新型WANサービスの回線数が急増、市場の裾野も拡大へ(2005年 03月号 No.105)
【特集】新型WANサービスの回線数が急増、市場の裾野も拡大へ― 法人向けデータ通信市場の動向
法人向けデータ通信市場は、従来の専用線サービスからIP-VPN、広域イーサネット、メガデータネッツなどの新型WANサービスを中心にした市場になった。大企業から小規模企業まで様々なニーズに対応するためにラインナップを充実させるNTTグループをはじめ、新型WANサービスを提供する主要事業者の近況を追った。
【データ】出荷台数は2年連続プラス成長、法人市場が好調を持続― 2004年 国内パソコン出荷概況
04年(04年1月~12月)の国内パソコン国内パソコン市場は、出荷台数で前年比4.2%増の1,249万台と2年連続のプラス成長を記録した (データ1・4)。しかし、出荷金額では同1.9%減の1兆7,360億円に留まり、4年連続で減少した(データ5)。個人・法人別に市場動向をみると、個人市場向けの出荷ルートである「店頭ルート」は、前年を4.4%下回る530.5万台、企業向け出荷は前年を11.7%上回る718.5万台となり、個人向け市場の伸び悩み、法人向け市場の好調という傾向が続いている(データ2)。メーカーシェアは、デルが暦年ベースでも3位の座を奪取。HP(日本HP) は、前年比45.5%増とランキングメーカーのなかで最も伸び率が大きく、順位を7位にあげた(データ1)。
【トレンド1】成熟マーケットに見出すビジネスチャンス― 大手ポータルサイトの動向を検証
インターネット接続世帯数は3,700万件(MM総研調べ)を超え、人口の半数以上がネットにアクセスできる環境が整った今、利用者の増加率は減少傾向にある。各社のサービスは、お互いの良い所を模倣しあうため似たり寄ったりのステレオタイプ状態に陥りがちで、個性不足や飽和感を漂わせる。成熟期に入りつつある市場で、他社から抜きんでるべく次の一歩を模索する主要ポータルサイト各社にスポットを当てる。
【トレンド2】連載・デジタル家電の行方7 ― 薄型TV市場における各社の提携実態 ~大再編時代が到来
デジタル家電の中心製品である薄型TV(液晶、プラズマ、リアプロジェクション、SED)のセットメーカーは、DVDレコーダーのセットメーカーと同様、急速な価格下落の影響から収益の悪化に悩まされている。しかしながら、国内世帯普及率は未だ10%強という状況であり、海外市場も含めると薄型TV市場はまだ立ち上がったばかりといっても過言ではない。これから先、激しい価格競争が予想される中で薄型TV事業を健全に展開していくために、セットメーカー各社は、部材の内製化率の向上など徹底的なコスト削減と生産性の向上を着々と進めている。そのような動きの中で現在一番目立っているのはメインプレーヤー同士の包括的アライアンスである。
【トレンド3】番組との連携を軸に本格的な課金ビジネスも視野に― 大手マスメディアのインターネット戦略Part2
大手マスコミのインターネット事業戦略として、前号では新聞社の動向を追った。今回はテレビ放送局のインターネット事業戦略について迫る。各放送局のホームページではそれぞれ特徴のあるサービスを展開。物販サイトを数多く運営している局もあれば、ゲームサイトで人気を集めている局もある。ホームページ上でのサービスをどのように展開し、どこへ向かうのか。2011年には地上波デジタル放送への完全移行が完了し、新たなサービスによる収入も期待できる。Webサービスだけでなく、モバイルへの対応も含めて各放送局の動向を追った。
【対談1】顧客から囲い込まれる高いソリューション力をめざす― 新日鉄ソリューションズ株式会社 棚橋 康郎 代表取締役会長
中国の華々しい経済発展に伴う鉄鋼需要の拡大で、日本の鉄鋼産業もまた急速に業況を回復している。衰退の道をたどっていると思った日本の鉄鋼業の底力を改めて認識するに至ったが、振り返って見ると、かつて鉄鋼業の栄光を担ったのは世界最先端の情報システムの高度利用である。その遺伝子は新日鉄グループの情報システム関連部門を統合した新日鉄ソリューションズに脈々と流れているのではないか。発足5年目を迎える同社の戦略について大合同を率いてきた棚橋康郎代表取締役会長に聞いた。
【対談2】IPv6やRFIDなど最先端ユビキタス技術への先行投資を積極的に推進― 株式会社インテック 中尾 哲雄 代表取締役社長 グループ最高経営責任者
