デジタル家電市場の現状と今後の展望(2005年 04月号 No.106)

【特集1】流通業者との協力関係構築が今後の鍵― デジタル家電市場の現状と今後の展望

04年度国内IT市場は、景気回復の兆しが見えはじめ企業のIT投資はプラス成長に転じたが、個人消費は年金問題や高齢化社会に対する先行きの不安などから買い控え傾向が続いる。これまで市場を牽引してきたパソコンも金額実績では横ばい成長に終わる見込みだ。その中にあって、昨夏のオリンピック需要を追風に急成長を遂げたのがデジタル家電事業。特に、DVDレコーダー、薄型TVは出荷台数を倍増させる勢いを見せており、景気回復の原動力となった。パソコンに次ぐIT市場の牽引商品として、デジタル家電商品に期待が集まっているが、今後もこの勢いは続くのだろうか。

【データ1】日本HPが3位に躍進、外資系3社で50%超のシェア― 2004年 国内PCサーバー出荷概況

04年(1~12月)のPCサーバー国内出荷は、前年比18.7%増の40万9,900台を出荷(データ1)。Y2K特需(2000年問題)時の買い替え需要や古いNTサーバーの買い替えが大手・中堅・中小など民間企業を中心に活発化した。04年は景気回復とともにIT投資意欲が上向いた年であったといえる。メーカーシェア(データ1)は、日本HPが前年比31.3%増と調査対象企業のなかで最も高い伸びを記録し、富士通を抜いて3位に躍進した。デルが前年比21.9%増でシェア18.8%、日本IBMが同22.7%増の15.2%と、外資系ベンダー3社の合計シェアは、50.6%と、初めて市場全体の半分を占めるまでに拡大した。

【データ2】注目技術の動向:Webサービスの実際の適用をめぐる問題点― ~Webサービスの最新動向

Webサービスを利用したシステム連携・統合の波がやってきた。.NETとJ2EEについても、どうやら収束と整合性がとれるようになってきたようだ。実際のシステムから、その問題点を考えてみる。

【データ3】出荷台数は前年比約2倍の403万台、世帯普及率は約14%に― 2004年 国内DVDレコーダー市場概況

04年(04年1月~12月)の国内DVDレコーダーの出荷台数は03年の192万台から109.9%増の403万台となり、400万台の大台を突破した(データ1)。また、出荷金額でも前年度比53.5%増の2,180億円を記録しデジタル家電の好調さを裏付ける結果となった。メーカーシェアは、03年に引き続き松下電器産業が28.3%で1位となり、2位には03年の4位から大きく躍進し、22.1%を獲得したソニーが入った。以下、3位東芝16.4%、4位パイオニア10.2%、5位シャープ7.4%と上位5社の顔ぶれに変動は無かった。また、04年が本格参入の年となったのが三菱電機、日本ビクター、日立製作所であったが、この中でも明確な低価格化戦略をとった三菱電機が最も出荷台数を伸ばした形となった(表1)。

【トレンド1】連載・ネットビジネス49― ユーザーの視点で旅行活動全体をサポート ~「旅行のクチコミサイト フォートラベル」

04年1月にサービスを開始した「旅行のクチコミサイト フォートラベル(http://4travel.jp/)」だが、順調にユーザー数を伸ばし、「MSN」や「goo」とも提携するなど注目を集めている。旅行サイトというと「楽天トラベル」や「Yahoo!トラベル」などの予約サイトをイメージするが、この「フォートラベル」は、出発前の情報収集から旅行後の情報共有まで、旅行活動全体をユーザーの視点からサポートしている。

【トレンド2】連載・デジタル家電の行方8― ブランディングマネジメントも大きな差別化要素に ~04年度 デジタル商品ランキング

MM総研では8品目の主要デジタル商品に関して毎週市場調査を行い、そのランキングを毎週ホームページ上で公開している。今回は2004年3月~2005年2月のランキング結果をポイント化し、「DVDレコーダー」「デジタルビデオカメラ」「PDA」「デジタルカメラ」「MP3」「液晶テレビ」「デジタル一眼レフカメラ」の主要7品目について、それぞれ年間順位を付け、その結果を元に04年度の売れ筋傾向を考察する。

【トレンド3】注目企業の動向― 破格の低価格薄型TVで市場を開拓 ~バイ・デザイン㈱

薄型テレビの急速な普及に伴い、最近、市場関係者の間で話題になっている企業がある。「バイ・デザイン」というベンチャー企業だ。元アキア社長である飯塚克美氏が03年6月に立ち上げたが、大手メーカー製品より3割ほど安い価格でインターネット通販や大手量販店を中心にユニークな市場開拓を進めている。その戦略を飯塚氏に聞いた。

【トレンド4】話題のサイト― ㈱ゴルフダイジェストオンラインがスポーツバンガード㈱へ出資

国内最大のテニス総合サイト「テニス365」を運営するスポーツバンガード㈱は、第三者割当増資を行い、ゴルフダイジェストオンライン㈱からの出資を受けた。今後、両社はスポーツ専用サイトの運営で協力し、新たなビジネスチャンスを狙っていく。

【対談1】日本発の企業向けブロードバンド・ソリューションの海外展開をめざす― 日本電気株式会社 瀧澤 三郎 取締役 執行役員常務

e-Japanの掛け声の下にひたすらにネットワークインフラの構築に励んできた日本社会は一挙に、ブロードバンド・ユビキタスの実現に向け大きく前進している。情報流通単位当たりの料金は世界ダントツの安さを誇る状況にある。しかし、何か、不足している。とても「ブロードバンド大国」と胸を張る気はしない。インフラを整備した日本社会の「次の一手」は何か。ブロードバンド・ユビキタス社会をリードするNECの瀧澤三郎  取締役 執行役員常務と中島洋MM総研所長が議論を交わした。

