成長続くプライベートクラウド、日本優勢どこまで続くか(2017年2月号 No.248)
【特集1】クラウド普及率の上限は6 割程度か― MM 総研「国内クラウドサービス需要動向2016 年版」を解説
東日本大震災被害からの復旧に追われていた5年前、日本におけるクラウドコンピューティングの普及率は、わずか数パーセント程度に過ぎなかった。その後、日本のクラウド市場は急拡大を続け、市場規模は1 兆円を突破した。MM総研が実施した市場規模の将来予測によれば、今後5 年間に渡り年平均27.4%の成長を続け、2020年には3兆3,000億円を超える。クラウドコンピューティングは大きな成長を遂げたが、国内でのパブリッククラウド型サービスの普及率は17.0%であり、まだ伸びしろが大きい。本稿ではこの「伸びしろ」がどのようなものであるか、いくつかの視点からそれを探ってみたい(M&D Report2017年1月号の15-16ページを参照)。
(新谷 隆)
【データ1】PCサーバー、出荷金額の傾向に変化― 2016 年度上半期国内PCサーバー出荷概況
MM総研は2016年度上半期(2016年4~9月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。出荷台数は前年同期比12.0%減の20万3,094台、出荷金額は同8.9%減の1,121億円となった。出荷金額は、2011年度上期以降10半期連続で増加を続けていたが、今期は11 半期ぶりにマイナス成長となった。これまでサーバー市場はソフトウェアによるサーバー仮想化の影響で台数は縮小傾向だったが、CPU、メモリ、I/O等の高性能要求により、出荷金額では成長を続けていたが、その傾向に変化が現れはじめた。
(中村成希)
【データ2】普及期迎えたIoTサービス、導入のポイントは コスト、信頼性、セキュリティ― 導入状況調査を実施。初の「ブランドイメージ」調査も
MM総研は国内企業におけるIoT(Internet of Things)の導入状況調査を実施し、結果をまとめた。IoTの導入状況を尋ねたほか、IoTプラットフォームサービス(IoT環境を構築するためにカスタマイズされたIaaS/PaaS)を提供する事業者のブランドイメージを調査した。
(渡邉克己、加瀬惇也)
【データ3】国内コンテンツ市場規模はAR59億円、VR27億円、 VR HMDは55億円の見通し― ARとVRに関する一般消費者の利用実態と国内市場規模調査(2016年11月)
MM総研は、AR(拡張現実、Augmented Reality)とVR(仮想現実、Virtual Reality)における一般消費者の利用実態および市場規模に関する調査を実施し、結果を発表した。2016年11月に実施したユーザー調査に基づく分析で、本テーマでは初の調査となる。
(藤井貴大)
〈ヒト型ロボット最前線⑯〉バーチャルホームロボット― ウィンクル、Gatebox(ゲートボックス)
好きなキャラクターと一緒に暮らす―。漫画やアニメが好きな人なら、つい考えてしまうような夢の実現をめざしている企業がある。株式会社ウィンクル(本社:東京都千代田区、武地 実代表取締役)だ。同社はプロジェクション技術、音声認識技術、センサーなどを組み合わせてバーチャルホームロボット「Gatebox」(ゲートボックス)の開発に取り組んでいる。ユニークな製品企画、販売戦略、そしてホームIoT をテーマに同社を取材した。
(水品直毅)
〈ヒト型ロボット最前線⑰〉ロボット保守事業者から見たロボット市場の今― 日立システムズ、ロボティクスサポートサービス
コミュニケーションロボット、ドローン、装着型ロボットをはじめとしたさまざまなロボットの登場により、その周辺のビジネスにも新しい動きが出てきた。保守ビジネスもその1つ。IT機器の保守ビジネスが縮小傾向を迎える中で、各社はロボットという新しいデバイスに手を伸ばす。今回は株式会社日立システムズが手掛ける法人向けロボット事業「ロボティクスサポートサービス」を紹介する。ロボットビジネスの動向、法人におけるロボットのニーズ、そしてロボット普及のための課題を検証した。
