイヤレス契約は273万件、今後も継続的に拡大と予測― ブロードバンド回線事業者の加入件数調査(2018年9月末)

 MM総研は2018年度上期(2018年4月~9月)のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果をまとめた。2018年9月末時点のFTTH(光回線サービス)の契約数は3,073.6万件で、2018年度上期では44.2万件増加した(上期中の伸び率は1.5%)。前年同期の純増64.8万件を大きく下回る結果となったのは一部事業者による集計方法の変更があったためだが、FTTH市場は継続的に成長鈍化傾向にあり、世帯普及率の高まりとともにユーザーの一部がワイヤレスを含むモバイルデータ通信へシフトしている。光コラボレーション(以下、光コラボ)の契約数は2018年9月末1,199.3万件で、FTTH市場全体に占める割合は39.0%となった。

【トレンド1】光コラボに対抗、西日本電力事業者の動向― 西日本地域・通信事業者各社の取り組み①

 NTT東西が光回線の卸サービスである光コラボレーションモデル(以下、光コラボ)を開始して間もなく4年になろうとしている。転用(フレッツ光からの乗り換え)の動きは落ち着きを見せつつあるが、携帯キャリアを中心とする光コラボ事業者の攻勢で新規開通の勢いは衰えていない。競争が厳しい西日本地域で通信事業者各社はどう戦うか。光コラボに対抗する電力系通信事業者について、各社の2018年度上期の状況と今後の取り組みについて取材した。

【対談1】東日本電信電話株式会社 酒井 大雅 経営企画部 営業戦略推進室担当部長― IoT環境の構築をサポート ~農業など現場のノウハウをデジタル化

 NTT東日本が展開する「ギガらくWi-Fi IoTサポートオプション」はIoT デバイス、IoT ゲートウェイ、IoT クラウドに運用サポートを組み合わせたサービスだ。第1 弾の農業向けに続き、2018年11月には工場向けの提供を開始した。運用サポートを付けることで、IT専任者や担当部署がない中小企業などでも手軽にIoTを導入・活用できる。この点が評価され、「MM総研大賞2018」IoT分野で最優秀賞を受賞した。サービスの特長と今後の展開について、NTT東日本の経営企画部 営業戦略推進室担当部長 酒井 大雅氏に聞いた。

【対談2】三井化学株式会社  橋本 修  取締役 常務執行役員 ヘルスケア事業本部長― ウェアラブルデバイス戦略に布石  ~遠近両用次世代アイウェア「TouchFocus(TM)」

 三井化学の「TouchFocus(TM)」はワンタッチで遠近を瞬時に切り替えられるレンズ焦点切替機能を搭載した遠近両用メガネ。従来の遠近両用眼鏡に比べ視界の歪みが少なく、手元などの近くの視界と、中間から遠方の距離の視界をスイッチ1 つで切り替えられる。「MM総研大賞2018」では「将来への影響が大きい」との高い評価を受け話題賞を受賞した。同社取締役 常務執行役員 ヘルスケア事業本部長の橋本 修氏に開発に込めた思いなどを聞いた。

【経営1】セキュリティ、人材育成や新技術の取得などに先行投資― セキュリティの主要事業者4社の動向

 IoT機器を狙ったサイバー攻撃が急増しており、早急な対策強化が緊急課題になっている。サイバー攻撃が多様化する中で、セキュリティ事業者はどのようなソリューションを提供できるのか。セキュリティに関する運用負荷軽減や専門家による分析を含むマネージド・セキュリティ・サービスを中心に、主要ベンダーの取り組みやトレンドについて報告する。

【経営2】日本初のゲーミングスマートフォン発売― ASUS「ROG Phone」

 国内でeスポーツに注目が集まり、花開く機運を見せている中、日本初のゲーミングスマートフォンとして、ASUSが11月末「ROG Phone(アールオージーフォン)」を発売した。価格は119,550円(税抜き)。これまでゲームを快適に楽しめるとアピールするスマートフォンはあったが、ゲーミングパソコンと同じようにゲームに特化した端末は国内で発売されていなかった。そうした中で、ROG Phoneはまさにゲームプレイに最適化された、ゲーミングスマートフォンという言葉にふさわしい仕様となっている。

【経営3】「睡眠×ICT」のSleep Techに注目集まる― 主要2社の事業戦略/ニューロスペース、ドコモ・ヘルスケア

 ICTの技術で不眠症などを解消する「Sleep Tech」が注目されはじめた。「眠れない」「寝た気がしない」といった睡眠に悩みを抱える人は多く、“睡眠負債”という言葉までささやかれている。家電・ITの世界見本市のCES(会場:米ラスベガス)でも2017年からSleep Tech ブースが特設されるなど、注目度は高い。ベンチャー企業をはじめ、通信キャリア、センシングデバイスメーカーなどがこの「睡眠×ICT」サービスに相次いで参入している。注目企業として、ニューロスペースとドコモ・ヘルスケアの事業戦略をレポートする。

【経営4】2020年代実用化の夢運ぶ「空飛ぶクルマ」― 有志団体のCARTIVATORの福澤代表が構想語る

 NECが運営するビジネスポータルサイト「wisdom」主催のセミナーが12月7日に開催され、「空飛ぶクルマ」をテーマに講演が行われた。個人参加の有志団体CARTIVATORの共同代表で、株式会社SkyDrive(本社:東京都新宿区)代表取締役の福澤 知浩氏が登壇し、空飛ぶクルマ開発の進捗や課題について語った。

【IT業界の深層流】憂鬱なサイバー攻守の「非対称性」

 サイバー攻撃については攻撃側が守備側に対し、圧倒的な優位に立っている。両者が対等なら「対称的」だが、一方が有利であれば「非対称的」である。サイバー攻撃の攻守には「圧倒的な非対称性」の関係がある。特にIoTの時代に入って、その「非対称性」がさらに拡大しているのが憂鬱である。

【IT道標】総務省の緊急提言と携帯販売代理店の将来像

 「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言」が総務省主導でまとめられた。“緊急”に込められた狙いはさまざまあるだろうが、少なくともモバイル市場に関わる事業者に大きな変革を迫る最終通告と言ってもよいだろう。提言の柱は通信料金と端末代金の完全分離だ。端末購入を条件とする通信料金の割引廃止にまで踏み込んだ内容となっている。もう一つの柱は、販売代理店に対する届出制度の導入だ。これにより行政が直接実態を把握し、代理店独自の過度な端末購入補助や不適切な勧誘行為に対して、業務改善命令を出せるようになる。総務省ではこれらの提言の実現に向け、電気通信事業法の改正を含めた必要な措置の早期実現を図る方針だ。

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