【対談2】拡大する法人需要と個人の生涯学習を支える教育機関に― 株式会社ネットラーニング 岸田 徹 代表取締役社長

ネットワークを使う「ネット教育」が長い間の助走を終えて、大飛躍への踏み切り台に差し掛かっている。伸び盛りの需要は企業向けの教育サービスである。個人情報保護法、情報セキュリティ、CSRなど、企業が社会的責任において従業員の啓蒙、知識の浸透を行なう義務を負うようになったことも追い風である。この分野の第一人者、株式会社ネットラーニングの岸田徹 代表取締役社長に、eラーニングの現状と展望を聞いた。

【経営1】ITサービスプロバイダの事業戦略4― 強みを活かした事業展開へ、後はスピードの勝負 ~㈱電通国際情報サービス

強みを生かした事業モデルへの転換を図る㈱電通国際情報サービス(ISID)。好調な製造業の設備投資の波と、長年に渡って培ってきたCAD/CAM/CAE/PLM製品のノウハウをもとに順調に事業拡大を図っている。半面、取り巻く事業環境の変化に対して、いかにして、今後、事業構造を変化させ、対応を図っていこうとするのか。同社の05年中間期の決算数値をベースに、事業構造の内訳、顧客構成から今後の中期的な事業戦略と幅広く話を聞いた。

【経営2】総合システム開発体系「SDAS」― 富士通のプラットフォーム戦略

富士通のプラットフォーム戦略を構成するシステム構築戦略をとりあげる。従来からの豊富な構築実績をもつ富士通のノウハウ・経験を、高速ブロードバンド時代の企業情報システムへ、いかに応用していこうとしているのか。SDASの背景と狙いを聞いた。

※「SDAS」とは、System Development Architecture & Support facilitiesの略で、富士通が規定する総合的なシステム開発体系。

【経営3】セキュリティと低コストを両立させたVPNサービスが好調― NTTPCのブロードバンドVPNサービス

法人向けデータ通信サービスの大手企業への需要が一巡した。ニーズはIP-VPNや広域イーサネットサービスなどの幹線系サービスから支線系にシフトしてきた。安価ながら一定レベルのセキュリティを確保できる、フレッツ網を利用したアクセス回線サービスが注目を集めている。今回は、NTTPCが提供する「セキュア・インターネットVPN」、「ブロードバンド・イーサ」に注目した。

【経営4】トピックス― 3月の携帯電話店頭情報:春商戦、各キャリアが新製品を続々投入 3月のパソコン店頭情報:東芝の「RAID」機能に問い合わせが殺到

【3月の携帯電話店頭情報】

 3月中旬までの東京・新宿西口のカメラ系量販店店頭の携帯電話売り場は、春商戦のキャンペーンや、新機種の投入で賑わっていた。auのデザインケータイ、PENCK(日立製作所製)を手に取り操作性などを確認する若い人の姿が目立った。



【3月のパソコン店頭情報】

 春モデルPCが続々と店頭に並んだ3月初旬、秋葉原の家電量販店では東芝の「dynabook SS LXシリーズ」に関する問い合わせが増えており、現在、多くの店舗で品薄状態が続いているという。ライトユーザー・ヘビーユーザー問わず、予約してでも購入したいというその機能は「東芝RAID」。HDDでデータを二重化して保存する、バックアップデータシステムである。

【IT道標】インターネットと放送の融合

インターネットと放送が融合するという予測は既に10年以上前から存在していた。インターネットがニュースを発信することで新聞媒体を飲み込み、エンターテイメント系の映像コンテンツは、テレビではなく全てインターネット上で見られるようになると思われていた時期があった。今でもそのブレークスルーをいつ頃と見るべきか様々な議論が交わされているが、ライブドアによる放送業界への参入意思表明によってこの問題が俄然注目を集めるようになってきた。
 マイクロソフトはIPTV(Internet Protocol TV)のコンセプトを03年10月に発表し、その後、欧米の通信事業者でセットトップボックスとブロードバンド回線を利用したIPTV配信サービスが続々と採用されている。07年には世界で約1,500万人がIPTVサービスを利用するとの見方もあり、今後数年は倍増ペースでの普及が見込まれている。

【IT業界の深層流】ライブドア問題が示すメディア業界騒乱の前兆

ニッポン放送株をめぐるライブドアとフジテレビの抗争は古いメディアの終わりの始まりである。2つの意味がある。1つはメディアとしての「文明の対立」だ。もう1つは株式市場を通じて資金を調達しなければならなくなったメディアのガバナンス(企業統治)の常識の切り換えの問題である。
 先にガバナンスの議論をしておく。ガバナンスとは、突き詰めて言えば「企業はだれのものか」である。米国標準を信奉するライブドアの側は「企業は株主のもの」。一方、日本型統治論が身体に染み込んだフジテレビ側は「企業は従業員のもの」「企業は視聴者のもの」「企業は取引先のもの」というのが常識で、さらにこうした複数の統治を巧みにこなすのが経営トップの仕事なので心ひそかに実は「企業は経営トップのもの」という確信を抱いている。この双方の常識と確信が正面衝突したのが今回の事件だ。
 

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