(水品直毅)
【トレンド3】関心高まるWebセキュリティ診断サービス― 代表的ベンダー各社の戦略〈連載①〉
インターネットを利用した各種サービスが普及する中で、Webサイトを標的とする攻撃は増加、かつ巧妙化しており、Webの脆弱性診断、改ざん検知への関心が一段と高まっている。代表的なセキュリティベンダー7社について、各社の取り組みをシリーズで報告する。
(加太幹哉、小野寺つぐみ)
【トレンド4】顧客にささるSI提案をバーチャルな場づくりで テストマーケティング― 富士通のSI系部門の再編・強化策とは
富士通は2016年11月1日付で子会社の大手SE 会社3社、従業員数計約9,400人を本体のSI系部門に吸収合併した。本体のSIを担当するグローバルサービスインテグレーション部門は、約1 万4,000人のSEを抱える巨大組織に生まれ変わった。体制強化の狙いやSI系部門の活動変化の状況をレポートする。
(上田浩志)
【トレンド5】さまざまな用途に広がりを見せる赤外線サーモグラフィ― 赤外線市場をリードするTFF フルーク、チノーの取り組み
「点」ではなく画像による「面」で対象物の温度を一括して見ることができ、対象物から離れていても温度測定ができる赤外線サーモグラフィは保安、検査など幅広い用途で活用が進んでいる。従来、数十万から数百万円する赤外線サーモグラフィだが最近では、フリアーシステムズジャパン社が10万円を切る赤外線サーモグラフィ「C2」を発表。超廉価帯機種によりユーザーの裾野も確実に広がってきている中で、今後の展望について赤外線市場をリードする2社に聞いた。
(横森 忍)
【対談】株式会社ソラコム玉川 憲代表取締役社長― モノ向けの通信を手軽に
ソラコムは、IoT、M2Mに特化した、プラットフォームを提供している。データ通信から収集されたデータを蓄積するクラウド、セキュアな情報管理を可能とする接続機能などを一貫して提供。NTTドコモとL 2接続し通信を提供しているが、通常パケット交換機が行う機能の一部をクラウド上で代替し、コストを削減した。さらにクラウド上で管理しているSIMをAPIなどからプログラマブルに一括操作でき通信速度の変更も可能だ。その革新性が評価され「MM総研大賞2016」IoTプラットフォーム分野で最優秀賞を受賞した。現在の取り組みや今後の展開について同社の玉川 憲代表取締役社長に話を聞いた。
(MM総研所長 中島 洋)
【経営1】販売環境の変化に対応した事業基盤の拡充と戦略投資を拡大― 携帯電話販売代理店の動向
総務省や通信事業者による消費者保護ルールの強化、過度な端末補助金の是正に伴う端末価格の上昇、格安スマホ市場の拡大など、携帯販売代理店を取り巻く市場環境は大きく変わりつつある。こうした市場環境において、携帯販売代理店各社は、キャリアショップにおける販売力の強化やCSの向上、法人ソリューションの拡充等を推進。同時に事業効率の改善やコスト最適化などを進めながら、新たな収益源の獲得に向けた取り組みを加速させている。
(池澤忠能)
【経営2】八洲電機― ワークスタイル変革に向けたIT 活用の取り組み
労働力人口の減少が進む中、多くの企業は従業員の定着率向上や人材の確保、スキルの継承、業務効率の改善、生産性向上といった課題に直面している。積極的にITを活用している企業に課題解決に向けた取り組みを取材する「ワークスタイル変革」シリーズ。今号で取り上げるのはエンジニアリング会社をめざす八洲電機だ。同社のワークスタイル変革の取り組みを紹介する。
(水品直毅)
【IT業界の深層流】EU のデータ保護指令の動きに注目―
【IT道標】日本の抱える課題に対するIT 利活用の拡大について― 未来投資会議から
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