2月1日、インテックは「05年3月末をもって中尾哲雄社長が退任、引き続きグループの最高経営責任者として経営に参画する予定」と発表した。ただし、びっくりしたのは後任社長についてのコメントで、「後任社長人事は3月24日開催の取締役会で決議する」として、同時発表は行わなかった。当分は中尾体制を維持しつつ、若い世代にバトンタッチする、という表明だろう。「IPv6」への果敢な挑戦など、富山に本拠を置く北陸の雄、インテックはユニークな存在として情報サービス産業の一角を担ってきているが、この決断はインテックのどのような未来戦略を示唆しているのか。さっそく、中尾社長に聞いてみた。
【経営1】連載・サービスプロバイダの事業戦略3― 多様な施策を打ち出し事業構造改革を推進 ~住商情報システム㈱
堅実な事業展開と先進的な事業の取り組みに定評のある「住商情報システム」が、その事業構造の改革に向けて大きく舵を切り出している。従来の常識が大きく変化し、その変化のスピードが速い現在、今迄の勝者は、強者であったが故に、敗者としての条件も一番先に備えるとも言える「パラダイム・シフト」が起きている。同社のパラダイム・シフトへの取り組みは、いかなるものか。その施策の数々を聞く。
【経営2】コストセンターからプロフィットセンターへ― コンタクトセンタアウトソーシング市場の動向
前回はコンタクトセンタ機器ソリューション事業を紹介し、顧客企業が課題としているCS向上の一環として市場が伸長していることを明らかにした。コンタクトセンタの設置は自社運営を選択する企業が大部分であったが、最近では全業務をアウトソーシングする例も増加している。経済不況下による各企業の苦しい台所事情が続いているが、コンタクトセンタ運営はCS向上だけでなく受注拡大を狙うプロフィットセンターとしても注目されている。
【経営3】トピックス― 2月の携帯電話店頭情報 ~FOMA1,000万契約突破に向け販促を強化 2月のパソコン店頭情報 ~液晶の美しさ、デザイン性を重視
【2月の携帯電話店頭情報】
2月中旬までの東京・新宿のカメラ系量販店店頭の携帯電話は、新製品のラッシュで盛り上がりを見せていた。特に、NTTドコモのFOMA「901i」「700i」シリーズの投入で販売員に詳細を問い合わせる会社員風の男性の姿などが目立った。カメラ系量販店によると「900iシリーズでは、パナソニックモバイルコミュニケーションズ製が好調。特に筐体カラーが白のものは、新規・機種変更ともに発売以来品切れが続いている」と、なかなかの滑り出しを見せていた。一方、700iシリーズは、2月10日に富士通製の「F700i」が第一弾として登場。「FOMA廉価版の700iシリーズは発売してまだ間もないが、注目度は高い。2,3機種出揃ったところで動き始めるのでは」と、期待していた。店頭表示価格は新規2万6,040円、機種変更2万7,090円。
【2月のパソコン店頭情報】
一段と寒さが増した05年の年明け早々、秋葉原の家電量販店ではパソコンメーカー各社が春モデルの発売を開始した。テレビ機能の搭載後は、特に真新しい機能を追加することができず、市場が停滞している感のある現在のコンシューマー市場において、今回の春モデルは市場の喚起に結びつくのか。店員とユーザーの声から春モデルの売れ筋傾向が見えてきた。
【IT道標】ナンバーポータビリティ導入に向けて動き出す携帯電話業界―
06年のナンバーポータビリティ導入を控え、携帯電話各社の割引サービスや新規参入事業者の動向が注目されている。ADSLサービスを提供するイーアクセスは、05年秋にFDD方式によるW-CDMAの免許を取得し、06年に主要都市でサービスを開始する。イーアクセスは、W-CDMAの発展型であるHSDPA技術を使って設備を構築する計画。最大14.4Mbpsの高速通信と割安な定額制サービスで既存の携帯電話事業者と差別化をはかる考えだ。ADSLユーザーをターゲットにデータ通信を頻繁に使う法人や個人のヘビーユーザーの獲得を狙う。ADSLで471万人の加入者を抱えるソフトバンクも携帯電話への参入を表明しており、固定通信業界でブロードバンドサービスの普及を牽引した両社の動向が注目される。
【IT業界の深層流】前日本HP会長の寺澤正雄氏、IT業界に復活へ―
前号に引き続き、ウェブメソッド(KK)関連の話題である。同社は日本での経営方針の実行に関する顧問として寺澤正雄氏を指名した。寺澤氏は日本ヒューレット・パッカード(HP)の生え抜きのシステム営業として活躍し、日本HP社長、会長を歴任して、昨年夏、会長職の定年を期して退任した。米ウェブメソッド本社にはHP出身幹部も多く、日本市場での寺澤氏の影響力を評価、ウェブメソッドへの協力を要請した模様である。寺澤氏は日本市場での豊富な営業経験を生かして経営アドバイス、営業アドバイス、あるいはこれまで築いた豊富な人脈を基にしたパートナーやユーザー企業との太いパイプつくりを期待されている。
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