データセンター事業者の最新動向(2005年 02月号 No.104)

【特集1】質の高いファシリティとコンサル能力が問われる時代に― データセンタ事業者の最新動向

Webサーバーなどのシステム運用を外部事業者の専用施設で行う「iDC(インターネットデータセンター)」の注目度が高まっている。サービス黎明期の大きな利用目的は、サーバーの設置スペースとサーバーをインターネットに接続するための通信回線を利用することだった。立地、セキュリティ、ネットワークなどのファシリティ面が重視された。次の段階では、ネットワークの構築に加えて、企業内システムなどを含めたアウトソーシングを求めるケースが増加した。顧客ニーズに対応できるシステム運用能力、ソリューション構築力が差別化の要素となった。需要が一巡してきたとみる事業者も出てきた現在、事業者はどのような戦略を取り、どんなサービスを提供していくのか。

【データ】国内市場は400万大規模に拡大― 04年度上期DVDレコーダー市場出荷概況

国内DVDレコーダー市場は03年度に垂直的な立ち上がりを見せ、02年度通期での出荷台数75万台から189.3%増の217万台を出荷した。04年度に入っても、アテネオリンピックを追い風に、その好調さを維持し、上期だけで前年比145.4%増の173万台を出荷する結果となった。下期では、223万台程度の出荷が予想されており、04年度通期の出荷台数は400万台に達する見込みだ。

【トレンド1】低価格化の進行と生き残りを賭けた合従連衡が続く― ホスティングサービス市場の動向

近年ホスティング市場が騒がしい。クボタの子会社ながらも独立色が強かったファーストサーバがヤフーグループに参加し、業界関係者が“次の一手”を見守っている。また、価格破壊の波も市場を席巻。従来の“安かろう悪かろう”というイメージも質の向上によりくずれつつある。今後のホスティング市場に大きな影響を与えうる事業者の動向を追った。

【トレンド2】新しいVPNサービスが市場を活性化― VPNサービスの動向

VPN(仮想施設通信網)サービスへのニーズが急速に高まっている。VPNのニーズの高まりとは、低価格でネットワークを構築しつつ、高い信頼性も確保したいというユーザーニーズの高まりの表出である。そのようなユーザーニーズを満たすべく、近年注目を集めているのが広域イーサネットワークとインターネットVPNである。全国的なサービス展開が進む中でサービス提供事業者の取り組みはどうなっているのか。全国主要7社の近況を追った。

【トレンド3】新聞本紙の付加価値向上と新たな収益源に― 大手マスメディアのインターネット戦略 Part1

インターネットでニュースを読み、情報を得ることは、日常の風景として定着している。その中で、信頼性の高いニュースソースとしては、やはり新聞社やTV局など大手メディアのWebサイトが筆頭に来るだろう。ほとんどのニュースが無料で、速報性の高いニュースを読むことができる。しかし、例えば新聞社にとっては、ネットでニュースを報道することと、新聞紙面での報道を、どう区別しているのだろうか。また、今後、ニュースやその他の情報を有料化していくつもりなのだろうか。そこで、大手マスメディアのインターネット戦略を2回に分けて紹介する。今月号では大手新聞社のインターネットの位置づけ、現状、今後の展望などについて各新聞社の取組みを明らかにする。

【対談1】ビジネスプロセスの設計・管理を支援し、顧客企業の営業力を強化― ソフトブレーン株式会社 宋 文洲 代表取締役会長

今号では異色の外国人経営者2人に登場いただき、日本企業の実力と問題点」を語ってもらった。いずれもビシネスに役立つ含蓄のある話をうかがった。最初が中国人の宋文洲会長。営業効率改善のツールである「eセールスマネージャー」を展開して現在は東証2部に株式を上場したソフトブレーンの創業者である。そのかたわら、自身のビシネス活動で固まってきた日本企業の問題点をえぐった2冊の著書『やっぱり変だよ 日本の営業』(日経BP企画)『ニッポン型上司が会社を滅ぼす!』(サンマーク出版)を上梓し、経営論の論客としても注目されている。

【対談2】ベンチャー、大手企業の新規事業を支援する社会インフラに― 株式会社サンブリッジ アレン マイナー代表取締役

2000年前後、ITバブルの最盛期には多数のIT向けの投資企業(ベンチャーキャピタル)が誕生した。ITベンチャーは東京・渋谷駅周辺に密集したため、渋谷地域は「ビット・バレー」と呼ばれたころである。サンブリッジも企業活動の空間と経営資源を提供するベンチャーキャピタルとして渋谷の中心地、マークシティを拠点に起業したが、ITバブルの崩壊とともに苦戦を強いられ、少し業態を変えながら再び飛躍への助走を始めたところである。創業者のアレン マイナー社長は日本語の上手な米国人経営者としてテレビなどのマスメディアにもしばしば登場する異才だが、オラクルの日本進出の初代代表として日本産業界の強みと弱みを知りぬいたビジネスマンでもある。日本のIT産業の展望とサンブリッジのビジネスの現況を聞いた。

【経営1】連載・ITサービスプロバイダの事業戦略2― ㈱ジャステックの事業戦略

バグの発生、納期の遅延、プロジェクトの採算割れ等々が続発する中、ソフトウェア開発における「生産管理技術」、「人員の能力向上」、「要員・協力会社の適正なコントロール」は、ITサービス業者にとって永遠の課題だ。そのため、新たな要素技術やニューサービスの提供をPRポイントとして掲げる企業は多いが、前述したような一見地味な課題の解決を前面に押し出せるITサービス業者は、実は多くはない。このような稀なケースに該当する1社、ジャステックに、その秘密を聞いた。

【経営2】トピックス― 1月の携帯電話店頭情報 ~ボーダフォンを支えるシャープ製端末

【1月の携帯電話店頭情報】
 年末年始の東京・新宿のカメラ系量販店店頭の携帯電話売り場は、家族連れなどで大変な賑わいを見せていた。05年1月初旬までの店頭状況をレポートする。

【注目企業の動向】
 ISIDの製造業向けソリューション・サービスが好調だ。従来強みであった「三次元CAD」のソリューションだけでなく、従来から力を入れてきたCAE(工業製品の設計・開発工程を支援するコンピュータシステム)製品分野の売上増が顕著になったことに加え、PLM(製品ライフサイクル管理)分野の製品にも勢いが出てきた。製造業向けソリューションは、04年9月中間の決算期で、前年同期比で10億2,800万円の増加の135億5,200万円。05年3月期でも289億万円の計画で、前年と比較して通期で20億円弱の伸びを見込でいる。他の事業が殆ど減収となる中、ひとりで全事業を牽引している様相だ。
 同社は、75年に㈱電通と米国GEとの合弁会社として設立。76年には構造解析ソフトウエアを、ホストから提供するサービスを開始。日本でのCAE分野での草分けとして、自動車・電機・精密などの業種の組み立て加工分野を中心に実績を重ねてきた。04年9月中間期で、顧客数は1,000社にも上り、今や、国内有数のエンジニアリングソリューションプロバイダに数えられる。

【トップニュース】IT業界の深層流 ~ウェブメソッドの小泉社長が退任

システム統合サービスの最大手、米ウェブメソッド社の日本法人社長、小泉明正氏が05年の年初に米国本社に出向き、退職を申し出ていたことが明らかになった。米本社はこの申し出を受理して、小泉社長の退社が決まった。後任は日本法人の3人の副社長の昇格も含めて米国本社で人選中だが、1月中旬現在では結論が出ていない。小泉氏の退任の申し入れが突然だったため、日本法人の内部も米国本社も急には対応できていないようだ。

【IT道標】PC販売における大量新聞広告の使い方

毎週、新聞に全面広告を打ち続けているITベンダーと言えば、デル、日本HP、日本IBMの3社。今やPCは利益を出しにくいビジネスになり、中国生産などコスト削減が当たり前となったが、新聞広告は大盛況。新聞社の重要スポンサーの一角をなしている。言うまでもなく最初に始めたのはデル。低価格イメージを植え付けるために大量の広告を出稿し、ダイレクト販売窓口を記した内容からインバウンド注文による直販実績も多いほか、アウトバウンドのテレセールスでも反応が良いという。

【MM総研セミナー】第2回MM総研セミナー― ~P2Pアプリケーション開発を支える新技術

MM総研が主催する第2回「MM総研セミナー」が、12月3日(金)に東京・泉岳寺の首都圏コンピューター技術者協同組合(横尾 良明理事長)で開催された。今回は「P2PのためのNAT超え」について、㈱フラクタリストの田中祐介社長が講演を行った。当日の様子を報告する。

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